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緑星ふうま
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最終章 白銀の揺り籠
どれほどの月日が流れただろうか。
窓のない、けれど常に柔らかな光に満ちたrmの神殿で、fuはカレンダーを数えるのをやめて久しかった。
fuの黒かった翼は、今や一点の曇りもない純白に染まり、かつての悪魔としての面影はどこにもない。rmの膝の上で、fuは猫のように喉を鳴らし、彼の手のひらに頬をすり寄せた。
「……rm、さま。……もっと、触って」
その口調からは、かつての生意気な態度は完全に消え失せている。
fuにとっての「世界」は、今やこの数メートルの四方の部屋と、目の前の天使がすべてだった。
「いい子だ、fu。今日も俺の光をよく受け入れてくれているね」
rmが細い指先でfuの首筋のチョーカーをなぞる。かつては拘束具にしか見えなかったそれは、今やfuにとって**「rmと繋がっているための命綱」**に変わっていた。
一度、rmが数日間部屋を空けたことがあった。その間、浄化されたfuの身体は、天使の魔力が枯渇しただけで、内側から焼かれるような激痛と虚無感に襲われた。
『お願い……どこにも行かないで……俺を、独りにしないで……っ!』
戻ってきたrmの足首に縋り付き、涙を流して懇願したあの日。
rmは慈悲深い微笑みを浮かべながら、『なら、もっと深く刻んであげよう』と、fu の魂の深くまで自分を刻みつけたのだ。
今、fuはrmの指先が肌に触れるだけで、とろとろに溶けるような多幸感に包まれる。
かつての魔界の仲間たちの顔も、あんなに帰りたがっていた暗い空の色も、今はもう思い出せない。思い出そうとすると、頭の中に白い霧がかかり、rmの優しい声がそれをかき消してしまう。
「ねえ、fu。魔界に帰りたいと思うかい?」
rmの意地悪な問いかけに、fuは激しく首を振った。恐怖に震えながら、rmの服の裾をぎゅっと掴む。
「嫌だ……あんな、冷たくて怖いところ……っ。俺はここがいい。rm様の隣で、真っ白なままでいたい……」
その言葉を聞いたrmの瞳が、深い、深い愉悦に染まった。
rmはfuを抱き上げ、寝台へと横たえる。
fuは自分から翼を広げ、天使を受け入れた。
これは救済ではない。これは、終わりのない埋葬だ。
けれど、rmの腕の中で、浄化という名の愛撫を受けながら、fuは確かに幸福そうに微笑んでいた。
「――愛しているよ、私の小さな天使《fu》」
真っ白な羽が舞い散る中、悪魔だった少年は、永遠に「聖なる檻」の住人となった。