授業中勇斗が視線を送ってくる。俺がそれに気づいて顔を向けると勇斗は俺に変顔をしてくる。仕返しに俺も変顔をする。 2人して笑いをこらえるのに必死になって…
『おいそこ、何笑ってるんだ』
ほらみろ。結局注意されて。でも、そんな一部始終すらも面白くてまた2人して笑う。
それでもふとした時に目が合うと"もしかしてお前も俺の事好きなのかな"とか思っちゃったりしちゃって。そんなあまりの自分のバカさに笑えてくる。
考えてる時に口を尖らせることとか、暇な時に頬杖つくこととか、つまらない時に真顔という名の変顔をすることとか、そんな意味の無い仕草も俺には全部可愛く見えて、
(笑ほんとどうしようもないんだよなぁ…笑)
授業が終わって勇斗が俺の元に来て言った。
「なんで最後笑ってたんだよ」
俺の気も知らないくせにそんなこと聞くなよ。
"お前のせいでこうなってんの"
なんて言える訳もなくて、結局俺は誤魔化す。
「え、笑ってた?」
放課後になり、俺たちはいつもの仲間ところに行く。
「ほんと勇斗と仁人仲良いな」
「仁人は俺の一番の親友だからな」
そんな会話が聞こえて、、、仮に友達ランキングがあったら、紛れもなく俺は勇斗のナンバーワンになっているだろう。もし親友に抱く感情が"好き"に近いとすれば(勇斗も俺を…)なんて甘い考えを持ちながらまた同じタラレバを繰り返す。
この先も変わることもないだろう親友という立場を利用してなんとかギリギリ勇斗の1番として隣に入れる。それだけでも満足なのに
(ほんと、何かしらの間違いでいいから俺のもんになってくんねぇかな…)
俺の頭の中は勇斗でいっぱいで、忘れたくても忘れられなくて。だからもういっその事困らせとけよ。苦しくさせとけよ。思わせぶりでもいいから優しくしとけよ…
「あ〜もう…ほんとに」
「ん?おいちゃんどした?体調でも良くないかんじ?」
そういいながら俺の頭を優しく撫でた。なんにも知らないくせに。
"お前のせいだよ"
なんてやっぱり言える訳もなくて、俺はいつものように勇斗に言った。
「なんでもねぇよ笑」
俺が勇斗のことばっか考えていること、勇斗が俺のこの気持ちを知る日はいつになるだろうか。
end.
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名脇役/timelesz 様より。