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「お父さんの笑顔で涙が決壊した」——あそこ、本当に胸が締め付けられました。父親がゾンビになる直前の"最後の優しさ"って皮肉が効いてるし、だからこそ恋乃葉が「敵を討つ」って踏み出す動機が痛いほど伝わってくる。 それに「太陽浴びても夜に戻る」ってゾンビの仕様、生存者にとって絶望的すぎる設定ですよね。学校が避難所じゃなかった真相も含めて、第2話でここまで畳みかけてくるのは容赦ない。連載中とのことですが、続きがすごく気になります。
「お父さん……」
嘘でしょ……。
「お父さん……。なんで……? ゾンビになるってこと? 嫌だ……嫌だよ……!」
お父さんは、手を前にしたと思ったら、私を押してドアを閉めた。
「嫌だよ……父さん」
私達は、玄関で大泣きした。
最後は、ドアが閉まる直前のお父さんの笑顔で我慢していた涙が決壊した。
リビングでも心のなかでも沈黙が続いている。
………………
何で?なんでゾンビがいるの?朝全滅したよね。
私は、この沈黙を破りたくてテレビをつけた。テレビもゾンビのことしかやっていない。
「……速報です。◯✕病院で消えたと思われたゾンビが、午後六時三十分に、同じ個体だと思われるゾンビが現れる映像が届きました。それを見た専門家は、「これは、太陽を浴びても、夜になるともとに戻る」と言いました。皆さん決して外に出ないよう気をつけてください。繰り返します。……」
まさか……じゃぁ、このまま人類崩壊ってこと?
「ねぇ……このままだと、私達……死ぬよね?」
佳代が恐る恐る聞いてきた。
「そうかもね。」
お母さんが、落ち着いた声で言った。
ガタガタ。ガチャガチャ。
「ねぇ……なんか聞こえない?」
なんだろう?玄関から聞こえる。
「私見てくる」
玄関に向かいドアスコープを覗くと、ゾンビが五匹?いや、十匹?わからないけれどたくさんいる。それに何かが腐った匂いもする。服もボロボロ。みんなお父さんの顔色と一緒で、人間の足みたいなものをくわえている。
もう嫌だ……。ここで死ぬ……の?
ゾンビは、家のドアをガチャガチャしていて、家に入ろうとしている。
「もう……嫌……。」
「ねぇちゃん……。逃げる準備したほうがいいってお母さんが……。」
逃げる準備……。逃げたって、逃げたって変わらないのに。もう何もかも嫌。
「ねぇちゃん……。学校が避難所だって。準備しよう」
こんな感じで学校に行くとは思わなかった。
「……」
「ねぇちゃん?……大丈夫?」
佳代……。心配してくれてる?
「佳代……大丈夫。早く安全なところに行こう」
そうだ。学校に行けばいいんだ。もう家族を失いたくない。
私は部屋に戻り、着替え、大事な物、財布を防水のカバンにしまう。その後に、お父さんの部屋に入って、お父さんのナイフ、財布を手に持って下に降りる。
「お母さん。準備したよ。あと……これ……」
私は、お父さんの財布とナイフを渡した。
「……持ってきたんだ……。また財布忘れて行ってたのね……」
お母さんは財布を見て、悲しそうに笑った。
後ろで佳代のすすり泣きが聞こえる。私も少し泣きそう。でも家族を守るって決めたから、しっかりしないと。
「とりあえず……この財布は、佳代に任せて……ナイフは、恋乃葉に託す。これでいい?」
とお母さんが仕切って財布を佳代に、ナイフを私に渡した。
いい考えだと思う。なぜなら…
「文句はないよ。佳代は、お金の使い方がうまいし」
と言うと、佳代が続けて、
「私も賛成。お金の使い方はうまいかわからないけど、お姉ちゃん、体力あるし、運動神経抜群だから」
アハハハ……。私は、護衛か!ってつっこみたいんだけど……そのとおりかも……。私、三人の中で、一番運動神経がいいからな〜。頑張ろう!もうお父さんみたいに家族を失いたくない。
私は、ナイフを強く握った。
「とは言うものの……こ、これからどうする?」
このままだとゾンビにやられる。
「今学校に向かうのは危険すぎないかしら」
お母さんの言うとおりだ。このまま学校に向かったとしても、周りは、ゾンビに囲まれている。突っ込んだとしても、食べられて終わりかもしれない。でも……
「このままいてもさ……家、潰れるよ。」
ゾンビは意外と力が強く、家に体当たりすると家がギシギシと悲鳴を上げている。
もう時間の問題かもしれない。
沈黙が再び訪れる。その時――「ガタンッ」と何かが倒れる音がした。
みんなが、何かを察したように顔が青ざめていく。……うそ……。
「いや……い……や、いやーーー」
佳代が悲鳴をあげる。ゾンビがぞろぞろと家に入ってくる。
私は、ナイフを向ける。
「佳代落ち着いて。……私が時間を稼ぐから、早く逃げて!」
私は、ナイフを強く握る。
「……ねぇちゃん。でも!……」
もう、懲りない佳代は。私は、飛びかかってくるのを避けて、ゾンビの腕を切り落とす。
「見てたでしょ。……私は、そんなにすぐやられないよ。佳代。すぐ追いつくから。お母さんをよろしくね」
私は、どんどんゾンビの首などを切っていく。
「ねぇちゃん約束だよ。」
佳代たちは、学校へと向かって行った。
「さてと……お父さんの敵、討たせてもらうよ」
ぶっちゃけ、ここを乗り越えられるかは、不安。でも……佳代も頑張ってるんだから、私が諦めてどうする。
1時間後
「ハァハァハァハァ……もう、疲れた。」
なんとか、家の中にいるゾンビは全滅した。
「自分で言うけど、私、意外と天才?」
自分で言っといて苦笑してしまう。
とりあえず、学校に向かわなきゃ。
私は、リュックを背負って、学校に向かった。
「きゃー」
はっ!佳代。今の声は、佳代の声!!
「佳代ー。……どこ、お母さん?」
全力で走った。体力が尽きてもいいから、佳代。お母さん。……お願い、無事でいて。
「はっ……」
学校に着いた。声にもならなかった。避難所というのは、嘘だった。ひどい光景だった。あそこの女性は、足をもぎ取られていた。そこの女の子……佳代!?。佳代!佳代……。
噛まれてる。ゾンビに。お母さん……。お母さんもやられてしまった。ひどい怪我だ。
「ウゥゥゥゥ……」
あっ……。私は、後ろを振り向いた。
「う……そ…でしょ……」
すごいたくさんのゾンビが、ニヤニヤしながら近づいてきた。
「お前ら……お前らだろ!?佳代を殺したのは!!」
私は、ムキになってゾンビを殺しにかかった。でも……。
「きゃあっ」
やられてしまった。引っかかられた。終わりだ、もうおしまいだ。でもこれで良かったのかもしれない。佳代たちがやられて、一人で生きるなんて嫌だから。これで良かったんだ。
やばい、もう意識が……。
「ぉ……ぃ」
誰かの声がした気がした。だけどその声が聞こえた瞬間に、意識が飛んだ。