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会いたい
僕はあの日からずっと夢が見れない
「行かないで」
そう言っても君が決断を曲げることはないって解ってた。
これが最後の「行かないで」だった。
君は世界を救うためとか言って、飛び立ってしまった。
「そんなとこに行っても君は大事にされないんだよ」
何度も余計なことを言って、止めようとしたのに。
『俺はね、そんなに大事にされていい人間じゃないんだよ』
その度、僕に優しくそう言った。
世界が君のこと大事じゃなくても、
僕にとってはかけがえのない一人なのに。
僕は君をこんなに大事に思ってるのに。
「僕のことはどうでもいいの」
そんないじわるも言った。
『…。』
君は黙り込んでしまった。
君は優しい。
『絶対に無事に帰ってくる。そしたら、絶対に一緒になろう。待ってて』
そんなの叶うわけなかった。
「……。わかった。 」
何も解ってなかった。
「君がそう言ってくれるなら、いつまでも待つ。」
『ありがとう、大好きだよ。灯』
心に光がさした気がした。
君が大好きなんて言うから、希望が見えた気がした。
「僕も大好きだよ、¿¿¿」
「絶対一緒になろうね」
君は言葉を返す代わりに微笑んだ。
朝起きたら君はもういなかった。
信じて待っていた。
明るいニュースは中々僕の耳に入らなかった。
強いて言うなら君が可愛がってた猫が僕に懐いてくれたことくらいかな。
君がいないとなんにもうれしくないなぁ
はやくかえってきて
なんで
なんで
なんで…
君は、結局最後まで帰ってこなかった。
一緒に目的地に向かったという隣のおじさんは帰ってきたのに。
《あの子は、俺を庇って…》
あぁ。そうか。
僕には優しくしてくれなかったのに。
僕は君が残してくれた、手紙と 君がずっと大事に持ってたよくわかんない柄のネックレスを抱えて途方に暮れた。
君のいない夜に耐えられなくて、外に駆け出した。
持病が悪化した。
あぁ。僕はもう、
終わりなんだ。
君がいない世界で何を見るんだろう。
暗闇に堕ちた気がした。
あの日心にさした光が、嘘のようだ。
僕はもう夢が見れない。君の名前も思い出せない。
君がいない世界で望むことなんて何もない。
そういえば、手紙を読んでいなかった。
でも、もう読む力も残っていない。
あぁ。
天国で逢えるかな。
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