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そちらに了承した方のみこのお話をお読みください。
私の名はGirei「 ギレイ 」。街でマジシャンをやっていたものだ。今私はエウリュディケ荘園の門前に立っている。
これは荘園で行われる、人生をかけた遊戯「 ゲーム 」の物語だ。
村で唯一の病院を経営していた父は、転勤で村の外れにある街の大きな病院で働くことになった。
記憶がはっきりしていないが、母は病院で働くことに納得がいっていないようだった。
私が3歳の時だ。兄が村で流行っていた感染症にかかってしまい、死んでしまった。
もう4歳になる私は村から近い森で小枝や山菜を取って生活の足しにしていた。
そんなある日。母が感染症にかかってしまった。兄がかかっていた感染症と同じだった。
母の病気の様子をうかがった。呼吸困難。吐き気。高熱に湿疹。すべて兄がかかっている。
この程度なら医学知識がなくてもわかること。あとは医学知識のある人に見てもらわなければ。
この村唯一の病院では感染症に関する薬はおいていなかったはずだ。兄が病院に行ったときにちらっと見たが、薬という薬が見当たらなかった記憶がある。
私は父を探した。村には居ない。ならば街に行こう。
私は母のために走った。
街までついた。父がいる病院まで走った。
病院に入った。
ーーーーーーーーーーー だが、父は見つからなかった。
その日から1年後。父が村に帰ってきた。父が私と母と兄の姿を見ると、決心したかのように荷物をまとめ始めた。
父は私のことを持ち上げると、この家を出た。父は私に何も言わなかった。
私は抵抗する。自然と涙が出てきた。
「 嫌だ!父さん!!離してよ!!! 」
父は私のことを離してくれなかった。
家に残されたのは、死んでまもない母と、私の自室にいる兄。
そして
ーーーーーーーーーーーーーーー 家族「 みんな 」の笑顔
そこから何年の月日が経っただろうか。私はいつの間にか街で割りと裕福な暮らしをしていた。
職があり、食事も取れる。家はオンボロではないし、大好きな 「 □□ 」 にも没頭できる。
私の生きがいはそれしかない。この「 □□ 」にすべてを託すしか ーーーーーーーーーーー
街では噂以上に繁盛していた「 移動型サーカス団 」
私はあの日から職を失い、途方に暮れていた。
もう「 □□ 」に没頭することはできないのだ。すべてを失ってしまった。
そんなある日。私は移動型サーカス団を見て
「 あんなふうに私も舞えたら…人生はきれいだっただろうか。 」
私の生まれた村では見られなかった、色とりどりのきれいな照明。照明が当てられてもなお、ブレることなく踊り切る演者。
演者を見ている私には照明は当たることなく、真っ暗闇の中から演者を眺めている傍観者(ぼうかんしゃ)に過ぎない。
私はそんな演者側「 彼ら 」に憧れてマジシャンの道を志した。私の過去を知っているものは誰も居ないのだから…。
路上でマジックをし、客人を喜ばせる。数日立ったら街を移動する。路上でマジックをする。客人を喜ばせる。この繰り返しだ。
そうして客人を喜ばせた金で衣食住を賄う。
そんなある日。私の家に一通の手紙が届いた。
マジシャンをして一年経っていただろうか。
四角い便箋に赤いシーリングワックスで封がされている。中には二つ折りにされた手紙と地図。それから
ーーーーーーーーー 私の母の生前の写真が入っていた
街から3つほど馬車を乗り継ぎ、峠を超えた。私は荘園に行く手段を得るために村をいくつか訪れた。ここに行きたいと私が言うと
村の人
「あんたはこんなところに行きたいのかい。あそこには人が住んでいないと言われているのに。あるお嬢様が住んでいた今では使われなくなったお屋敷だよ?」
と言って連れて行ってくれないことが多かった。幸い、心の優しい人が居たため連れて行ってくれたのだが、道中荘園に関する話を聞くことはなかった。
3日に及ぶ荘園への道。ようやくエウリュディケ荘園の門前に来たわけだが…
Girei
「 人気(ひとけ)がない 」
