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俺が落ち込んでいると後ろから声がした。
「クルル!」
先生が2つの袋を持って勢いよくこちらに走ってくる。
「早く入れ替わるぞ!緊急事態だ!」
「えっ…はい!」
俺が答えると、先生は墨のように
黒い液体を俺の口に流し込んだ。
「うぐっ」
見た目とは違って苺のような味だ。
先生は俺が飲んだことを確認すると
先生も薬を飲み込んだ。
「3分したら入れ替わるそうだ。
その間に説明しなきゃならんことがある。」
先生が深刻そうな顔で言う。
俺は思わず息を飲んだ。
「魔物がバタバタと伝染病で倒れている。
そして、倒れた魔物は魔王や幹部に倒され
悲惨な終わり方をしているのだ。」
「そんなのを見過ごせなかった俺は
さっき幹部を四柱捕まえた。」
先生が2つ目の袋から何かを出した。
「黒羊に聞いたのだが、幹部は竜が嫌いで
“竜を倒せ”と命令したのも幹部。」
先生の何かを察したのか、サーフィーが身構える。
俺も少し構えた。
「クルル、サーフィー。
これから”魔界の医学”で魔物を治し、反乱を起こす。」
「最終的に魔界と交友関係を築きたい。」
先生が言った。
俺とサーフィーがゆっくり頷く。
「よし。じゃあクルルと兄ちゃんが入れ替わったあと
袋に入ってる薬で魔物を治すんだね?」
サーフィーが先生から薬を取り上げた。
「えっ、それ薬なのか?」
「え?気づかなかったの?」
先生とサーフィーがポカンとした顔で俺を見る。
それを誤魔化すように俺は言った。
「薬とかどうでもいいんで、早く入れ替わりませんかね?」
先生も誤魔化すように言った。
「そ、そうだな。もう…3分のはずなのだが?」
腕時計を見ると、後5秒だった。
「5秒ならカウントダウンするね〜!」
「5」
「4」
「3」
「2」
「1」
サーフィーが”1”と言った瞬間
頭がチカチカとした。
今までの記憶が、自分の体に流れていくような感覚だ。
「あっ!」
記憶が流れきった途端
自分の体に戻っていた。
「よし、戻ったな。」
「こっちだ。来い。」
先生が少しフラつきながらも空を飛んだ。
俺も慣れない足で空を駆ける。
自分の体だからこその安定感があった。
流れる雲の光景が先生の体のときより、一層綺麗に見えた。
下を見ると黒くて細い生き物が倒れていた。
伝染病で倒れた魔物である。
「降りるぞ。」
先生の合図で俺らは魔物たちの所まで急降下した。
「大丈夫ですかー?生きてますかー?」
一生懸命俺が呼びかける。
先生は麻酔を準備し、大声で言った。
「熱湯を用意してくれ!今すぐに!」
それを聞いた近くの魔物が熱湯を用意した。
「これです!」
「ありがとう。って…」
先生が放心状態になった。
俺が気になって熱湯の入った鍋を覗くと、そこには
恐ろしい光景が広がっていた。