コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
朝目が覚める。
僕は昨日の事を鮮明に覚えている。そう、ついに卒業できたのだ!(何をかは言わない)
隣にはまだ寝ている彼女(君)がいる。
彼女は昨日の事を覚えていない。だから僕が誰か分からないし何で旅行に来てるか分からないんだ。
「んー、、」
彼女の目が覚める。
「あれ、ここは…?あなたは、誰?」
僕は彼女に昨日あった事をメモした紙を見せた。僕は誰で、何で旅行に来ているのか、昨日食べたもの、、などが書かれていた。
「あなたは私の事が好きで私はあなたの事が好き…ごめんなさい…昨日の記憶がまったくないの、、、」
覚悟はしていた。だけどこんなに悲しい気持ちになるなんて、、、
「帰ろうか」
そう言って僕たちは家に帰った。
あの日から長い月日が流れた。
僕は勉強を頑張ってそこそこいい会社に勤める事になった。
彼女(妻)と同棲する事になった。まさか転校生と結婚するなんて思いもしなかった。
自分でも驚いている。
毎朝昨日起きた事を妻に教えている。
(昨日ってのは旅行の事じゃないよ)
面倒臭いと思う人もいると思う。だけど教えてあげないとまるで僕の世界から君だけがいなくなったかのような気持ちになるから僕は毎朝昨日あった事を妻に教えている。
悲しくならないのかって?
そりゃもちろん悲しくなる時もある。だけど1番悲しいのは妻だ。妻には笑顔でいて欲しい。だから僕は妻の記憶が消えてもメモを見て笑顔になるような思い出をたくさん作ろうと日々頑張っている。
妻との思い出はまるで2人だけの世界でできたものだと思うくらいとても幸せな思い出だ。
妻は覚えていないけど僕は覚えている。
妻に教える事で僕だけの世界から妻と僕だけの世界になる。
自分でも何言ってるか分からなくなるが簡単に言えば
2人だけの思い出を僕だけの思い出にしたくない、、、
と言う事だ。
「パパー、行くよー」
おっと子供が僕を呼んでいる。
「今行くよー」
と返事をする。
「何独り言言ってたのー?」
と妻に聞かれたので
「んー?何でもないよ!」
と答えた。
僕は元々何の取り柄もないぼっち高校生だった。だけど君(妻)に出会えた事で人生が変わった。
1つ1つの出会いを大切にして生きて欲しい。
君と僕だけの世界で