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???「……い。…先生、起きてください。」
“んあ?”
“え?は?え?どこ、ここ?”
???「なかなか起きないほど熟睡されるとは、相当お疲れだったみたいですね。」
“……誰だ?”
リン「申し遅れました。私は七神リン、学園都市「キヴォトス」の連邦生徒会所属の幹部です。」
“キヴォトス?知らねー。あいやここがキヴォトスなのか。”
リン「はい。そして今先生にはどうしてもやっていただかなくてはいけない事があります。それはこの学園都市の命運をかけた大事なこと……ということにしておきましょう。」
“よく分からんが、まあ大変なんだな。”
リン「とりあえずついてきてください。このキヴォトスについて説明します」
“へーい”
ウィイイインー
”(学園都市…ねぇ…。そんなん漫画の世界だけと思ってたけど、マジであるとはね。でもいうて何個だけでしょ。そんなにいっぱいあったら、逆にめんどそうだし。)”
リン「「キヴォトス」へようこそ。先生」
リン「キヴォトスは数千の学園が集まってできている巨大な学園都市です。これから先生が働くところでもあります。」
“……は?数千?マ?”
リン「はい。」
“…ウソーン”
リン「きっと先生がいらっしゃったところとは色々は事が違っていて、最初は慣れるのに苦労するかもしれませんが…。でも先生なら、それほど心配しなくてもいいでしょう。」
リン「あの連邦生徒会長が、お選びになった方ですからね。」
”(だめだろ)”
(チン)
ざわざわ ざわざわ
”(なんだ?このカ◯ジみたいな雰囲気は)”
ユウカ「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」
”(なんかうるせぇ奴が出てきたなぁ)”
ユウカ「……うん?隣の大人の方は?」
“あ、ドモ”
ハスミ「首席行政官。お待ちしておりました。」
”(!?なんか俺みたいなでっけぇ羽生えてる!)”
チナツ「連邦生徒会長に会いにきました。風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求されています。」
リン「あぁ……面倒な人たちに捕まってしまいましたね」
リン「こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった生徒会、風紀委員会、そしてその他時間を持て余してる皆さん。」
”(なんか怖ぇ…)”
リン「こんな暇そ…大事な方々がここを訪ねてきた理由は、よくわかっています。」
”(今暇そうって言おうとしてたな)”
リン「今、学園都市に起きている混乱の責任を問うために…でしょう?」
ユウカ「そこまで分かってるなら何とかしなさいよ!連邦生徒会なんでしょ!」
ユウカ「数千もの学園自治区が混乱に陥っているのよ!この前なんか、うちの学校の風力発電所がシャットダウンしてたんだから!」
”(学校に風力発電所まであんのかよ、やべぇぇ)”
チナツ「連邦矯正局で停学中の生徒たちについて、一部が脱出したという情報もありました。」
スズミ「スケバンのような不良たちが、登校中のうちの生徒たちを襲う頻度も、最近急激に高くなりました。治安の維持が難しくなっています。」
ハスミ「戦車やヘリコプターなど、出所のわからない武器の不法流通も2000%以上増加しました。これでは正常な学園生活に支障が生じてしまいます。」
”(今更なんだが、**なんでこいつら平然と銃持ってんだ?**なんでガキの口から戦車って言葉聞かなくちゃならねぇんだよ)”
リン「……。」
ユウカ「こんな状況で連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」
リン「………連邦生徒会長は今、席におりません。正直に言いますと、行方不明になりました。」
“えぇ!?”
ユウカ「……え!?」
チナツ「……!!」
ハスミ「やはりあの噂は……。」
リン「結論から言うと「サンクトゥムタワー」の最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。」
リン「認証を迂回できる方法を探していましたが………先ほどまで、そのような方法は見つかっていませんでした。」
ハスミ「それでは、今は方法があるということですか、首席行政官?」
リン「はい。この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです。」
“俺ぇ!?”
ユウカ「!?」
チナツ「!」
ハスミ「この方が?」
“えぇ?俺がぁ?やるの?”
ユウカ「ちょっと待って。そういえばこの先生はいったいどなた?どうしてここにいるの?」
ハスミ「キヴォトスではないところから来た方のようですが……先生だったのですね。」
リン「こちらの先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です。」
ユウカ「行方不明になった連邦生徒会長が指名……?ますますこんがらがってきたじゃないの……。」
“あぁ……一応自己紹介しとくか…。波野鴉35歳。好きな物はタバコと酒とパチ。よろしく”
一同(なんかろくでもない人が来たなぁ……)
ユウカ「こ、こんにちは、先生。私はミレニアムサイエンススクールの……い、いや、挨拶なんて今はどうでもよくて……!」
リン「そのうるさい方は気にしなくていいです。続けますと……」
ユウカ「誰がうるさいって!?わ、私は早瀬ユウカ!覚えておいてください、先生!」
“おん、よろ”
リン「先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました。」
リン「連邦捜査部「シャーレ」。」
“あの理科とかで使うやつ?”
リン「違います。それで、シャーレは単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒たちを、制限なく加入させることすらも可能で、各学園の自治区で、制約無しに戦闘活動を行うことも可能です。」
“なにそれやば。え?俺今からそこで働くん?嘘だろ……”
リン「なぜこれだけの権限を持つ機関を、連邦生徒会長が作ったのかは分かりませんが…。シャーレの部室はここから約30km離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会の命令で、そこの地下に「とある物」を持ち込んでいます。」
“あー、情報力の多さで頭おかしくなりそう。”
リン「先生を、そこにお連れしなければなりません。モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……。」
モモカ「シャーレの部室?……ああ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?。」
リン「大騒ぎ…?
モモカ「矯正局を脱出した停学中の生徒が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ。」
リン「……うん?」
モモカ「連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良たちを先頭に、周りを焼け野原にしてるみたいなの。巡航戦車までどっかから手に入れてきたみただよ?それで、どうやら連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしているらしいの。まるでそこに何か大事なものでもあるみたいな動きだけど?」
リン「……」
モモカ「まあでも、もうとっくにめちゃくちゃな場所なんだから、別に大した事な……あっ、先輩、お昼ごはんのデリバリーが来たから、また連絡するね!」
“なんやあいつ。”
リン「…………」(プルプル)
”(怒ってるー。それもそうか)大丈夫か?”
リン「……だ、大丈夫です。……少々問題が発生しましたが、大したことではありません。」(じー)
ハスミ「……?」
ユウカ「……な、何?どうして私たちを見つめているの?」
リン「ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです。」
“もう暇そうって言っちゃったよ”
ユウカ「……えっ?」
リン「キヴォトスの正常化のために、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう。」
スタスタ
ユウカ「ちょっと待って!?ど、どこに行くのよ!?」
“めんどい事になりませんように……”
こうして初めての任務が始まる…
コメント
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え、シャーレって理科で使うものなん?初めて知ったわ… 確認しながらやってるから忠実だねぇ私は私が恥ずかしくなってきたよ…