「”ポイズンボム”!」
誰かの声が聞こえた。
「グオアアアアア!」
目の前の怪獣が悲鳴を上げて倒れる。
俺、助かった?
「大丈夫?怪我はない?」
さっきの声の主が俺に語りかける。
紫色の髪にピンクと紫のオッドアイ。
この世界にピッタリの色合いだ。
「だ、大丈夫です・・・」
「ふう〜、よかった」
「それより、貴女は?」
「ああ、私なら全然平気よ」
「それならいいのだが」
「ふう〜、”ブレイク”」
そう彼女が言った瞬間、煙が彼女を包む。
「え」
この人、どこかで見たことがあるような・・
「よいしょっと」
「紫苑?」
「やあ、蒼希」
「なんで紫苑がこんなところに?」
「そりゃあ、私が”魔法少女”だからだよ」
「”魔法少女”?」
「それについてはボクから説明させてもらおう」
目の前に謎の生命体が現れる。
でも、さっきの怪獣のようではなく、なんだか可愛い感じだ。
「うわっっ!?」
「あ、デンノー」
「ハロー、ライラック、それに新しい魔法少年」
「へえ、蒼希、魔法少年になるんだ」
「え、いや、俺知らんよ!?」
「え、でもここにいるってことはそういうことでしょ?」
「まあ、二人とも落ち着いて、ボクの話を聞いてくれ」
「あ、はい」
「まず、この世界について説明しよう。ここはデンノウワールド。現実に限りなく近い仮想世界だ」
ああ、だからアプリの中なのに体の感覚があったのか。
「そして、この世界で魔獣から民を守るために活動するのが、魔法少女と魔法少年だ」
「そうなのか。ということは紫苑も?」
「そう、私も魔法少女」
「じゃ、これ以外のことは教える必要のあるときに教えるね」
ボンッ
「あ、消えた・・・」
「デンノーは神出鬼没だからね」
「もう現実には戻れないのか?」
「全然戻ろうと思えば戻れるよ」
「へえ」
「じゃ、この世界を案内するから、付いてきて」
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