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「貴方の新しい体は余命3日の姫」
真っ暗な世界で真っ白な光の玉にそう言われた
いや、正確には頭に響いてきた、
私は、前世普通の人間だった。普通に生まれて普通に育って、普通に好きな人を作り、結婚して子供を産んで、、、
なんて、そんなわけない
普通って何?少なくとも私は幸せな時なんてなかった。
生まれた時から、重いものを持ったことがなかった。兄弟からも親からも、
「これは私が持つから、何もしなくていいから、そこに座ってて」
そう言われて、
危ないから、まだ小さいから怪我をして欲しくないから。
そういう思いで言ってくれてるのかと思ってた。
でも、違った。
元々愛されてなんて居なかった。
10歳になった頃、夜、親たちが話をしているのを聞いた。
私は、、、
生贄にされるのだ。
この歳になると皆、うちの家系の選ばれた女は生贄として捧げられる。いわゆる殺される。
そんな真実、今までずっと隠されてきた、理解できなかった。そもそもなぜ生贄が必要なのか。
次の日の朝、白い着物を着せられて、街にある大きな館へ連れていかれた。
スキをついて逃げるつもりだった。
入口から入ると、人間とは思えないほど美しく不気味な女が横たわっていた。
女のそばにいた黒い着物の人間がその女に声をかけるとピクっと動いて、こちらに手を伸ばしてきた。細く枯れた葉のような腕で。
「はやく、はやく、よこせ、よこせ」
そう言っていた。何をよこすの??そう脳裏に過ったがすぐさま答えにたどり着く。
生贄、イコール私だ。
私はとっさに逃げようとした。でも、すぐさま捕まって押し倒された。
「大人しくしな!あんたは生贄として育てられたんだ!責務を全うするんだよ!」
そう母親は叫んだ。
姉も、兄も、母も父も叔母もみんなみんな私をおさえて女の元へ連れていく。
『やだ!嫌だ!死にたくない!』
そう必死に抵抗するも、大人たちの力に叶うはずがない。
「本来なら生まれてすぐ殺すんだったんだ!でもそれを生贄としてこのまで育ててやったんだ!」
そう叫んだ兄の目は人の心を映さない、命をなんとも思っていない目をしていた。兄だけじゃないみんなだ。
「感謝しろ!」
感謝、だと?
私がお前たちのどこに感謝をしろと言うんだ?私はお前らを1度たりとも家族だなんて思ったことは無い。愛したことも、愛されたこともない。
私はー、恵まれて生まれてきた者たちを羨んだことなんてない、いつか、いつか、みんなと同じ場所に立てるかもしれない。
そう願って、生きてきた。
それももう終わり、死ねば、楽になれるかもしれない。
私の人生、短くて、脆くて、錆び付いた人生だった。ようやく終わる。何も、悲しくない。
そう思っていたのに、目を開けると知らない場所にいた。
どこが右なのか左なのか、上なのか下なのか。
分からない場所でただただぼーっとしていた。
その時声が聞こえた。頭の中に。
そして今。白い光が私の目の前に来た。
私は手を伸ばした。
その光に触れると、暖かくて、でも少し寂しくて、よく分からなかったけど。私はその光を抱きしめた。
その瞬間、目の前が光に包まれて、私は眩しくて
目をつぶったー。
【♥が多ければ続きこれからも描きます。】