大幅カットしてUSJへ
「今日のヒーロー基礎学だが__」
「__以上。準備開始」
相澤の話が終わり、皆一斉に準備をする。因みに優雨はコスチュームをまだ持っていない為体操着だ。(隊服だと鬼殺隊とバレてしまう為)飯田の指示で2列で並んだが、意味はなかったようだ。
「私、思ったことは何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん、貴方の個性オールマイトに似てる」
「そっそうかな!?で、でも僕はその…」
「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねぇぜ?似て比なるあれだぜ」
(慌て過ぎ…そのおぉるまいとと何か関係があるのでしょうか…)
「爆豪ちゃんはキレてばかりだから人気でなさそ」
「んだとコラ出すわ!」
「ほら」
「この付き合いの長さでクソを下水で煮込んだような性格だと認識されてるのすげぇよ」
「お前のそのボギャブラリーはなんだ殺すぞ!!」
(ぼぎゃ……??)
そんな低俗な会話をしていると、相澤が「もうすぐ着くぞ」と声を掛けた。バスを降り、宇宙服を着た人…13号に会った
「さっそく中に入りましょう。」
「おぉ…すげぇ!USJかよ!」
「水難事故、土砂災害、火災、暴風etc…あらゆる事故や災害を想定し作った演習場です。その名も、嘘の災害や事故ルーム。略して、USJ!!」
「「ほんとにUSJだった…」」
(USJとは…?)
驚いた様に目を見開いている緑谷達だが、優雨だけはUSJが何か分からず、こてんと首を傾げている。そんな中、相澤が13号に話し掛け、オールマイトが来ない事を知り「不合理の極みだな、おい」と呆れている。
「えー、始める前に小言を1つ2つ、3つ、4つ、5つ……」
「「増える増える…」」
どんどん増えている小言に思わずツッコミを入れる。個性の話をした途端、緑谷がキラキラと13号の個性について話す。すると、13号は「人を助ける力だが簡単に人を殺せる力でもある」と教えを諭す。それに感動した飯田がブラボー!と声を上げ、拍手が沸きあがる。
「よし、それじゃあまずは…」
(この、気配は……!)
「人方割りになって動くな!13号、生徒を守れ!」
階段を下ってすぐにある噴水の前に、大きなブラックホールの様な物が開かれる。突然の事に皆ザワザワと騒ぎ出す
「なんだ?入試の時みたいに、もう始まってんぞパターン?」
「動くな!あれは…ヴィランだ。」
「なっ!?」
(……鬼の…気配__!)
優雨が手だらけの人間_死柄木弔の隣にいる角の生えた鬼に向かって走り出す。不意をつかれた鬼が個性を使い、手で攻撃を塞ぐも衝撃を殺しきれず、遠くへ飛ばされる。優雨が駆け出したのに遅れて気付いた切島達が戦闘モードへ入る。
「相澤先生!!俺達も行きます!」
「ダメだ!」
「なんでですか!?優雨は良いのに!?」
「根津校長から許可が出されている。」
「えぇ!?」
相澤が飛び出し、ヴィランを蹴散らす。思わずヴィラン側が嫌だなプロヒーローと呟くほどだ。黒いモヤのヴィランが言うには、平和の象徴であるオールマイトに息絶えて貰う事_そう、殺しが目的なのだそうだ。黒いモヤで緑谷達を包み込み、別の場所へと飛ばす。そして、優雨は誰もいない場所へ鬼をおびき寄せる。根津から「出来ればでいいんだ。あまり生徒の前で鬼殺をしないで欲しい。今の彼らには、まだ早い」と、頼まれたからである。
「チッ…鬼殺隊がなんで雄英にいんだよォ…!せっかくの飯の時間なのに台無しじゃねェかよォ……」
「騒がしいですね。少しは黙れないんですか?」
「大口叩いてられんのも今のうちだぜェ?俺はァ…上弦の鬼なんだからよォ……!!」
「……今の世界には上弦も下弦も居ないはずですが…そもそも、何故その事を?」
「あァ?知るかよそんな事ォ…」
「そうですか。では__死ね」
「ッ…痛ェじゃねェかよォ…なァ!」
「あら、この程度の強さで上弦の鬼だなんて…随分と落ちぶれたものですね?」
「んだとこの小娘ェェェ!!!」
怒った鬼が優雨に向い攻撃を繰り出す。その攻撃をいなし、受け流す。
「写ノ呼吸、炎写し・壱ノ型 不知火」
「グァッ__!?」
「……あの世で悔い改めなさい。そして_どうか、次は鬼になんてならないでね」
鬼の首を斬った優雨は、いつものなんの感情も表さない表情ではなく、悲しげな微笑みを浮かべそう言った。