こちらの方ではご無沙汰してました作者です。
皆さん最近衝撃的だった事とかあります?
作者は前からイラストを拝見させてもらっていた同業の方が小学生だった事です。
今どきの小学生ってあんな特殊プレイとか知ってるんですか???
恐ろしい時代ですね
今回暗めgremです!苦手な方はご注意を…
では、どうぞ……
grem【責任転嫁】
「にい」
やめて
「エミ兄」
やめてくれ
「兄さん」
お願いだから
私を兄と呼ばないでください。グルッペン
『オマエの様な出来損ない、私の息子では無い』
申し訳ございません
『何故アナタみたいなのが生まれたのよ!』
ごめんなさい
『アレがフューラー家の長男だと?』
解っています
『気色の悪い見た目だな』
……
国で一二を争う名家に漸く産まれた男児
それがこんな見た目ならば落胆するのも無理は無いのかもしれない。
両親とは似ても似つかない亜麻色の髪と不自然なまでに色の無い肌
男らしくない長細く頼りの無い体躯
外で走り回るよりも部屋の中で一人本を読み漁る社交的でない根暗な性格
そして何より
色の抜け落ちた気味の悪い瞳
そのどれもが望まれた物では無かった。
両親から、周りの人間から
期待されたモノ全てを踏み躙り産まれ落ちたのが私だ。
勝手に期待されて、勝手に落胆される。
最初はそれでも良かった
直ぐに諦めは着いたから。
でも
そんな淡い平凡も、長くは続かなかった。
私が6歳の頃
弟のグルッペンが産まれた。
幼いながらに街ゆく人が振り向く様な美しい顔立ちに柔い肌
両親譲りの金髪碧眼
男の子らしいしっかりとした健康的な体格
好奇心旺盛で子供っぽいが何処か達観した立ち振る舞い
そのどれもが望まれた通りの物だった。
両親から、周りの人間から
期待されたモノを全て拾い上げて創り上げたかのような存在
それがグルッペンだった。
それだけなら良かった
だって私には関係ないから
弟だろうが、今までの人達と何も変わらない。
蔑まれるだけだろう
そう、思っていたのに
「エミ兄の目は、お月様みたいだ!」
あぁ
ああ、やめてくれ
そんなキラキラした目で私を見ないで
違うでしょう、グルッペン
君の居場所はここじゃない
何だってわざわざ
こんな影の方まで来てしまうんです。
『あの子に近付かないで頂戴!』
『オマエの根暗が移ったらどうする』
違う
私じゃない
「…兄さん、どうしたんだ?どこか痛いのか?」
ああ、いたい
痛いんだよ、グルッペン
君の優しさが、痛くて痛くて仕方ない。
せめて君が私の事を嫌ってくれたら
小言のひとつでも言えたのに。
18の年に家を出た
両親は勿論、使用人やグルッペンにも言わず
どうせ誰も、何も思わないだろうから。
いくつも国を跨いで、居場所を転々として
逃げる様に世界を巡った。
そして漸く、故郷から大海を挟んだ先にある小さな国で居場所を見つけた。
髪や目の色は隠したまま
嗚呼、やっと開放される。
私はもうフューラーじゃない
私は自分に、新しく《アルベルト》と言う名前を与えた。
決して豊かでは無いけれど、人並みに幸福な
幸せな日常を送っていた。
なのに
「兄さん」
焼けた街に炎を背負って現れたのは
かつての自分の弟だった。
「…ぐ、る…ぺん」
「やっと、やっと見つけた。兄さん」
膝をつきへたり込む私を抱きしめるその身体は、記憶の中よりもずっと大きく、逞しくなっていた。
地を這うようなバリトンボイスが、イヤに耳に残った。
「…、なん…で……」
「父さんも母さんも殺したよ」
「………ぇ…?」
「もう兄さんを苦しめる奴は居ない。だから、一緒に家に帰ろう兄さん」
頬に当てられた手が、酷く暑く感じる。
「…まちの、街の…ひと、たちは……」
「……b国からの攻撃だ。かなりの数死んでる」
「…っ!……ぅ…あ、あぁ…」
ボロボロと涙が零れて止まらない。
やっと、やっとみつけたのに
「ああ…泣かないでくれ、兄さん。もう大丈夫やから」
私の肩を抱き抱えたまま、グルッペンが涙を拭う。
「兄さんの為に国を造り変えたんだ。だからもう、こんな風に隠さなくて良い」
髪を梳かすように焦げ茶色のウィッグを外し、カラーコンタクトが取れてしまった左目を愛おしそうに撫でる。
「もし兄さんの事を悪く言う奴が居たら、俺が全員殺すよ」
酷く穏やかなその声が、恐ろしくて仕方がない。
グルッペンの澄んだ晴天のような瞳は、轟々しい炎を反射して、朱に染まっていた。
顔を見られたくなくて、グルッペンの肩口に顔を埋める。
甘えられているとでも思ったのだろうか。
グルッペンは上機嫌にエーミールをキツく抱き締め、形の良い頭を撫でた。
「ああ、兄さん。俺のエミ兄」
「ずっと、ずっとおかしいと思ってたんや。エミ兄ばっかが苦しむなんて」
「いっつもいっつも、エミ兄は理不尽な目に遭う。こんなにも美しく才に溢れていると言うのに」
「俺以外の誰も、エミ兄の良さを理解出来ない馬鹿ばかりだった。」
「……そう言えば、折檻の痕は治ったか?…俺の仲間に腕利きの医者が居るから、きっと綺麗に治せる」
どうして?
君は幸せだったろう?
両親に、周りの人間に愛されて
才能にも恵まれて
何故放っておいてくれなかったの?
君には私なんて必要無いだろう
こんな出来損ないなんて
君は
君は私から、全てを奪ってしまう。
どうしようもない怒りの置き場所さえも
「…っ、どうして…放って、おいて…くれなかったん…ですか……!」
「好きだからだよ」
ああ、本当に
「ずっと、エミ兄の事が好きだったから。」
「エミ兄を苦しめる奴らが嫌いだった。」
「だから殺したんだ。」
本当に、君は
「エミ兄を苦しめて来た奴らは全員殺した。」
「エミ兄の才能も美しさも解らないような馬鹿は俺の国に要らない」
「でも解って欲しいとも思わないんだ」
「だって」
どうしようもないくらい
「エミ兄の傍に居るのは俺だけでいい」
酷い奴だ
「エミ兄」
「愛してる。心の底から」
最も私を苦しめているのは君だと言うのに
触れた唇の温度は解らなかった。
はい、如何でしたでしょうか。
兄弟パロ美味しいね
grさんは執着すごそうですからねぇ
本当にb国からの攻撃だったのか、それとも……
それでは、また次の作品で……
コメント
2件
gremは、すれ違いで執着する愛が良く似合うと思います(๑•̀ㅂ•́)و✧ また、これが兄弟となると……(* ´ ﹃`*) ホンマに美味しゅうございますありがとうございます(五体投地)
兄弟パロって美味しいですよね(*´~`*)ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹" ボクも異4とか言うcpで書いたんですけど、 何処のcpでもemさんはお兄ちゃんなんだなって……(しれっと自語りすな)