…………
「いいねぇ…生足!」
帰りの車。
助手席に座ると、必然的に足が…。
両手を置いて隠すも、遠慮なくガン見されて…ただ赤くなる。
なんとなく、嫌な予感がしながらマンションに戻ると…
「…ちょっ…と!」
いきなり正面から手首を掴まれて見下された。
その威圧感に押されて、思わず後ずさると…響は私を壁に追い込んできた。
そのまま見つめ合う私たち。
なんか…目をそらしたら負けみたいで、ぐっと睨むよう見返す。
だんだん…その目の色が蕩けるような甘さを宿し始めたことに気づいた。
あ…っと思ったときには、頬に口づけられて…
「…や…な、なに?」
「可愛い」
片手に自由が与えられた代わりに、顎を掬われ、キスされたことに気づく。
響の手が私の生足に触れたことにも…
「…今すぐ抱きたい…」
蕩けた甘さを宿した瞳の奥に、獰猛な獣のような、危ない光が見える。
「…な…なに言って…」
生足を這う手はどんどん熱くなって、際どいところに近づいてきた。
「…我慢できるわけがない…」
言うより早く、響は私を抱き上げ、あの黒い部屋の大きなベッドに落とす。
「…ちょ…っと待って…まだ再会したばかりで…」
「なんの問題もない。俺はお前のことが死ぬほど好きだ。将来も約束できる…」
仰向けに寝かされたまま響を見ると、着ていたシャツを剥ぎ取るように脱いで…私に覆いかぶさるように近づいてくる。
響の体は…自分とはまったくちがう硬そうな筋肉で覆われていて、その大きさに圧倒された。
両手首をベッドに縫い付けて、上からのしかかるように抱きしめられ…
「琴音…俺のものに、なれ」
衝動を隠すように、キスは優しい…
嫌じゃない…私だって、響を特別に思ってた…けど…いきなりすぎてついていけないってば…。
響の手が、私の白いシャツを捲り、響が選んだピンクのレースのブラに包まれた胸がさらされた。
その胸に響の手が這い回る
もう隠しきれない衝動が支配しているのか…響の息が…荒い。
もう…可愛がってくれたお兄ちゃんじゃない。ここにいるのは私を求める1人の男…
「…琴音…?」
ふと…荒々しかった手が止まる。
私は自分でも気付かないうちに、泣きだしていたらしい。
「怖かったか…」
私の顔を覗き込むように横向きに体を沿わせる響。
泣いてる…と気づいてからは、その涙を自分では止められなくなってた。
「…ごめん。急ぎすぎたな」
思いのほか優しい声色で…覗き込まれた瞳と合わせると、動揺してるみたいにその視線が揺らぐ。
開いた唇が、何か言おうとして、キュッと引き締まる。
さっきの妖しい手つきではなく…愛おしむように背中を撫でられ、わずかに力を込めて、その胸元に引き寄せられた。
響…心臓の音、うるさ…
言葉に出したら怒られそうなことを密かに思い、そっと見上げてみると…響も私を見下ろしたところで。
「抱きしめるくらい…させろ」
伝わってくる…響が私を愛おしむ気持ちが。
でも…今は言わせてもらう。
「私を、響と同じくらい好きにさせて。恋に落として」
「…は?」
「大学を卒業するあと半年で…私をどうしようもなく好きにさせてよ。そしたら、結婚する」
「お前、今は俺のことをなんとも思ってないのか?」
「…き、嫌いじゃないよ?されたことだって別に、嫌だったんじゃないもん」
「じゃ、俺に落ちろよ素直に。体じゃなくて、心な?」
「…」
そんなこと言うけど…
結婚なんて…身分違いすぎるでしょ。
本音はちょっと言いたくない。
だってこの熱量で迫ってくるこの男。
どうせいろいろまくし立てて、最後は『問題ない』で終わるに決まってる。
何も言わない私に、響が心底困ったように言う。
「まったく…お前くらいだ。俺にここまでされて落ちない女は」
響は、急に脱力したように仰向けになった。
「普通は夜景を見ながら抱きしめたら、すぐにその気になる。なのに暗くしてくれてありがとうとか言うし」
…響はそうやって、いろんな女の子をその気にさせて、落としてきたんだな…。
「しょうがねぇからこっちの本音を伝えて結婚まで言ってるのに、まさか恋に落とせとか言われるとはな…?」
私は乾いてきた涙の跡をこすりながら「さっきは怖かったな…」と言ってやった。
すると慌てて起き上がった響。
「しょうがないだろ…好きなんだから」
私の手の上から自分の手を重ねて、一緒に涙の跡をこする。
「…逆にどこまでいいか言え」
響、また瞳が蕩けてきて…私が答えを言う前に勝手に決めつけた。
「ハグとキスはオッケーだな。わかった。後は半年以内に恋に落とせだと?楽勝だから任せとけ」
美しい顔に余裕の微笑。
裸の胸…頬に触れた優しい指先…。
…確かに…本当に楽勝だったりして。
コメント
2件
↓うんうん(*-ω-)私も同じく....(≧▽≦)♡ギャハハ
響だったらすぐ堕ちちゃう!私なら( ̄▽ ̄*) ・・・ァハハ