その炎は誰が為に

「なぁ、カルト」

「なんだ」

あれからおれ達は元通りの関係に戻った。

今まで以上にお互いの距離が縮まって、幸せだ。

だけどおれはもっと距離を縮めたかった。

「その、だな」「うん」

「……セックス、とか、してみてェなって」

勇気を出して言ってみたが、恥ずかしくて堪らない。

「……」

「……嫌ならいいんだ」

沈黙に耐えきれなくなって顔を逸らすと、突然顎を掴まれて無理矢理視線を合わせられる。

「……エース」

「な、なんだよ」

「オレは、したい」

「！」

「エースを抱きたい」

真っ直ぐに見つめてくる瞳に吸い込まれそうになる。

「じゃあ、今からしようぜ」

そう告げるとおれはカルトの首に腕を巻き付けてキスをした。

「ん……ふ……」

舌が絡み合う度にぴちゃりと音が鳴って背筋にゾクっと快感が走る。

長い口づけを終えて唇を離すと銀糸がつうと引いた。

「……エース、好きだ」

「ああ、おれもだ」

そしてまた深くて甘いキスをする。

「あっ、あぅ……そこばっか弄るんじゃねぇよ……」

「気持ちよくないか？」

「う……きもちぃ、から……っ！」

執拗に乳首を責められ続けて頭がおかしくなりそうだ。

最初はくすぐったかっただけのはずなのに、今ではすっかり性感帯になってしまった。

「ひっ……！♡」

強く吸われて思わず声が出てしまう。

「ここだけでイけるんじゃないか？」

「むりっ、だろぉ……」

そんなこと有り得ないと思いつつも、もし本当にここで達してしまったらどうなるんだろうという好奇心も湧いてきた。

「あ、あぁっ♡だめ、だめっ……！イクっ、イッちまうっ……！！♡」

ビクビクと身体が痙攣し、絶頂を迎えると同時にぷしゃあと透明な液体を吹き出した。

「はーっ、はぁっ……」

「可愛い」

カルトはおれの下腹部を撫でながら呟いた。

それだけのことで腹の奥がきゅんとうずいて仕方がない。

「早く挿れてェ……」

そう言いながらカルトは自身の服を脱ぎ捨てていく。

露わになったカルトのモノは赤黒く、グロテスクでとても大きかった。

あんなものが自分の中に入るのかと思うと恐怖でしかないのだが、それよりも期待の方が大きかった。

カルトはおれの脚を大きく開かせると、後孔に指を差し込んだ。

「ん、ぐっ……」

本来受け入れる器官ではないところを使うのだ。当然痛みはある。

「痛いか？」

「大丈夫だ……」

本当は痛い。けれど我慢できないほどではなかった。

それに、今は痛みさえも愛おしい。

「増やすぞ」

そう言って二本目の指が入ってくる。流石に少しキツい。

バラバラと動かされたり掻き回されたりしているうちに少しずつ解れていった。

「もうそろそろいいな」

そう言うとカルトは自身を宛てがい、ゆっくりと挿入してきた。

「ひ、ぐッ……！」

あまりの質量の大きさに息が出来なくなる。

苦しい。けど、嬉しい。

やっと一つになれた。

「ッ……まだ少しキツイな……」

「は、ぁ……動いてくれよ……」

「ああ」

ギリギリまで引き抜かれたかと思った次の瞬間、一気に最奥を突かれた。

「ッ〜？！♡」

そのまま激しくピストンされて視界がチカチカと点滅する。

「や、あ”ッ！はげ、し……ッ！♡」

「エース、好きだ、ッ……！」

「おれ、もッ！すき、だ……っ！♡」

お互いの想いを伝え合いながら、貪るように求め合う。

「エース、エース……！」

「か、ると……っ！イきそ……っ！」

「一緒に、な？」

「うん、いっしょに……あ、あぁ……っ！♡」

どくんと脈打ち、熱い精液を流し込まれる。それと同時におれ自身も果ててしまった。

「は、あ……はあ……」

荒くなった呼吸を整えていると、ずるりとカルトのものが抜かれた。

「ん、んぅ……」

それすらも感じてしまい、甘えたような声を出してしまう。

「……ふー……動けるか？」

「……一応、ギリギリ」

「そんじゃ、風呂入るか」

「ん……」

おれたちは汗を流すために浴室へと向かった。

「……初めてなのに無理させてゴメンな」

湯船に浸かりながらカルトは申し訳なさそうに謝ってきた。

「別にいいよ」

「でも……」

「おれは嬉しかった。カルトのことがもっと好きになったから」

そう言うとカルトは照れたように笑った。

「オレもだ」

そしてどちらからともなくキスをした。