テラーノベル
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看護師が駆け寄り、「大丈夫?頭は打ってない?痛いところはない?」と、次々に確認する。
だが、涼ちゃんは虚ろな目で天井を見つめ、何も答えなかった。
ただ小さく震える肩と、消えそうな表情だけが、今の涼ちゃんの心を表していた。
――夜。
心配で眠れずにいた𓏸𓏸は、そっと病室のドアを開ける。
「涼ちゃん、さっきはごめんね……」
「涼ちゃん――…少し話さない?」
でも、暗い部屋の中――
涼ちゃんは、冷たい声でぽつりと言った。
「……話しかけないで。放っておいて。」
その一言に、𓏸𓏸の胸はきゅっと締めつけられる。
傷ついた顔で、それ以上何も言えなくなってしまった。
ただ、静かな夜の闇が二人を包んでいた。
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