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前話のラストのシーンから少し、時は遡り──
阿古「阿呆かお前っ!!!!!!」
何故か晴明に怒鳴る阿古が、百鬼学園の職員室にいた。
葵梨に忘れ物を届けに来た彼女だったが、晴明が「もしかしたら葭屋町先生たち、悪い人に攫われたかも……」なんて言い出したからだ。
晴明「ヒエッ!」
阿古「晴明君、直前まで……葵梨ちゃんと一緒にいたんだよね!?」
晴明「でも……葭屋町先生が──」
阿古「しかも自分の生徒まで!? 担任として、どうなのよ!」
キーキーと叫ぶ阿古は、止まりそうにない。
流石に神酒が止めに入ろうとする。
神酒「まあまあ禰寝さん、──」
阿古「何だよ酒乱童子!」
神酒「……そう言うてる間に、葭屋町先生たち、何かされるかもしれへんよ?」
阿古「……!」
神酒は明らかにキレていたが、なんとか落ち着いて話をする。
阿古も叫ぶのはやめ、
阿古「私、助けに行く!」
佐野「俺も!」
佐野と共に窓から飛び降りた。
そして現在──
阿古「ちょっと3人とも!何処!?」
霧が出てきた上に、他のメンバーとはぐれてしまった阿古。
いくら阿古でも、少し心細い。
??「大丈夫、3人なら無事だ」
阿古「は……?なんで……」
阿古は霧の中から現れた人物を見て、驚愕している。
??「久しいな、若作り」
阿古「や、やかましい!アンタの方がずーっと年上でしょ!」
強がる阿古と、静かに阿古を睨みつける誰か。
??「……これまでのお前の態度、なかなか目に余るものであった。」
阿古「ギクッ」
??「やはり教育的指導が──」
阿古「お節介焼き!……ゴホン、結構です」
??「まあまあ、そう言うな」
阿古は彼のことが苦手らしい。
阿古「嫌よ!あんなスパルタ教育、普通に死ぬから!」
??「大丈夫だ、死んでも生き返らせてやる」
身の危険を感じた阿古は逃げようと後ろを向くが、彼の方が走り始めるのが早かった。
葵梨「阿古……可哀想だけど、教育的指導は受けてきた方がいいです。ついでに隊長サンも受けてきては?」
隊長「え〜、あの子の指導は流石に嫌だな〜」
所変わって、ここは動物妖怪たちが捕まっている部屋。
晴明以外の助けに来たメンバーは、トラップでやられたらしい。
隊長「というか、君、呑気すぎない?」
葵梨「まあ……──」
明らかに目を逸らす葵梨。
静かになった部屋に、モニター(?)からの音声が。
晴明『お……お店の前でたむろするのは……お店にも、他のお客さんにも迷惑なので……』
隊長「!」
晴明だ。
晴明『やめましょう……!!』
途端、晴明の退魔の力が発動した。
隊長「……まだ生きてたんだ、千年ぶりだね。安倍晴明(セイメイ)君」
興奮して外へ出た隊長。
一方葵梨は、秦中に言う。
葵梨「秦中先生……この檻、壊せませんか?」
副隊長「は?」
秦中「あ、そういえば俺、かまいたちだった……」
葵梨「え……忘れてたんですか?」
途端に動物妖怪たちを閉じ込めていた檻を壊し、動物妖怪たちを逃がす秦中。
副隊長「おい待て!」
葵梨「狸塚君、秋雨君! 私たちも行きましょう!」
葵梨「……で、何故三馬鹿は消えたんですかね?」
阿古「三馬鹿?」
葵梨「秦中先生・狸塚・秋雨」
阿古「はぐれたんですね……まあでも、奥様が無事でよかったです」
外に出てすぐ、葵梨と阿古は合流。しかし他の面子とははぐれてしまったらしい。
阿古「スパルタ教育、怖かった……」
葵梨「でも貴女、やってもらった方がいいですよ……今度、隊長サンと一緒に行ってきては?」
阿古「嫌ですよぉ……あ、人型に戻れそうですか?」
葵梨「う〜ん、妖力が少したりない──って阿古、殺気が……」
阿古「あの鳥野郎、今度会ったらぶっ殺す……! 奥様がそこまで妖力がたりなくなるなんて……!」
??「探せ〜!! 見つけ次第八つ裂きじゃ〜!!」
すると何処からか、叫び声が。
阿古「……巻き込まれる前に、帰りましょうか……」
葵梨「ですね」