あっという間に夜になってしまったということもあるだろうが、人の気配が全くない。あたりには村というものも何もなく、森の中にいきなり現れた門というような印象だ。
やはり村の人が言っていた通りだった。幽霊が住んでいるのではないかと思われる景観に、人を出迎えるには十分であろうオレンジ色の電球が私のことを照らしている。
ただ、門だけはきれいな様子で、周りを囲う壁と見比べてみると真新しいように見える。あとから取り付けられたものなのだろうか。それにしてもきれいすぎる。
私はそんなことを思いながらも門の隙間から中の様子を伺おうとした。だが霧が多いせいか。村の人が言っていた屋敷と思われるものは見えなかった。
では村の人々はなぜ屋敷が見えるなんてことを言ったのだろうか。
ーーーーーーーーーーー ここには人が来ないと言っていたのに
そんな事を考えていると砂がジャリっと音を立てた。するとさっきまで開いていなかった門がいつの間にか開いているではないか。
門からは風が吹いてきている。霧も少しは風によって晴れてきている。するとさっきまで見えなかった屋敷の大まかな形が見えてきた。あんなに大きなお屋敷なのかと思いながら、私は吸い込まれるようにこのエウリュディケ荘園の門をくぐっていった。
門をくぐると門をくぐる前とは違った印象になった。新しく作られたであろうレンガ造りの道。その道の横には色鮮やかな花々が植わっている。本当に霧で見えなかったのだろうか。こんなにきれいな花々は植わっていなかったし、花の香りのようなものもしなかった。研究をしなかったからだろうか。鼻が鈍っている。
昔のことを思い出したが、私はその記憶を手で振り払った。そんなところにまた戻りたくない。私は過去から逃げるためにマジシャンの道に行ったのだ。
屋敷の扉の前まで来ると、年老いた執事が見えてきた。手には蝋燭、身なりはきちんとしている。お嬢様が住んでいたと言われるお屋敷の元執事だと思われる。それなりに年老いているように見えるが、家族はいるのだろうか。
そんなことを思ったが、執事がこちらへと言わんばかりに屋敷の扉に手をかけて待っていた。
私は屋敷の扉に近づくと執事が扉を開ける。屋敷に入ると執事は扉を閉める。
屋敷に入ると、エントランスには大きなシャンデリアがあった。こちらも真新しいもののように見える。屋敷自体オンボロのようだが、ところどころ真新しいものがあった。
執事が扉を締め、こちらにやってきて私にこう言った。
執事
「Girei様のお部屋は2階の日光がよく当たる部屋に致しました。階段を上がって左手突き当たりにあるお部屋です。何かございましたら何なりと。」
私は軽くお辞儀をし、部屋に向かった。
階段を上がって左に行く。そこで人とぶつかってしまった。
??
「 痛いな…。誰だよこんな夜中に廊下を歩いている奴は… 」
Girei
「 すみません。注意深く前を見ていませんでした。考え事をしていたので… 」
??
「 なんだ新入りか?とにかくまぁ。気をつけろよ。 」
彼はすぐに階段を降りてエントランスの方に行ってしまった。
追いかけようとしたが、長旅の疲れがあるのか、思うように体が動かなかった。
声はテノールぐらいではないだろうか。優しそうな声だった。私の母親に似ている。声からして私より下の年齢で、男性の声だということがわかった。背丈は私より随分と低い。顔を見ようとしたが、フードで顔を視認することができなかった。
服には泥がついていた。土のような匂いがした。血のような匂いもした気がしたが、すぐ階段を降りて行ってしまったため、よく分からなかった。田舎に居た人だろうか?
Girei
「 とにかく部屋に行こう。 」
私はおぼつかない足取りで部屋に向かった。
〜 人物紹介 〜
Girei.Rogue G.R 「 ギレイ.ローグ 」
28歳 男性 176cm
職業 マジシャン 「 □□者 」
出身階級 ??
声 バス寄りのテノール
性格 人見知り 負けず嫌い 冷静
好きなもの 人の声 トランプ 「 □□ 」
嫌いなもの 人混み(自ら行くやつは無理)
一人称 私
家族構成 父、母、兄
キャラクターイメージ