「桜坂さん」
律の声が一段と低く、真剣な響きを帯びた。
「……俺はもう、あなたのことが好きです」
その言葉は、迷いなく真っ直ぐに放たれた。
華の目が大きく見開かれる。
「……え……」
「最初は、教育係だからって思ってました。
放っておけないから、責任だからって、自分に言い訳して。
でも……気づいたら、ただの俺の気持ちになってたんです」
華の頬を、涙が次々と伝う。
信じられない気持ちと、ずっと欲しかった言葉を聞けた喜びが胸にあふれて、言葉が出てこなかった。
「……律さん……」
声は震え、けれどその表情は確かに笑っていた。
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