〜注意事項~
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・軍パロ、年齢操作等の表現が含まれます。
・1部、検索避けできていない部分があります。
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xxxx年
W国は敗北し、存在を消した。
総統を含む計15名の幹部と、100を超える兵士、1000を超える国民。
それらは消え去った。
歴史に残る国であった。
そんな国の14名が、この世にまた誕生したのは奇跡としか言えない。
14名は、xxxx年、新しくWr国を立ち上げた。
まだ、兵士も国民も少ない。
でも、それは確かに新たな1歩であった。
14名はW国当時の記憶を持っていたため、前世と同じような仲であった。
兵士や国民の中でも極わずか、記憶を持つ者もいた。
ただ、1人以外、皆共通して、ひとつの記憶を無くしていた。
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「…流石に買いすぎたな~。」
と、zmは買いたての新品ナイフを開封していた。
城下町のベンチに座って袋を破る。
「おおー…、かっこええなぁ。」
キランと光るナイフの持ち手には小さな穴があり、そこに人差し指を差し込めばくるくるとナイフを回すことが可能。
ナイフの刃先にカバーを取り付け、くるくると回す。
国民はそんな姿に見蕩れていた。
ガタガタ。
と、木の車のような物を押して人がやってくる。
国民ではない。商売目的でやってきたのだろう。
zmは立ち上がってその木の車に近寄る。
「こんちわ~。何処から来たんすか??」
「おお、これはこれはzm殿ではありませぬか!!私は、Y国からやってきました。」
見ていきます?と木の車を開く。
そこにはいろんな物が並んでいた。
それらを男は出し始めた。
「…ふーん。」
と、見ているとひとつの大きな箱を取りだして地面にドンッと置いた。
「これは??」
「これは所謂奴隷ってやつです。保護施設に入ってもう5年経つんで、世に出すことになったんですよ。大体、保護施設はそんなもの。」
といって、箱を開く。
中には檻があって子供が1人蹲っていた。
「こいつね、保護先が悪いばかりなんです。保護されては死にかけてまた保護施設に捨てられるの永遠続きです。」
「…、お、おい、おまえ、」
zmは座って檻の中の子供を見る。
髪の毛は汚れていて分からないが、確かにその瞳は見覚えのある蜂蜜の色。
「この子、名前は??」
「あるわけないですよ。最初だってね、まだ1歳もない時に捨てられたんですから。」
「…そうか。つまり、5歳か??」
「はい。恐らく。」
子供がようやく顔を上げてzmを見た。
すると、目を見開いてボタボタと涙を出し始めた。
「…っ、じょむッ、あうッ、ぞ、ッ…ひぐッ」
「えっ?」
子供は、確かに zm と言った。
なるほど。
zmは確信した。
「おにーさん、こいつ買うわ。」
「あ、いいんですか!!こいつ、ほんとどこいっても売れなくて、売れたとしてもまた捨てられるんです。よかったら無料で…」
「ん、これでええ??」
zmはポケットから両手よりも多くの札束を取り出した。
「え、いや…無料で、」
「なんや、お前。こいつの価値がないって??」
「え、あ、いやっ…そういうことでは。」
「俺はこいつの価値を知ってる。貰ってくれ。」
「は、はいっ。」
zmは大量の札束を男に渡した。
男は檻の鍵を取りだして、戸を開く。
すると、子供はzmに飛びついた。
間違いない。
「ci、ようやく会えたな。」
「ぞうッ、ぅ…うわぁぁんっっ!!」
「よぉしよぉし、ええ子やぞ。ほら、頑張ったなぁ。」
細く軽く、壊れてしまいそうだった。
思い出したんだ。
W国は15人でやってきたんだ。
1人を、ciを、忘れていたんだ。
zmは抱っこをして歩き出す。
ciは泣いてzmの首を濡らしていた。
──────────────
「みんなー!!」
談話室の戸を足で開ける。
「わあっ、どうしたん??」
