テラーノベル
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バァン!と激しい音を立てて病室のドアが弾け飛んだ。
「動くな! 警察だ!」
拳銃を構えて突入してきたのは、勇一率いる捜査班だった。勇一の目が、誰もいない窓辺に立つ佳奈子と、ベッドの卓を捉える。
「……朝原卓の妻、森田佳奈子だな。輝道は、それに萌子はどこへ行った?」
佳奈子は瞬時に、またしても「怯える無辜の妻」の表情を作り直すと、震える手で窓を指差した。
「刑事さん! 助けてください! 窓から……あの脱獄犯が乱入してきて、萌子ちゃんを道連れに窓から飛び降りたんです……!」
勇一は血の気が引くのを感じながら窓へ駆け寄り、下を見下ろした。7階の下、暗闇の地面。そこには、無残にも冷たくなった勇一の同僚であり佳奈子の友人だった小山萌子の遺体が、血の海の中に横たわっていた。だが、もう一人の男――輝道の姿は、そこにはなかった。輝道は途中の階のダクトやベランダの柵に驚異的な身体能力でしがみつき、深手を負いながらも、奇跡的に死の淵を生き延びていたのだ。しかし、下を見つめる勇一はその事実をまだ知らない。その一瞬の絶望を、佳奈子は逃さなかった。彼女の背後に隠されていた右手が、素早く跳ね上がる。その手に握られていたのは、先ほど輝道から力ずくで奪い取った、サイレンサー付きの黒い拳銃だった。銃口が、勇一の頭部の真後ろへと突きつけられる。「動かないで、刑事さん」佳奈子の声から、先ほどまでの怯えが綺麗さっぱり消え失せていた。勇一は凍りついたように動きを止める。部室の外に控えていた捜査班も、突然の事態に銃を構えたまま動けない。勇一がゆっくりと両手を挙げながら振り返ると、そこには、歌でも口ずさむかのような、信じられないほど能天気な笑顔を浮かべた佳奈子がいた。佳奈子は勇一の顔にさらに銃口を近づけると、まるで内緒話でもするかのように、楽しげな小声で囁いた。
「驚いた?……輝道も萌子もね、私が殺したの。私の手で、あの窓から突き落としてあげたのよ。萌子なんて、最後まで私のこと信じてて傑作だったわ」
「……お前、狂っているのか……っ!」
勇一の額から冷や汗が流れる。目の前にいるのは、他人の命を奪うことを、まるで日常の他愛もない雑事のように捉えている、本物の怪物だった。
「狂ってなんかいないわ。輝道も朝原も、私を利用しているつもりで、全員私の手のひらの上で転がされていただけ。この寝たきりの朝原を操って、警察の裏組織の金を全部私のものにするの。……だからね、刑事さん。ここで大人しく私の人質になって、一緒にここから逃げてもらうわよ」
佳奈子の人差し指が、輝道の銃の引き金にゆっくりと掛けられる。
コメント
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うわあああ第8話読み終えたよ……!!😭💦 タイトル「アクマの微笑み」まさにその通りで、佳奈子の豹変シーンがマジで怖すぎた……!!「怯える無辜の妻」の仮面を一瞬で捨てて、能天気な笑顔で「私が♡♡♡たの」って囁くところ、背筋が凍ったよ……!勇一さんが凍りつくのも分かる。萌子を信じてたって台詞がもうゾッとするね……。狂気が日常に溶け込んでる感じ、めっちゃエモいけど怖い!次が気になりすぎる!!🔥