テラーノベル
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ここ最近はぽつんと一軒家に住んでいるから、人間の姿を見る機会自体が少ないのだ。狐や鹿のほうがよく見かける。そんな山奥から久しぶりに市内中心部に出てみると、東京に比べたらずっと人口密度が低いこの地方都市でも混雑しているように感じて、気が引けた。
十九時過ぎの今、飲食店の明かりが照らす街の中が、前回来たときより何だか賑わっている気がする。そういえば今はゴールデンウイークの真っ最中か──。普段は都会に住んでいる人たちが、この連休で実家に帰省しているから普段より賑わっているのかもしれない。
私は駅前の雑居ビルのエスカレーターを上がって、ネットカフェが入る階で降りた。
今はもう一般人とはいえ、私の顔を覚えている人がいるかもしれない。帽子とマスクの変装が崩れていないか、念のためつるつるの黒い壁に映る自分の姿をチェックした。
うん。大丈夫だ。
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コメント
1件
読み終えました。三つの視点が「あと三十分」で交錯する構成、すごく引き込まれました。それぞれの胸の内に違う理由があって、それでも同じ時間に同じ決意を固めている——その孤独で真剣な空気感がひしひしと伝わってきました。特に「孤独な戦いだ。仲間がいても、これからやることは一人でやるしかない」という一文にグッときました。緊張感がたまらないです…! 続きが気になります。