テラーノベル
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ポケットに入れてた電話が震える。電話主は馨。
朽森「あー馨♡どおしたー」
「残念だけど、馨じゃねェよ」
朽森「…」
「無言の殺気放つなよ、怖ぇーっ」
朽森「馨は」
「んー?さぁ」
朽森「ふー…」
落ち着け、人質としてなら馨が無事は絶対だ。だが拷問されている可能性だって捨てきれねぇ。相手は誰だ、桃?…いや、ただの素人?その情報すらもねぇのは厳しいな。
朽森「何が目的か、早く要件を言えよ」
「彼女と別れろ」
朽森「は?」
これは怒りではなくただの疑問。何となく察するけど。
朽森「あぁ、アレだろ?大方、俺の彼女の中にお前の可愛い彼女がいて、俺と浮気してたって感じでしょ。」
「え、あぁ」
複数人前提の話に戸惑っている犯人。
朽森「え、誰々?可愛い彼女いんねー!」
女なら全員可愛いと言う紫苑であるからして犯人の彼女は可愛いというのは大前提である。
「あ、ありがと。じゃなくてッ!!早く別れろっつってんだよ!」
朽森「向こう次第かなー」
「は、?」
朽森「え、だって別に他に彼氏いようが可愛い事には変わらないじゃーん?」
「典型的なクズだな…」
朽森「んは、よく言われるわー」
朽森「でさ、馨解放してくんね??」
「だから別れたらって…」
朽森「分かった、別れるよ」
「え、あっさり…」
朽森「いやぁ、もう…」
次の言葉を聞いた瞬間。
「は…??」
______
朽森「全員と別れたからさー」
馨「は!!!!!?」
朽森「うっさ」
馨「お前が!?」
朽森「おん、だから馨、俺と付き合って♡」
馨「病院行こう」
朽森「失礼だな」
馨「いや…だって」
朽森「ダメー?」
馨「…いいよ、他に浮気したら殺すけど」
朽森「しない」
珍しく真面目に答える紫苑に本気で戸惑う。
何が紫苑を変えたのか分からない。
馨「…」
上の人「朽森、今月分手渡しで済まない。」
朽森「ふぅ!競馬ぁ♡」
ほい、と分厚い封筒を手渡しされている所を何か言いたげに此方を見る馨。
朽森「…ハイ、そうでした」
馨「よろしい」
朽森「うわーん」
馨「コツコツ返せるならローン制にしてあげたけど、出来ないでしょ」
朽森「うん」
馨「否定してよ」
朽森「できないもん」
馨「…」
なんでこんなクズを好きになったのか。
分からない。紫苑といると分からない事がいっぱいで楽しいやら心配やらなんやらで刺激が沢山だ。
朽森「好きだよー馨ぅ」
馨「はいはい」
朽森「えーそれだけ??」
馨「なにか欲しいなら紫苑なりに頑張る事だね」
朽森「俺なりに、ねー」
馨「それが分からないうちは紫苑もまだまだだって事」
朽森「なら馨が教えろよぉー!」
馨「いっぱいあるけど覚えられるの??」
朽森「…量による」
馨「ふは、一緒に頑張ろ」
朽森「ん」
紫苑が馨と付き合って誠実になっていく話。
コメント
18件
最高かよ、 やっぱしおかお神や、、_(:3」 ∠ )_