「zmさん…って、え!?隠し子ですか!?」
「まじっすか、zmさん。」
そこにはniさんや、snを除く皆がいた。
「ちゃうねん!!ほらみて!ciやで!!」
そう言って、腕の中でまだ泣いているciを見せる。
皆、泣いて喜ぶ……。
なんてことはなかった。
「え、??だれ??ていうか、僕子供嫌いなんやけど。」
「え、ut先生も??ワイも。女の子ならいけますけど。」
「…ぁえ、??うつせぇせ、??しょっぴく…??」
ciが手を伸ばすが、2人は離れてしまった。
「zm、子供連れてくんのはええけどさ。保護はさすがに無理やで。幹部なんやぞ。」
tnがciを睨んで言う。
「え、えっ…ど、どうしてん??ci、やで??」
「誰だか分かりませんが、私も反対ですかね。」
「emさん!?」
「それよりzm遊ぼーぜー!!」
「shoまで…。」
心配になってciを見る。
ciはうるうる、と目を涙で溢れさせていた。
ぐすん、手の甲で乱暴に目を拭う。
「…ci、」
「…ひぐッ。」
「…はぁ~。」
knがzmに近寄り、zmをビンタした。
「目覚ませよ。お前が子供好きなんは知らんかった。でも、こんな所に居させるのは反対。せめて国民に預けるとかにせぇ。」
「…kn、お、おまえ!!ciを忘れてんの!?」
「洗脳されてんちゃうかお前。sn呼ぼか??」
rbがインカムを手に持つ。
ペチンッ。
「…は??」
「ぅぅ…、ぞむを、たたかないで、!!」
「子供だから許すけど、他人に叩かれる筋合いないからな。」
knは談話室を出ていった。
追いかけるようにutとshpが出ていく。
皆、子供が嫌いだからだろうか。
それとも、ciを、忘れてしまっているからだろうか。
「…ッ、ひぐッ、ぐすん。」
「ci、行こか。」
zmはciを撫でて、自室に向かった。
──────────────
「…みんな、どーしたんやろな。」
zmは膝に乗って丸くなっているciを撫でながら呟く。
「お、おれ…、すてる、??」
「捨てへんよ。俺はciが居らんと嫌や。」
「ほんま…??でも、おれ、ほごしせつでも、へーきやで。」
「お前、次多分あそこ戻ったら売られるぞ。」
「…ええよ。どれいでも、なんでも。だって、おれのかちはそんなもんやろ、」
ciを思い切り抱きしめる。
「なんでんなこと言うんよ。悲しい。」
「いまはそうやん。むかしはちがったけど。」
「…今もきっとなれるよ。」
「ぞむ…、おねがい、なんでもするからすてないで。」
「捨てへんよ。」
ciが小さな手でぎゅ、とzmの服を掴む。
zmはぽんぽん、とciの背中を叩いた。
すれば、ひくひく、と泣いてしまった。
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書類をtnに提出するため、廊下を歩いていると、前に小さな影を見つけた。
誰だったか。zmが連れてきたガキだ。
utはへたへたと走るガキを見ながら歩く。
鬱陶しい。zmはなにしてるんだ。
utは舌打ちをして、ガキの首を掴んで持ち上げた。
「…ぁえ、?」
「…はあ。」
utに持ち上げられたガキは戸惑っていた。
utは来客用の部屋にガキを投げて、扉を閉めた。
「うつせぇせ…っ、!!」
「大人しくしてろガキ。」
「…っ、はぃッ。」
外からの鍵をしめて、歩き出す。
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「ci!!ciっ、どこや!!」
夜中、夜食の時間にzmが走り回っていた。
「zm、飯食おーぜ。」
と、shoが声をかけても、聞かずに食堂から出ていってしまった。
「ci!!聞こえるなら声を!!」
「どしたんzm。」
「zmさん珍しく慌ててますね。」
廊下を走っていると、utとshpがやってきた。
「ci見てないか!!えと、あのっ、子供!!」
「あー。僕分かるかも。」
utがポケットから鍵を取り出し、来客用の部屋に向かう。
「…、っ。」
がちゃり。
と、扉が開くと、zmはutを突き飛ばして部屋に走っていった。
shpはちらり、と中を見る。
中のソファに丸まって寝ているようだった。
