テラーノベル
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1XXX年
時代は明治初期。
「…これ以上俺は貴方様を汚れた世界にいて欲しくないよ。」
『….それなら2人で深い底に沈みませんか?』
「この世で結ばれないのなら、あの世までの旅路は誰にも邪魔させませんよ」
『….満月が綺麗ですね』
「…本当にいいのか?」
「貴方様はまだ生きたそうとしていますよ」
『それは君がいるからだよ』
「そっか」
『愛してるよ』
「俺も愛してる」
『もし、他に、「やめて」
『ごめん』
「運命が決めたことだから」
「そうだね」
『….じゃあ、入ろっか』
「離れたくないので、」
離れないよう互いの着物の袖をを固く結び合わせ、
一歩。
また一歩と真っ黒な川へ足を踏み入れた。
『来世では君と結ばれたいよ』
「..ッ、俺もですよ」
『愛してる。』
「愛してました。」
激しい水音が一度だけ響き、二人の姿は川の渦の中へと消えていった。
コメント
1件
藍月。さん、第16話読ませていただきました……。明治初期の空気感と、二人が袖を結び合わせながら川へ足を踏み入れる描写が、とにかく美しくて切なかったです。「愛してる」と「愛してました」のたった一文字の違いに、全ての覚悟と後悔と永遠の想いが凝縮されているようで、胸が締め付けられました。この世で叶わぬ恋を、あの世で——というテーマが本当に沁みます。続きが気になります……!
#りくえすとぼっくす
氷室 綾
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