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数ヶ月後…………
リハビリの先生「…はい、悠さん!松葉杖上達してきましたね。これなら、早いうちに退院出来ますよ!」
悠「……そうですか…ありがとうございます」
目を覚ましてから数ヶ月、徐々に体調が良くなり今は松葉杖の練習をしている
悠「……っ…痛い…」
足を骨折した悠は車椅子生活だったが最近は松葉杖をつき始めた
ただ………
悠「……ハァ…まだちょっと痛む…頭もクラクラする……」
ここ数ヶ月はずっと座って生活をしていた悠だったので立って歩くというのは中々困難だったのだ
数ヶ月も立って歩いてなかったため、今歩くと体が凄く重たく感じるのだ
悠「……っ…やばっ…」
フラつくように松葉杖をついていたため悠は怪我をしていない足を滑らせた
悠(やばい……視界がっ…)
グラッ……
ドサッ!!!!
「ハァ……本当に危なっかしいな…」
悠「……あ、…蓮…」
蓮「よっ…こいしょっ…ハァ…危ない危ない……もうダメでしょ…先生も近くにいないのに」
悠「あ……ごめんなさい……」
蓮「ん、もう勝手にどっか行くの禁止ね!どっか行くなら僕を呼んでよ」
悠「……うん…あ、ありがとう……」
数ヶ月前は呂律が回らなく喋れなかったが今は何ともない
蓮「ううん、わかってくれたなら良かったよ!それより、何してたの?」
悠「あ…えっと、リハビリをしてて、今はその帰り…自分の病室に戻るところだった」
蓮「……え?先生は?着いてきてくれなかったの?」
悠「……なんか、バタバタしてて忙しそうだった……」
蓮「……ふーーん……」
沈黙が続いた
蓮は何を考えてるのか分からない
長年一緒にいるはずなのに未だに蓮がどういうことを思ってるかとかは悠には分からなかった
そして、急に黙る蓮が悠は苦手だった
何を言われるのか、何を考えているのか
全く予想ができなかったからだ
二人とも黙ったまま病室に向かった
悠「……ついた…」
蓮「本当だね、扉開けるよ」
ガラガラガラ………
蓮「はい、どーぞ!松葉杖なんだからゆっくり入ってね」
そう言うと「中に入ろ」と言わんばかりの手が差し伸べられた
悠は分かっていた……この手の意味を…
そして、悠が病室に入ると続くように蓮も病室に入った
すると、
ガチャン
鍵をかける音が響いた
悠の病室は個室だ
悠「……えっと、ごめんなさい……」
病室に入りベッドに座る悠は恐る恐る蓮の顔を見て謝った
鍵をかける……つまるところ蓮は話をするために鍵をかけたのだ
蓮が手を差し伸べる意味も「今から話をするぞ」という意味なのだ
悠はなんの話しをされるのか分からなかった…だから初めに謝罪をしたのだ
自分でもなんの謝罪かは分からなかった
蓮「……なんで謝るの?…その謝ってる意味とか、僕がこれから何を話すのとか分かってないのに…」
お見通しだ……
蓮は悠のことを全て知り尽くしている
なのに悠は蓮のこと未だに何を考えているのか分からないことがある
…長年一緒にいるのに分からないのは悠にとって、罪悪感でいっぱいだった
そういう気持ちも相まって悠は蓮に謝罪をしたのだ
第35話 終わり