テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
556
みえりな@多忙の為あまり居ない
10,580
⚠️注意書き⚠️
このお話に登場するドラマ・共演女優などは、現在実際に放送されている🩷さんのドラマとは一切関係ありません!!ほんとになんッッッも関係ないので!!!
お話の流れ上、どうしても「女優」という存在が必要だったので登場させています😭😭
現実の作品・共演者の方とは全く関係のない、完全なフィクションとして読んでいただけると嬉しいです🙇♀️🙇♀️
そこだけご理解お願いします!!🙏
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
佐野はマネージャーの車に乗り、次の仕事場に向かっていた。車に揺られながら、さっきのライブを思い返す。ファンに煽られ、つい吉田に触れてしまった。この2日、吉田に触れることが出来なかった佐野は、今まで毎日感じていたその温もりを求めてしまったのだ。
今佐野が向かってる仕事はドラマの撮影。そう。あの女優も一緒だ。佐野はカバンから台本を取り出し、今日撮影する部分を読み始めた。が、2行ほど読んだところでまたカバンに台本をしまってしまった。考えないようにしていても、あの女優の恐ろしい悪巧み顔が思い浮かばれるからだった。
女優の顔が浮かぶと、同時に吉田の顔もよぎる。酷い言葉をぶつけた時のあの顔。
思い出したくない。
佐野は運転席のマネージャーに顔が見られないように、下を向き、その頭を窓ガラスに預ける。車が段差を通る度にガラスが佐野の頭にぶつかる。まるで、佐野を責めるように容赦なく強く。
吉田に話す勇気が、女優に抗う勇気が、メンバーに話す勇気が、佐野にはなかった。
ドラマの撮影現場に到着し、車から降りるとすぐに女優が駆け寄ってきた。撮影現場は外なのにも関わらず、嫌な香水の耐え難い匂いが佐野の鼻を掠め、佐野は顔をしかめる。
「お疲れ様。で、例の件上手くいったの?」
「……あぁ。」
「そっか!良かった!じゃあ今日からよろしくね。」
そう言って差し出された手を佐野は振り払い、監督の元へ撮影内容の確認をしに行った。その背中に女優は探るような視線を向けていた。
撮影が終わり、佐野は退散の支度をしていた。さっさとこの場から逃げてしまおうと急いでいたら、例の女優が佐野に話しかける。
「今日この後空いてる?話したいことあるんだけど。」
「……。なんですか。今聞きますよ。」
「もー敬語やめてよ。私たち”恋人”なんだし。ここじゃダメ。2人になりたい。」
女優の目は怖いほどに据わっていた。何をしでかすか分からない雰囲気に佐野は嫌な胸騒ぎがしたため、仕方なく言う通りにすることにした。
女優が指定した個室の居酒屋は撮影現場からそう遠くないため、歩いて行くことにした。一緒に歩くのは週刊誌などが怖いからと、佐野が無理やり断った。
暗めの少し怪しげな居酒屋だった。個室に入り、とりあえず適当に注文する。料理や飲み物が全てそろうと、女優の方から今回呼び出した理由を語り出した。
「勇斗くんさぁ。まだ吉田くんのこと好きでしょ。ほんとに別れたの?」
「……別れましたけど。」
「証拠は?」
「……は?別れたのに証拠も何もないでしょ。」
「ふふ、だったら今。吉田くんに電話して?ビデオ通話にして私とのキスを見せたら認めてあげる。そしたらあの写真、消してあげるよ。」
「……本気で言ってんすか。」
「本気だってぇー、だから早く。今すぐ電話して?」
女優はわざとらしい笑顔を向けたが、その目は全く笑っていなかった。
電話をしない選択肢は残されていなかった。仕方無くアプリを開き、トップにピン留めしてある吉田とのトーク履歴から通話ボタンを押す。頼むから出ないでくれ、と佐野は祈った。
コメント
1件
のりもちさん、第13話「取引」読ませていただきました……! 車の中で吉田くんの顔を思い出して、窓に頭をぶつける佐野の描写が本当に痛くて。胸がぎゅっとなりました。あの女優さんの「証拠は?」からの流れ、電話をかけさせるところまでの緊張感がすごかったです。出ないでくれと祈る佐野の心情、切なくてたまらなかった……続きが気になります😢