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蜂蜜きな子
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#犬
ここと🌹🫶 @低浮
203
みみ
49
一章目行きます
夏の終わりの夕暮れは、まるで世界が溶けていくような歯色をしていた。
かもめ学園の裏手にある寂れた空き地。それが、私たち3人の秘密の遊び場だった。
「露葉、また少し透けてる」
しゃがみ込んで地面に絵を描いていた司が、不意に顔を上げて私の顔を覗き込んできた。
漆黒の瞳が、面白がるように、けれどどこか焦ったように私の顔をじっと見つめる。
「…..気のせいだよ、司」
私は苦笑いしながら、自分の薄青い髪を耳にかけた。
生まれつき、私には強い霊力がある。怪異や人の情念が見えてしまうその力のせいか、私は昔から周りの大人たちに「今にも消えてしまいそうな子」と言われていた。右目が黒、左目が白という奇妙なオッドアイも、その不気味さに拍車をかけていたはずだ。
だけど、幼馴染の双子ーー普と司だけは、私のことを特別扱いしなかった。いや、違う。
「気のせいじゃないもん。ほら、捕まえた」
司が私の手首を、ぎゅっと強い力で握りしめる。子供の力とは思えないほどの執着を幸んだ、痛いほどの熱。
司は私の腕を自分の胸に抱きしめるようにして、無邪気に笑った。
「露葉はどこにも行っちゃダメだからね。俺がずーっと、こうやって離さないであげる」
「つかさ、露葉が痛がってるだろ。離せよ」
少し離れたベンチでノートを広げていた管が、呆れたような、だけど少し冷めた声を出す。
普は司の手を強引に引き剥がすと、私の隣に腰掛けた。『大丈夫、露葉?」「うん、ありがとう、普」
普は私の顔を見ると、いつも少しだけ切なそうな目をする。まるで、私が本当にこの世界の夕暮れに溶けて、えてしまうのを恐れているみたいに。
「mmこれ、あげる」
普がポケットから小さな箱を取り出した。
開けると、中に入っていたのは銀色に輝く三日月のチャームがついたプレスレットだった。
「これ…・・」
「露葉はき、今にも遠くに行っちゃいそうだから。….これをつけていれば、月みたいに、ずっと僕のそばにいてくれる気がして」少し耳を赤くした普が、私の細い手首にそっとプレスレットを巻いてくれる。
月の光を閉じ込めたような輝きが、私の手首にぴったりと収まった。
「特麗….・。ありがとう、普。私、これ毎日絶対につけるね」「うん、約束だよ」
昔が嬉しそうに目を細めて徹笑む。
その様子を、少し離れた場所から、司が感情の読めない真っ黒な瞳で見詰めていること。
その時の私はまだ気づいていなかった
コメント
1件
うわあ……第2話、めっちゃ胸が締め付けられたよ……。 夕闇の空き地っていう舞台も、露葉ちゃんの透けてる感じも、全部が切なくて綺麗だった。特に司くんが手首をぎゅっと掴むシーン、あれ怖いのにどこか愛おしくてドキドキした。それに比べて普くんの優しさ……三日月のチャーム、すごく似合ってると思う。ふたりの“執着”の形が違うのも、めっちゃツボ。最後の不穏な空気、続きが気になりすぎる……🌙🤍