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自室に戻った後、どれくらい泣いただろうか。リムルはその間ずっと私の側で「大丈夫、大丈夫だからな」と言っていた。
散々泣いて、少したった頃にシュナが飲み物と冷たいタオルを持ってきてくれた。リムルに渡され水を飲もうとするも、しゃっくりで上手く飲めなかった。
リムル「だいぶ落ち着いたか?」
そう言って、パンパンに腫れたであろう私の目を冷えたタオルで冷やしてくれた。
夢「私…酷いかな…。あの人達がいなかったら私…ここにいないのに…」
リムル「俺は夢の行動間違ってないと思う。散々傷つけられたのに慈悲なんていらねぇよ」
夢「うん…ありがとう」
時計は午後15時を指していた。
シュナ「失礼します。おやつを持ってきたのですが…」
リムル「おう、シュナありがとな」
シュナ「いえ、それでは失礼いたします。」
夢「シュナのおやつ…」
リムル「せっかくだし、食べるか」
夢「うん…!」
真っ赤の苺が真っ白の生クリームの上に乗ったショートケーキだった。一口食べると甘さが口に広がって、いつもより美味しく感じた。
夢「おいしい…」
さっきまで泣いていた夢に少しだけ笑顔が戻る。やっぱりシュナのおやつは偉大だな、と再認識した。
そんな平和な時間はあっという間に崩れた。
おやつを食べ終わり、夢とカードゲームをしていた時だ。
ドアがバァンッと大きな音をたて、開いた。そこにはギィが立っていた。
咄嗟に夢の顔を見ると、やっと腫れが引いてきた下まぶたの上をまた水滴が流れようとしていた。表情も驚きと不安で固まっていた。
リムル「ギィ…!!お前、少し待ってろって言っただろ!!」
ギィ「夢、お前両親にあったんだってな。なんでだ」
リムル「ギィ!!聞いてんのかよ!!」
ズカズカと夢の部屋に入ってくるギィ。その様子はまさに悪魔だと思った。ギィはどうやら怒っているようだった。ギィとは夢が騒動の後拾われ、寝ている間に話していた。両親のこともあるから落ち着いたら話をしようと。なのにこいつは…。
ギィ「夢。なんであったんだ。」
夢「ぎ…ギィ…」
夢の傷はまだ癒えていない。魔獣の噛み跡も、ギィに叩かれた部分もまだ治療中で、背中の傷ももちろん治っていない。せめて前の2の傷が癒えてからにしようと思っていた。
夢「わ、私は…。なんで……」
怖かった。両親に会うのも、もしかしたら憧れていた両親からの、家族からの愛を受け取れるかもとも思った。でも、答えは違った。あの人達は私の幼い頃から変わっていなかった。
会おうと決めた理由は単純で感だった。何故か会わなきゃいけないと思ったから。
でも、今はそれ以上に怖かった。まだ心の整理ができていない。ぐちゃぐちゃの感情のままギィに会ってしまった。
「ギィに叩かれて痛かった。」
「ギィがやってみろって言ったのに。」
「ごめんなさいって言わなきゃ。」
「凄く怖かった。」
「ちゃんと説明して欲しかった。」
「私が悪いのに…。」
「ギィは悪くないのに。」
夢「あ…え…」
なにを喋れば良いのか分からなかった。たくさん頭に文が出てきて、でもその分が重なって、ぶつかってバラバラになって何が言いたいのか分からなくなった。
その時、
ギィは私に何も言わず 抱きしめてきた