黄色の“ワンピース”というものを着て如月さんの部屋に戻ると、『まあまあだ』と言われた。如月さんと一緒に1階へと降りると外には大きくて長い黒い車がとまっている。車のドアが開くと綺麗な女の人がおりてきた。
「お越しいただきありがとうございます、麗亜様。」
「相変わらず、つまらない顔しているのね、咲月。」
「……申し訳ございません。精進いたします。」
「とりあえず、早く中に入れてくれる?」
咲月さんの手を振り払い、如月さんと私の元へとやってくる女の人。この人が麗亜様…?
「麗亜様、お元気そうで何よりです。」
「ありがとう。且功さんもお元気そうで何よりよ。それにしてもなんですの、このちんちくりんは?」
私のことを見て今『ちんちくりん』って言った、この人。意味は分からないけど馬鹿にされたことだけは分かる。
「新しい如月家の者です。さあ、命、ご挨拶を。」
落ち着け、私。麗亜様に認めてもらうには、ちゃんと自己紹介ができればいいんだ。
「私は長月命です。如月さんに買ってもらって来たです。よろしくお願いします。」
「ずいぶんと安っぽい顔ね。洋服は一流のものを着ているのにそれに似合わない。それに来たですって馬鹿丸出しって感じじゃない。」
如月さんが言っていた通り悪口言う嫌な人だ。如月さんも十分口は悪いけど、この人は如月さん以上かも。
「さあ、中へご案内いたしますよ。」
「あら、この安物も来るんじゃないでしょうね?」
「安い安いって、あなた偉そうで嫌い!如月さんだっていつもあんなに偉そうだけど少しは優しいところあるもん。」
「汚らわしいったらないわ。私と且功さんが婚約するまでにこんなもの捨てといて!」
「咲月、命を上に連れていけ。少し落ち着かせて来い。」
「……かしこまりました。」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!