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「お前さんが、ノブリア王クセノフォス、か」
「……然様、である」
もちろんクセノフォス本人も『飢饉』による攻撃を喰らっているので瀕死の状態にあるのだが、本人自身はかろうじて喋ったりものを考えたりする気力を残しているようだった。見上げたものだ。クセノフォスは、自らの自慢の軍勢がどのような状態に陥っているかを首を振って改め、そして告げた。
「ノブリア王国国王クセノフォスの名をもって、ここに無条件降伏を宣言する。血を流す必要があるのならば、我が血を以てそれに充ててもらいたい。如何か、名も知れぬ英傑よ」
「俺の名はオゾンだ。オゾン・バラーダ。そう呼んでくれ。あんたも含めてだが、むやみに死人を出すつもりはないから、そこのところは安心してくれていい。で、無条件降伏は受諾させてもらう。確かに承った」
「……感謝する」
と、このとき。赤い龍の姿でオゾンの脇に侍っていたテトラが気付いた。
「封印が……また一つ、解けたぞ」
「ん? というと」
オゾンは自分のステータス画面を見せてもらった。
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■ステータス・ウィンドウ
名前:オゾン・バラーダ(原田望)
種族:人間
出身世界:地球
職業:軍人
レベル:5
【基本能力値】
体力 (HP): 33/ 33
魔力 (MP): 3 /4
筋力: 8
耐久: 9
敏捷: 5
知力: 11
幸運: 2
【スキル】
ユニークスキル《ペコペコ》: 腹が減る。
備考:第一段封印解放『ハンガーノック』:触れた相手を飢餓状態にする。
第二段封印解放『飢饉』:周囲に無差別の飢餓状態を引き起こす。
第三段封印解放『服属』ぺこぺこ謝った相手に服属の契約を強いる。
《料理 Lv.1》: 初歩的な家庭料理が作れる。
【耐性一覧】
飢餓耐性
【称号】
ザウアシュ侯国客将
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フラッター、とは、『大地に平伏し、頭をこすりつける』くらいのニュアンスの言葉である。それはさておき。
「『服属』……これがあれば、たとえばここにいる一万五千の軍勢をザウアシュ市に連れて帰っても、あとで反旗を翻されたり一切しなくなる、ってことなのか?」
「まあ、形としてはそういうことになるのだろうな。何か裏のかかれる余地があるにしても、そう簡単な内容ではないだろう。それにしても、まあ、こう短時間で第三段までの封印解放を果たすとはな。余も長くは生きているが、しかしここまでの力はかつて以前には目にしたことすらない……恐ろしい男よ、そなたは」
それはそれとして、無条件降伏を宣言したクセノフォスに、この話を説明しないといけない。
「どうやら、こういうことになったらしくてな。あんた、その上でなお、俺の前で『無条件降伏します』って言えるかい?」
「王に二言のあると思うてか。為すべきように、処するがよい。我の身柄でよくば、煮るなり焼くなり好きなようにせよ」
「いやぁ。あんたを煮たり焼いたりしても、しょうがないからな。帰って羊の丸焼きでも用意してもらうさ。何しろ、腹が減った。飢饉はたいした能力だが、何はともあれ真ん中にいる俺の腹が一番減るんだ。こればっかりはどうしようもないらしくてな」
「……」
こうして。国家ノブリア王国と、その王クセノフォスは。ザウアシュ侯国の……否。英雄、オゾンの、軍門に下ったのであった。