朱(あけ)の花びら
どうして、いつもこの夢を見るのだろう?それが、朱に染まった運命とは知りもせず――。
孤高の王ジオンの愛妾ミヒは、自分の立場と毎晩見る夢の狭間に苦しんでいた。
来月、愛するジオンは国の為、正妃を娶る──。ジオンから手向けられる愛を信じていても、王の力をもってしても、政の前には、ミヒを守りきれないジオンがいる。そのジレンマに苦しむ二人は、ただただ嵐が過ぎるまで、肌を寄せ会うことしかできないでいた。
一方、邪魔者を消せと、後宮勢力の陰謀により、ミヒは何者かに拐われ、行方知れずに。心の拠り所を失ったジオンは王の役目も放棄し廃人と化してしまう。
王宮は、正妃と宦官の不貞、復讐劇と、愛憎うごめき乱れきる。そこへ、戦の火種が……。
大人女子向け、中華風後宮ロマン