zmはciを抱きしめる。
「ci、ci、おきて…。おきれるか、?」
「…ん、ぁぅ、ぞむぅ、?」
「ああ、zmやで。」
「とびら、あいたぁ…?」
「開いたよ。ご飯食いに行こか。」
「まってる…、」
「だめ。行こう。」
「おれのぶん、ないよ、たぶん。」
「…俺のあげるから!!」
「だぁめ。ぞむ、たべなきゃだめ。」
「…、仲間外れは嫌いや。」
zmはciを抱っこして、食堂に向かった。
utは謝れずに居たので、zmに睨みつけられた。
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やはり、食堂にciのぶんは無かった。
zmは膝の上にciを乗せた。
「…ぞ、む。」
「はい、あーん。」
「…ぇ、ぁ、う。だって、ぞむ、の。」
「あーん。」
「…ぅ、あむ。」
スプーンに乗ったご飯をciの口に入れる。
ciはもぐもぐ、と口を動かしながらzmを見上げた。
「どーしたん??暑かった?」
「ぅ…、ぞむのごはん、やで、??」
「えーの。ciに食べて欲しいから。」
「それ、zmさんのご飯ですよ。」
emがスプーンを取り上げた。
「zmさん、明日訓練あるんですから、ちゃんと食べてください、」
「せやでー。それでヘトヘトになるとか許さんぞ。」
shoが野菜をフォークで突きながら言う。
ciは、zmの膝から降りて食堂を出ていった。
zmが追いかけようとするが、shoがフォークに指した野菜を口に入れる。
ciの小さな足音は、遂に聞こえなくなってしまった。
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「…、みんなきらい、」
ciは廊下を走っていた。
なぜ、自分だけ仲間外れにされているのだろう。
嫌われていた?
ciは階段に座り、目を両手で覆った。
生まれた時、T国にいた。
隣の家には、tnがいたんだ。
前世の記憶を持っていたciは、窓の外に見える、小さなtnに手を伸ばしていた。
その手が届くことは無かった。
幼くして、親が別れてしまい、ciは捨てられた。
T国から遠く離れた、A国保護施設に保護された。
それからは、保護されて捨てられてを繰り返した。
もう、なにがなんだか分からなかった。
その頃には、tn達のことを忘れていた。
でも、あの声が。
zmの声が、また助けてくれた。
けれど。
けれどきっと、ciは皆の邪魔者。
いつか思い出してくれる、なんて思ってた。
そんな考えが、今では笑えてしまう。
もう嫌いなんだ。
もう、そんなあいつらが嫌いなんだ。
子供であるciは、性格も幼くなったのかもしれない。
こんなことで、イラつき、悲しむ。
泣きたくなるほどに、辛かった。
どうすればいいのかも、分からず。
──────────────
「はぁ、お腹いっぱいやてほんま…。」
「ははっ、emさんめっちゃ食べてましたね!!」
お腹を擦りながら歩くemの後を追うrp。
2人は並んで書斎に入った。
食後、書斎で本を読むのが決まりだ。
すると、そこに小さな影があった。
「…、コラ、なにしてるんですか。」
emが本を取り上げる。
ciはびくっと、驚いた。
「勝手に入らないでください。汚れた手で触ると、本が汚れます。」
「もー、ほんとzmさんはなんで子供を急に拾ってきたんですかね〜?」
「…っ、ご、ごめん、なさいっ。」
emは本をちらりと見る。
W国の歴史が書かれた本であった。
こんな難しい本を読むなんて。
emはうーん、と悩むようにciを見る。
「…、ぅ、あの、ほん、よんじゃ、だめ、ですか、」
「えー、どーするemさん?」
「いっこだけ、で、いぃから、」
「………いいですよ。仕方ないですね。」
ciは本棚に駆け寄り、上をゆびさす。
「これっ、これ、よみたい」
「…えーっと??」
W国兵士戦死死因、という本だ。
本棚の1番上に置かれていた。
emは取り、ciに渡す。
「ありがとぉ、」
ciは床にぺたん、と座って本を開いた。
rpは不思議に思って傍にしゃがむ。
「…んぇと、」
t…、ち。
ち から始まる名を指で追っていく。
知り合いでもいたのだろうか?
