テラーノベル
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誕生日当日は仕事やからと、2日前にあたる今日ラウが前祝いしてくれるって言い出した。
ありがたいけどラウに出させんのはなー、どうやってうまいこと出すか、せめて割り勘、とか考えながら店で待ってたらもう普通にモデルが入ってきた。
イケすぎてて客がみんな振り返っとる。何でそんな目立つ感じで来てん。ちょっとはコソコソせぇ、と思いながらラウはこっちに案内されてきた。
サングラスを外すと、そこから現れたのはいつもの人懐っこい笑顔のラウ。
🤍「お待たせぇ♡」
🧡「お待たせ〜やない。めっちゃ目立っとるやん」
🤍「だって康二くんの誕生日、ちゃんとオシャレしてお祝いしたかったんだもん」
そんなん言われたらもう叱る事もできん。案の定、お行儀のいい店やけどさすがに顔さしてもうて店内の雰囲気もヤバかったしちょっと食べてすぐ店変えた。
🧡「最初から個室にするべきやったわ」
🤍「もう心置きなく飲んで食べられちゃうね」
ラウは自分が悪いなんてこれっぽっちも思ってない。この店もラウが見つけて電話してくれてんけど、突発で探した割に静かで料理もお酒も美味くて、特に俺よりもなぜか浮かれてるラウはめっちゃ飲んでた。
ほんでや。
🧡「真っ直ぐ歩け〜」
🤍「無理ぃ♡」
今コレ。
この暑いのに『メッシュ素材なんだー♡』とか言いながらヒールサンダルなんて履いてきよって、2mくらいありそうなラウが俺に100身体預けて千鳥足。
あかんて、そんな寄っかかられたら俺までこけるて。共倒れやん。
てかお祝いって何やったん?何で俺が酔っ払ったラウの面倒見てるん?
🤍「康二くん、ラーメン食べに行こ?」
🧡「こないだ飲み行った時それして全部吐いたやん、あかんあかん。タクシー乗ります」
🤍「えぇ〜やだぁ」
言う事も聞かんしあちこちヘロヘロ歩くラウは正にティラノサウルス。
タクシー乗り場が見えてきたと思ったらラウがバランスを崩して前のめりに倒れた。
🧡「あぶな!」
咄嗟に支えたけど重くて受け止めきれんかって、そのまま一緒に地面に倒れ込んだ。
まだ路地裏で良かった、こんなん大通りでやらかしたらちょっとしたスキャンダルやわ。
🧡「ラウ〜大丈夫か?顔打ってへんか?」
🤍「痛ぁい」
🧡「顔は?どうもないな?」
🤍「んふふ〜康二くん優し〜♡」
俺下敷きやしとりあえず起こそうと思ってもぞもぞしてたらラウが急にキスしてきた。
待て待て待て。濃いい濃いい。めっちや濃いい。唇分厚いしガンガン舌入れてくるんやけどこれ何なん?
🧡「ぷは、ちょい待ち!」
🤍「ん〜〜??」
🧡「わからんわからん、何でチューすんの」
🤍「だって〜、俺康二くんの事大好きなんだもーん」
🧡「はい?」
だから一番にお祝いしたかったの〜、当日仕事はホントだけど今日なら一番かな〜って♡とラウは喋りながら今度は首を吸ってきた。何も頭で考えてない時の喋り方しとる。
🤍「康二くん、そういう事だから俺と付き合ってぇ?」
🧡「そうかぁ。ありがと。でもとりあえず立とか」
🤍「立てなぁい」
🧡「あとちょっとでタクシー乗れるし、頑張り。ほれ」
もうここで寝そうになってるラウを何とか励まして立ち上がらせ、タクシーに乗り込んだ。
🤍「何それぇ!?」
🧡「昨日ちょっと一緒にこけただけや、大丈夫」
ベッドで爆睡して朝起きたラウは真っ青。
俺の手のひらと腕にでっかい絆創膏、首にキスマ。自分の腕と膝にも擦り傷。まったく覚えてないらしい。
🤍「ごめんね、俺お祝いしたかったのに…」
しょんぼりしてるラウ。俺にどさくさ紛れに告ったのもたぶん覚えてないな。
🧡「お祝いしてもらったやん、美味い店連れてってくれたし。また行こ」
まだ冷静になれないラウはそれを聞くとちょっと嬉しそうにして、もうすぐ仕事だからと用意したインスタントのシジミ汁飲んで、慌ただしくシャワーして出て行った。
その後収録で会った時、『あの時のお代!』とせっかく触れんかった話題を賢く思い出して食い下がってきたけど『もう時効や』と突っぱねた。
🤍「え…じゃあさ、あの時の返事も時効…?」
🧡「え」
でかいのに器用に上目遣いで俺を見るとラウは『じゃ、また言うね』とウインクして去っていった。
🧡「それは急すぎひん?」
残された俺はうっかりあの時の唇の感触を思い出してもうて、トイレに駆け込む羽目になった。
終
コメント
5件
えーかわいいー🫣🫣 🧡おめでとう🎂🎂
🧡誕生日おめでとう! バースデー動画見ながら相手を誰にするか考えましたw
かわいい!ちょっと何度かおかわりしたい!😍