短編「」

私の友人にも最近発病しはじめた者がいるらしい。なんでも、その子は恋をしたとかなんとか……。全く、迷惑な話だよ！ しかもその相手というのが……。

私は今日から日記をつけることにした。これは単なる暇つぶしではない。これから起きるであろう未来についての記録なのだ。だから誰にも見せるつもりはない。しかしもし誰かに読まれたとしても心配しないでほしい。別に大したことが書かれているわけではないのだ。ただ、私が感じたことをつらつらと書き連ねていくだけだ。では早速始めていこうと思う。

○月×日 今日は朝早くから出かけなければならない用事があったのだが、なかなか起きられなかった。いつものように目覚まし時計はセットしていたはずなのにどうしてだろうか。そういえば今朝の夢の中にとても可愛い女の子が出てきた気がする。まだ眠い目をこすりながら階段を降りて台所へ向かう。そこには妹の真奈がいた。どうやら妹はまだ朝食を食べていないようだった。私はテーブルの上にあったトーストを一枚手に取り、バターを塗ってやった。妹は嬉しそうな顔をしてそれを食べる。その様子を見ているうちにだんだんと目が覚めてきた。