と、rpが見ていると、その指はとある名でぴたり、と止まった。
「…??」
「……、んへ、ありがとぉ、えみさん、れぱ…さんっ」
ciは本を閉じ、emに渡す。
すると、へたへた、と走っていった。
「誰だったんですかね??」
emが本を開き、先程の名前を探す。
「あ、ここ。ここですよ多分。」
「えっ…と、、ち、ちー、の?」
「ふぅん。あの子供の知り合いですかね?」
「……、どうでしょう、」
emはその名を何度も口にした。
不思議と、その名を声に出すと、口は慣れたように動く。
言い慣れたように。何度も何度も。
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「…っ、んぶッ!!」
曲がり角で、突然子供が倒れてきた。
「うわっ!?」
と、驚きrbは飛び跳ねた。
隣にいたshoも同じように飛び跳ねた。
「…っ、」
泣くか?
今の音、絶対痛かったぞ、とrbがciを見る。
ciはこちらに気がついていないようだ。
ところが、ciはすんなりと立ち上がって、また走り出した。
「…ふーん、あいつやるやんけ?」
shoが鼻を鳴らす。
shoはよく転けるが、その度に涙目になっている。
「子供に負けてんぞ、sho。」
「ふんっ、うるさい!!」
rbの頭を叩くと、同時に階段を降りていた背中がしゅんっと消えた。
そして、ズドンッッ!!と大きな音が鳴る。
「うわ、あの子供絶対階段から滑ったやん。」
「ええ…泣き止ませんの嫌いやし、無視して行こーぜ。」
と、shoがrbの腕を引っ張り階段まで行く。
階段の踊り場には、予想通りciが座り込んでいた。
でも、声は聞こえない。泣いていないのだ。
shoは無視して行こうとすると、子供が、
「…ごふッ、!!」
と、声を出した。
それにrbが反応し、近寄る。
子供は鼻血をボタボタ垂らしながら口を抑えていた。
「…はぁ、お前ほんましっかりせぇや。」
rbは子供を引きずるように、トイレに連れて行った。
shoは大人しくそんなrbについていった。
rbはトイレにciの顔を近づけて、背中を叩く。
「…ぅ、お"えっ、ぉ、ぇ、」
「はぁ、もうええな。よし行こーぜ。」
ゲホゲホと、咳き込むciから目を離し、rbは立ち上がった。
うん!と返事をしたshoと共にトイレを出る。
ciはそのまま、トイレの床に寝転がった。
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「漏れる〜っっ!!」
「はっはっは!!ut先生急げ!!」
knとutは走ってトイレに駆け込んだ。
utが1番奥の個室に入ろうとするが、そこに、倒れている子供がいた。
驚いて尻もちを着く。
「kn、こ、こいつzmの!」
「ほんまやん。え、なんで倒れてんの??」
utの隣の個室に入り、knは子供を揺すった。
「おーい。起きれるかー??」
「……げほっ、げほ、」
「なんや、寝てるだけかい。zmの部屋で寝や。」
knは鏡の隣にもたれて、utを待った。
ciはゆっくりと立ち上がる。
knとut。2人に褒めてもらったあの頃が懐かしくなって、ciは涙が出そうになった。
「…しっまぁ、」
「あ??」
「しんまぁ…、し、っまぁ。」
「knさんやろ。子供のくせに、そんな呼び方まで知っとるんけ。」
「…ぶちょぉ、おれ、ちの、だよ、」
「はいはい。はよ帰って寝ろ。」
「ぅ…、いややぁ、」
「だめ。」
足にしがみつくciをなんとか離そうとする。
ようやく出てきたutが腹を擦りながらciを引き離した。
「大人に迷惑かけたらアカン。」
「ut先生、全部出たか??」
