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#地雷系
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
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#いじめ
名瀬口にぼし
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コメント
1件
うわあ、今回の話ほんとに胸に来た……。ジェシカに「もう関わらないほうがいい」って言われたときの竜馬の戸惑いとか、湖で拳銃や手紙をひとつずつ手放していくシーン、全部が切なくて。特に「蟻でさえ帰る場所を知ってるのに」ってところで、グッと来たよ。ジャスティンが生きてるかもわからないもどかしさの中で、それでも竜馬が涙を拭かずに夕日を見つめてるラスト……余韻が強すぎる。カモメが「ジャスティン」って鳴く表現、すごく好きだな。二人の関係にこれで終止符が打たれたのか、まだ続きがあるのか、続きがすごく気になる……!
ジャスティンの実家のトレーラーハウスはリビングと寝室と二つに区切った長細い家だった
新品のカーペットとプラスチックの家具の匂い・・・そしてオーブンで焼きたての焼き菓子の匂いがする、竜馬は雑多なこまごました物に囲まれ、真ん中のリビングに4人掛けのテーブルの一つに座った
紅茶とケーキが出され、あたたかな酵母の匂いを嗅ぐと、家庭的な感覚に癒され、はじめておなかがすているのだと感じた、竜馬はガツガツとケーキを食べた、ウェンディはずっとカーテンの陰に隠れてこちらの様子をうかがっているが、竜馬がウェンデイの方を振り向くと、真っ赤になってカーテンの後ろに隠れてしまう
「あの・・・これ・・・ジャスティンが渡してほしいって」
竜馬は大きな紙袋一杯に入った現金をジェシカに渡した
「安心してください!綺麗なお金だそうです、その・・・犯罪とかで・・・手を汚したんじゃなく」
「そう・・・ありがとう」
それから竜馬は昨夜の出来事をジェシカに話した、今もジャスティンは生きているか、死んでいるかわからない、それを考えると心が痛かった
「・・・でも・・・刑務所に入っても・・・僕・・・しょっちゅう面会に行くし、手紙とかも・・・・きっともう一度会える機会は―」
竜馬はここに来るまでもずっと考えていた希望的観測でも、なんでもジェシカに語った、そして何とかもう一度ジャスティンと会えることを望んだ、しかしジェシカの返事は意外なものだった
「竜馬・・・あの子の事をそこまで考えてくれてありがとう、でも・・・ここからはジャスティンのことは私たちに任せてちょうだい、あの子は犯罪者なの、実刑も何年になるかわからないし、もしかしたら一生出られないかもしれない・・・」
その言葉に竜馬はためらった、ジャスティンが一生刑務所なんて・・・そんなこと考えた事もなかった
「あなたはもうあの子と関わらないほうがいい」
ジェシカは手に持った紅茶のカップを見つめていたが、やがて顔を上げ、竜馬をじっと見つめた
「ジャスティンのことは忘れて、あなたはあなたの人生を歩んでちょうだい、それがあの子の願いなのよ、竜馬」
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竜馬がミシガン湖にたどり着いたときは、惑星のような夕日は半分湖に漬かっていた、半月と満月のあいだの月が薄白く上り、辺りはだんだん暗くなり、海のように広い、張り出した湖岸線がどこまでも続いていた
ものすごい数のカモメがやかましく、あちこちで欲望のままに鳴いている、竜馬はコンバーチブルのトランクをバカンッと開けた、そこにはジャスティンの武器庫にしまってあった銃器類がそっくり入っていた
そして竜馬はその拳銃と弾薬をひとつづつ、残らず湖に投げ捨てた、最後にコンチネンタル・ファミリーの証のバラの紋章が入ったコルト45口径を手に握り・・・じっと見つめる、竜馬は思いっきりコルトを空高く放り投げた、ジャスティンのコルトはボチャンと王冠を立てて湖の中に落ち、泡を立てて暗い湖の底に沈んでいった・・・
次にジャスティンの手紙を細かく千切って風に飛ばした、手紙は花びらの様に風に舞って、やがて見えなくなった、竜馬の方こそきっと・・・どこにいてもジャスティンを恋しく思うだろう・・・二人の会話を懐かしく思うだろう・・・いけないと分かっていても、ぐずぐずとそんなことを考えてしまう
はじめてジャスティンと会った時、あの獰猛なピットブルに助けられた記憶が蘇り、後ろでカモメが絶叫した
二人が築いたものは友情以上のものがあった、せっかく築いてきた二人の関係に、これで終止符が打たれたのだろうか・・・あのロイヤルブルーの瞳が自分に向けられたときは、いつもそれは暖かく、守られていると竜馬を安心させた
胡桃のように硬くて丸い塊が喉に詰まっていた、これには覚えがある、ジャスティンと喧嘩して二か月会えなかった時、この症状に悩まされたものだ、彼が謝罪して今まで通り一緒にいれると安堵した時、その症状は流れて消えた
忘れようにも忘れられない・・・アメリカで暮らしていける唯一の支えを無くした
ふと足元を見ると、日本ではお目にかかれないほどの大きな蟻が、竜馬のスニーカーに登ってきた、竜馬はしゃがんでじっと蟻が通り過ぎるのを待った、その蟻は竜馬のスニーカーを登って降りるとまっすぐに家路についた・・・竜馬は悲しくなった・・・蟻でさえ自分が帰るべき所を知っているというのに、自分はどこに行けばいいのかまったくわからない
竜馬はこれからどうして行けばいいのか、途方に暮れた・・・
風の吹くままに髪を遊ばせ・・・ハラハラと頬に流れる涙を拭きもせず・・・膝を抱えてそこに座り、じっと夕日が沈んでいくのをいつまでも見つめていた
―大切な家族以上の友人を失った・・・―
カモメは一晩中「ジャスティン」と鳴いた
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