「やめてください!!どうか、どうか命だけわ!!うっ……。」
「きゃーー!!誰か!!誰か助けて!!うがっ…。」
大きな門を開いた。
なにやら奥の方から人間の声が聞こえる。
それと同時に何かで首をはねられる音も聞こえる。
鈍い音が鳴り響くと共に、ドスッと物が地面に落ちる音。
明らかに何かが奥の部屋で行われている。
💭「ねぇ、まって。ほんとにこわい。」
⚡️「しっかり正気を保つんだぞ。」
💭「無理だってそんなの…。」
怯えるのも無理は無い、死に対する恐怖は誰でも持ち合わせているもんだ。
意を決し、奥へと進むことにした。
内装はごく一般的な王城と変わらない。
しかし外見からも、うかがえるように、とても劣化している。
辺りはサビとコケが充満していて、柱もいくつか折れていたりした。
奥へ奥へと進むうちに王室らしき所に辿り着いた。
ここから声が聞こえているみたいだ。
👾「行こっか。」
🍯「頑張ろ…!!」
扉を開いた。
👾「こんなところでなにをして…、」
🕯「ん?誰か来た?人間?珍しいね。」
扉を開けた先にはおぞましい光景が広がっていた。
待ち受けていたのは大きなカマを手にし、宙に浮く妙なモンスター。
纏っている黒い布には殺した人間の血痕らしきものがべっとりとついていた。
地面には首をはねられた人間の死体がゴロゴロと無造作に落ちている。
💭「うっ…うぅ…うえぇ…。」
泣きそうになっている。
こんな光景を耐性のない人間が目にしたら気が狂うのも当然だろう。
⚡️「何者なんだ貴様。」
🕯「あっ、僕?僕は“あろま”。魔王に派遣されてきた死神だよ。」
🌙「し、死神…??」
🕯「そう、でも別に魔王に頼まれて人を殺してるわけじゃないんだけどね。」
🌙「じゃあ何のために…。」
🕯「魔王からの仕打ちがまぁ酷いんだよ。もちろん中には僕みたいに不満を持つ奴も出てくる。そんな溜まりに溜まった不満を消化するために適当に人間を殺してるってわけ。なんか文句ある?」
⚡️「不満解消のためだけに無関係の人間を無差別に殺してんのかよ、道徳の欠片もないやつだな。」
🕯「はぁ?そもそも僕、死神なんだけど?生き物を殺すことに躊躇いなんて一切ないんだけど。」
⚡️「だからそういう所が道徳無しだって言ってんだよ。」
🕯「ごちゃごちゃうるさいなぁ、魔王の手助けなんてするのは御免だけど、ここまで口うるさく言われると君たちが勇者一行だとしても殺さざるを得なくなるじゃん。」
👾「やる気か?」
🕯「ほぉ、やってやろうじゃん。」
死神は一切の間も置かずに大きなカマを振り上げる。
カマは炎を纏い、メラメラと燃えている。
最前線に立っていたはにけーきがモロにカマを食らった。
🍯「あぁっ…!!…っぐ…これ無理だ、今までに食らったことの無いレベルの強さ………。」
食らってすぐその場で倒れ込んだ。
物凄い量の血が体から出てくる。
動かない。
💭「はにさん!?ねえ!!はにさんってば!!」
ユメがはにけーきの体を揺さぶる。
しかし応答がない。
死んでしまったのだろうか。
⚡️「避けろユメ!ハヨオキヤ!!」
どうやら蘇生魔法をはにけーきにかけたのだろう。
はにけーきは目を覚まし、身を起こす。
🍯「あれっ…何があったんだっけ。」
💭「はぁぁ……よかったぁ…。」
⚡️「(これ凄いMP消費するからあんまり死なんといてくれよ…。)」
戦いが始まって速攻で味方1人をダウンさせられたことに驚きが強すぎてまともに動けない。
こっちも反撃しないと。
🫘「ユメ!!こっちこい!」
💭「ん、はーい??」
ユメがごまめの元に駆け寄る。
🫘「俺が鎌ぶん投げるから、それに続いてお前がスローイングナイフを投げるんだ。」
💭「おっ、なるほど、同時に攻撃するのか。」
🫘「そうそう、そういうこと、いくで。」
いわゆる合体技と言われるもの。
お互いの攻撃を掛け合わせて相手に大ダメージを与える強い技。
こいつらがどこでそんな知識を得てきたのかは知らないがなかなか凄いことだ。
🫘「おらっ!!」
ごまめが肩にかけていた鎌を死神に向かってとんでもない勢いでぶん投げる。
💭「いけっ!!」
続けてユメがスローイングナイフを10本程真っ直ぐ投げる。
ごまめが投げた鎌は脳天に刺さり、ユメが投げたスローイングナイフは腹部に見事命中した。
🕯「っふぅ……いった…。」
死神もかなりのダメージを負った様子。
しかし怯んだのは一瞬。
自らの手で刺さった鎌とナイフを外し、再び攻撃を仕掛けてくる。
🕯「ちょっと攻撃成功したからって調子に乗らない方がいいよ。」
そう言って大きなカマを振り回し、こちらに向かってくる。
🌙「あっ、ここは任せて!!」
死神が突っ込んでくる方向にマリさんが立ち塞がる。
🌙「カウンターガード!!」
自分の身の前にバリアを貼り、死神の攻撃を弾き返した。
それに伴って、カウンターを喰らい、死神自身がダメージを負った。
🕯「はぁ…君たちがなかなかやれることはわかった、僕もそろそろ本気出さないとだね。」
死神は魔法陣を生成した。
何やら嫌な予感がする。
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