「でたでた、んもういたいぃ〜っ」
「はっはっは!!!!!よしゃ、行こか。」
utの背中をべしべし叩きながらトイレを出る。
ciも慌てて走って追いかけた。
「…うッ、はぁ、」
頭が痛くて、目眩がした。
風邪だろう。
ciは仕方なくzmの部屋に向かった。
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「ただいま〜。」
「おかえり。」
zmがようやく訓練を終えた。
新しいナイフをくるくる指先で回し、廊下を走る。
ciはどこにいるのだろうか。
すると、廊下をきょろきょろしながら歩くemがいた。
emはzmに気付くと、声をかけた。
「あのっ、ciくんいませんか!」
「今探してんねんけど。」
zmはナイフをカバーにつけてしまった。
「emさん、またciを虐めんの??それやったら、次は本気で許さへんで。例え、emさんだとしても。」
「…違います。あの、ciくんと、話がしたくって。」
「あのガキやったら、zmの部屋ちゃうか??」
と、utが書類を持って歩いてきた。
「歩き回ってたから、部屋にいろって言ったし。」
「…分かった。行こか、emさん。」
「はいっ。」
自分の部屋に走る。
部屋の扉が少し開いていた。
「ci…??」
「ぞ、むぅ…っ、」
そこには、布団にくるまって泣いているciがいた。
顔は赤い、それに寒そうだ。
「どうした!?」
「ぞむ…、だ、だぁこ、」
「ほい、おいで。」
今は体が子供。前世の記憶があろうと、精神的にも少し幼くなっている。
zmはciを抱っこして、ぽんぽんと背中を叩いた。
「ひくッ…、げほッ!!ぅぅ、」
「風邪ちゃうかな、」
と、emがciの額に触れた。
確かに熱く、頬が赤らんでいた。
「…えみさ、?」
ciがemの手をきゅっ、と握る。
「はい、emです、」
「おもい、だしたの…??」
「…なにをですか、??私は、何か忘れてるんか、??」
「…ちぃ、の。おれ、ちぃのやで、え、えみさ。」
「…ち、ぃの??」
「わすれないでよぉ…ッ、なんで、おれだけわすれるのぉっ、」
ひぐひぐっと泣き出したciをzmがよしよし、と撫でる。
zmの肩に顔を乗せて、ぷるぷる震えていた。
それが、どうにも愛おしくって。
「…ci、くん。」
「えみ、さ…ぅ、」
「ciくん…、ciくんっ!!な、なんで忘れてたんやッ、俺のアホっ…!!」
emはくしゃりと顔を歪めてciの手を握り返した。
zmはciをemに渡した。
emは嬉しそうに抱きしめた。
「ごめんなさいッ、俺ciくんに酷いことした、!」
「ひぐっ、わすれちゃやぁだッ…、なんで、みんなわすれるのぉっ、」
「ごめんなさいッ、ごめんなさい、」
わんわんと抱いて泣く2人をみて、zmはくすりと苦笑するしかなかった。
──────────────
「あ、rb〜。熱さまシートとか持ってない??」
「熱さまシートだぁ??zm風邪ひいたん??」
「え?ああいや、俺ちゃうくて。」
rbはふん、と背中を向けてしまった。
「あの子供かいや。俺はやらんぞ。必要性のない行動はしない主義や。」
「なんでや、ciやぞ、思い出せって。」
「誰やねん。ガキがよぉ。」
調子に乗るな!とrbがzmの足を軽く蹴って去っていく。
「喧嘩してんのー??」
shoが後ろから飛びついてきた。
「sho、熱さまシート…」
「例のガキやろぉ。やらんぞっ、絶対!!」
「ciやって…shoも分からんの、??」
「知るか!それより遊ぼーぜ。」
「無理や。看病せな。」
「いやーやーっ。あそぶぅー。」
shoが床に寝転がって、zmの足を掴む。
zmは足を振るが、shoは離れない。
