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第10話 群疑満腹
「私は……この世界を、変えてみせる。」
そんなことを言った夜。私は眠りに付けないでいた。
それは勿論…ウフツとの出会い。ずっとその事が頭に残っていた。
「つ、疲れたっ〜!!」
伸びをしながら思わずそんな声を出してしまう。その声を口にすると、自分が疲れた事に気がついた。その時、一日に起きた事じゃないような疲れが一気に押し寄せ、眠くなってしまう。
目を瞑ると、意識が遠のいていった。
……
目が覚めると私は朝日に起こされた。昨日と同じ起き方。
しかし、昨日とは何かが違う気がした。
私は机の上に置いてあるノートとペンを手に取り、外に出た。
やはり、いつものように掲示板の前に人々が群がっている。
いつ見ても気味が悪い。名前すらも覚えられない人々が生きて居られる事に。
…しかし分かっている。私がおかしい事に。───いや、私はおかしくない。その最大の根拠が、この世界から『消されていない』こと。
だからこそ変えたい。この世界を──
そんなことを考えていたら、「ミナさん。」と声をかけられた。
その声の主は勿論、ウフツだ。
ウフツは不安げな顔をしているが、目の中はキラキラと光っていた。
まるで、何かを思いついたかのように。
そしてウフツは口を開く。
「……昨日、ちょっとしたことを考えていたんです。」
私は頷き、続きを促す。
「その……──『記録』、逆もいけるんじゃないかって。」