カンデミリア国のマリー王女。
この日は気分を晴らすため庭にある噴水を眺めていた、ただ一人で。
本来一人になることは許されてはいないが、しつこく要求すると許可が降りた。
「はぁはぁ…苦じぃ」
突然うめき声を上げるマリー王女。いっきに顔面は蒼白になる。ましてや冷や汗までかいていた。
実はマリー王女は母の遺伝で心臓の病を負っていたのだ。
「イダィ…クルジィ…助げでェ!」
声を絞り出すも誰も来ない。
最終的にはマリー王女はその場で倒れ、息を引き取った。
それから数十分が経った頃だった。
マリー王女直属の執事が様子を見に来た。
白目、口から泡、顔は蒼白。
そんな彼女の亡骸を見た執事は
「うわあああぁあぁああ!!」
その悲鳴を聞いた他の執事とメイドが現場へと 駆けつける。その場には王もいた。
それから数日、マリー王女の葬儀が行われた。
重苦しい雰囲気の中、王は考えていた。
そして1つの考えが頭によぎる
それは最近魔女の存在が明らかになったこと。
しかし彼女は病気のため、悪化したとしか考えられない。魔女とは何の関連性もない。だがそんな現実を受け入れられない王は病気が悪化したのは 魔女の仕業だと決めつけたのだ。
それからの行動は早かった。
王は数人ほど護衛をつけてとある村へ向かった。
鬱蒼とした森の中を進んでいくと不気味な村を見つけた。壊れた家屋に古びた門。
そこで唯一明かりのついた家を見つけた。
間違いなく人が住んでいると確信した王は護衛に命令する。
「あの家に突っ込め!そして魔女を探し出せ!」