「なんやねんほんまっ!!!」
「いやーやーっ。」
「emさんっ、助けてー!!」
「何してるん!?!?」
emが駆け寄ってくる。
shoは驚いたようにemを見た。
「あぇ、emさんそっち側なん??お前格下である子供は嫌いなはずやん、!!」
「…あの子は格下の子供ちゃうで。格下は変わらへんけど。」
「格下のっ??」
「「かすぅー!!」」
と、zmとemが揃えて言う。
ケラケラ笑いながら、ciが泣くぞ!と言ってまた笑う。
「…ええ、なんで仲間外れみたいにするんよ!」
「じゃあ、来てよshoさん。」
emが手招きする。
shoはキラキラ目を輝かせて駆け寄った。
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「kn〜、お茶やるわ!!」
「え、ありがとぉな!!助かる!」
zmはコップをknに渡した。
knは嬉しそうに受け取り、隣にいるutに自慢をする。
「へへっ、俺はやっぱ魅力に溢れてるんやで。」
そう言ったあと、ごくごくっと一気に飲み干した。
そして。
「ごぶふぇッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
お茶、否…。
めんつゆを吹き出した。
「ぷっはっはっはっは!!!!!!」
shoが床に倒れて笑い出す。
「最高やで!!ほんま天才やろっっ!!!」
knの口からポタポタと垂れるめんつゆを見て再度笑う。
「ぷははっ、流石詐欺師やなぁ!!…あれ、??」
「…詐欺師、??え、あれ、!?」
shoとutが顔を見合わせる。
「おいこの光景見たことあんぞ!!出てこいciぉッ!!!!!……へ、?」
それから遅れてknもぽかんと口を開く。
「思い出したか??」
zmが問う。
「「「ci…!!」」」
3人は驚いてzmとemを交互に見た。
────────────
「ci、」
扉を開けると、ciが足に飛び付いて来た。
「ぞむっ、ぞ、むッ…」
「ど、どうしたん??なんか言われた、??」
「いなくなんないで…、ここにいてぇ、」
「うん、おるよ。」
ciを抱っこして、ベットに座る。
ciはくしくしと目を擦った後、前を見て驚いた。
「…ぁえ、?」
「ci、すまんかった。」
「なんで僕、忘れてたんやろ、」
「ほんま、ごめんなci!!」
3人が謝れば、ciはzmを見上げた。
「許してくれるか??」
「うんっ!!」
ciはzmの膝から降りて、3人に飛びつく。
「うつせぇせっ、しっま、しゃおろ!!」
「んん、小さなったなあ…。」
「うつせぇせ、もっとなでて、」
「はいはい。」
utがciの頭をわしゃわしゃ撫でると、嬉しそうに目を細めた。
熱はまだあるようだが、少しテンションが上がって、気持ちが楽になったらしい。
「もう、ひとりぼっち、せんでな、?」
「勿論やで。」
「あったりまえやん!!」
と、knとshoが胸を張る。
「うつせぇせ、ありがとぉ。ぞむっ」
ciはzmに手を広げて見つめた。
やはり、zmが1番安心するのだろうか。
zmは煽るように笑ってciを抱っこした。
「くひひッ、ばぁか。」
「ひぇんっ!!zmしゃんひどいっ!!」
「ut、お前は子供ちゃうんやからさ、」
knが呆れた目でutを見ていると、utはしゅん、と明らかに不貞腐れた顔をした。
「…ほかのみんなは、??」
「…きっと思い出すよ。」
ciは、信じられないのか静かに頷いた。
すると、shoがciの頬を抓る。
「思い出さんかったら、俺がビンタしてやるわ!!」
「shoさん、いまさっき思い出したのに??」
「黙れemぅ!!!!!」
ビタンッッ!!
