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今日から俺は神様の御使いを体に宿し、村の人々を導かなければならない。そのために1日1人、5人の偉い人に挨拶をする。
教会に向かうと椅子に座っていた助祭様に声をかけた。振り向いた彼はにこやかで安心した。綺麗な赤毛だと言って俺の頭を撫でてくれる。
「では、机に座ってくれるかな?」
「え」
汚れてしまわないかと気になったが助祭様のお言葉なので間違いはないだろうと言われるままに座った。そこから暫くは地獄が待っていた。他の司祭様も祈りのための準備をしている中、御使いになるためだと教えられ犯された。恐怖と不快感と異物感と。
「明日は私の所へおいで」
準備をしていた祭司様が俺を誘った。俺の抵抗もSOSも無視した神の言葉を代弁する人。でも、もしかしたら話を聞いてくれるのかもしれない。承諾をしてすぐさまシャワーを浴び、強く強く洗い流した。
翌日、祭司様を尋ねると椅子に寝そべるように言われた。昨日のこともあり何をするためかと聞く。落ち着くためには深呼吸が大切だと言われた。俺が寝そべると祭司様は昨日のことをどう思うかと聞く。とても耐え難いものだった。今までの御使いもあのような行いを受けてきたのかと問う。
「そうだね、皆もああして清められてきた」
「清め……?穢れじゃなく?」
「なかなか分かりづらい考え方だとは思う。けれど、神聖な聖職者の体液は身を清めるものという思想がこの村には根付いていてね」
だから私たちが君を御使いにするために清めるんだと言ってまさぐられる。抵抗するがほかの助祭などに身動きを停められ再び地獄が訪れた。どれだけ神様の教えを伝達しようとも、信じている教えが汚ければ行いも比例する。逃げなくちゃ、兄弟に伝えなきゃ。
家宛に手紙を書き、辞退の知らせを兄に書いて枢機卿様に提出してもらった。大司教様に今回のことを主張した。が、受け流されるような態度で期待はできない。とは言え、また兄弟と生活できるのは嬉しい。新しい街では上手くやれるといいな。
後に分かった事だがあの村での習わしは邪神を体に宿らせて鎮めるための禊だったらしい。だから汚らわしいものを体に纏わなければならなかった。嫌な伝統が今も続いている。