「い"ったッ!?」
「あ"ーっはっはっは!!!!!!!」
賑やかになった部屋で、ciは嬉しそうに笑っていた。
──────────────
「すぅ…すぅ、」
「しょぴ、!」
熱が多少下がり、中庭を散歩していたciは、木にもたれて寝ているshpを発見した。
急いで近寄り、傍に座ってshpを見る。
「んへへ、しょぴ、ねてる〜。」
くすくす笑って頬をつんつん、と突いてみたり。
「しょぴ、ぜんぜんねないもんね。いまねとかないと!」
shpは夜中起きていることが多い。
それなら、今寝ていないとダメだ。
ciはベンチの隣に置かれたカゴからブランケットを持ってshpの膝にかけてやった。
橙色をセレクトしたのは内緒だ。
「んしょっ、んっしょ、」
少し重いブランケットを担いで、shpの膝にかけていると、突然後ろからぎゅっと身体が拘束された。
shpが抱きついているのだ。
「んぇ、しょぴ、?」
「すぅ…、すぅ、」
「…しょぴ、まだおれのこと、わかんない、よね。」
動けないため、仕方なくその場に座る。
つまり、shpの膝に座った。
「…なんで、わすれちゃったの、?おれ、しょぴのこと、ともだちだって、おもってたのに。」
ぐすん、と目を乱暴に擦る。
「しょぴは、おれのこと、きらいだった、かな。」
「んなわけないやろ。」
後ろの声に驚いて振り返る。
shpはうっすらと目を開けて、こちらを見ていた。
「きれーな水色。好きやなあ。」
「…しょぴ、?」
「こども…、なのに。なんか…みおぼえ、あんねんなぁ。」
「…、しょぴ、おれ、ちぃのっ。ちぃ、の。」
「……すぅ。」
「んぁ、ねちゃった。」
なんとか開いていた目は完全に閉じてしまった。
思い出してくれそうだったのに、とciは悲しんで唇をつんと突き出した。
「ci〜!!」
「あっ、しゃおろ!!」
shoがボールを持ってやってきた。
ボール遊びは好きだ。
ciは手をブンブン降ってshpの膝から抜け出そうとした。
「…ci、?」
「…んぇ、?」
shpが目をガン開きしてこちらを見ていた。
圧がかかって怖いですよ!
ciはびくりと怯えている。
「…ciぉ!!!!!!!!」
「ぐえッ!!」
shpは思い切りciを抱きしめた。
そのまま、地面に2人とも倒れた。
「なんで忘れてたんやろ、!!ciッ、ああ、ciやん!」
珍しく大声をあげるshpに、shoがケラケラ笑っていた。
「ci…、どこいっててんよぉ、」
「…わかんない、」
「ごめんっ、酷いことしたな、」
「しょぴ、だっこしてくれたらゆるすよ!!」
はい!と手を広げると、素早く抱っこしてくれた。
「お前…小さなったなぁ。」
「それうつせぇせにもいわれた。」
「ふふっ。」
撫でてくれるshpの手は、皆とは違って冷たく、細く、柔らかかった。
「しゃおろ!!しょぴもいっしょ!」
「おう!shpくんも一緒にドッチボールしよか!!」
「え、今まで二人でやってたんすか。」
「「せやで?」」
「なにそのクソゲー。」
続きます
コメント
34件
最高です…!神作品ありがとうございます!
やばい!!やばい!! ホントに好きすぎる!! 最初めっちゃ切なかったけど、みんな徐々に思い出してくれてて感動…!✨あと麺つゆ…w
投稿お疲れ様です!見るの遅れてすみません!( 調子乗んな え、なんかもう好きっす(( ci君が幼児なとことか、ちゃんとrp君いるとことか、めんつゆねた入れてくるところとか、……まあ、全部大好きっす!!🫶🫶 続き待ってますぅー✋✋