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同級生

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同級生

9 - 第9話

♥

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2025年01月12日

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side:mtk


曲を作るのは単純に楽しい。

部屋に籠ってるのが1番性に合ってる。


でも最近、少し寂しい。


年も越して、半纏を着てぬくぬくとコタツに潜り、ミカンを食べながらボーッと考える。


「お前、いい加減学校行けよ」

「う〜ん…」


帰省している兄の声に生返事を返したものの、それも悪くないのかもしれないと思った。

自分の気持ちの変化に自分で驚いた。


学校は檻では無いかもしれない。


そう思えたのは、若井のお陰だろう。

未だに毎朝わざわざやって来て、毎朝断ってるのに、嫌な顔ひとつしなくて。


1番は変なヤツだなと思うけど、本当に良いヤツなんだと心底思う。


若井と一緒なら、楽しいかもしれない。


いきなりクラスに入るのはちょっと怖…気まずいから、まずは


「…修学旅行くらい、行こうかな」


ポツリと呟いたら、家族全員がお祭り騒ぎのようになって、後にひけなくなった。


想定以上の反応に若干後悔しながらも

『若井に言ったらどんな反応をするのか』と、少しだけ楽しみになった。


冬休みが終わってから、どうやら母親は学校に連絡したらしい。


「先生が、修学旅行は是非おいでって言ってたよ」

「分かった」


修学旅行は3年になったらか…

若井とクラス一緒なら良いけど。


なんて、期待している自分にまた驚いた。




「おれ、修学旅行行こうと思う」


気恥ずかしくて、このたった一言を若井に送るのに、随分時間が掛かった。

少しでも紛らわす様に、昼前の授業中をわざと狙って送ってしまった。


若井からの返信は夕方。


「一緒に行こう!」


この一言が素直に嬉しくて、自然と口元が緩んだ。




そこからの時間はあっという間で、いよいよ当日。正気か?と思ったけど、宣言した通りに朝から若井が来た。



「やっと一緒に登校できるね」

「“一緒に行く”が、まさか修学旅行当日の朝からとは思わなかったけどね。その荷物でよくこんな遠回り出来たな?」

「大森と行けると思ったらすげぇ楽しみで!全然大丈夫だったよ」


こいつはガチの変態だな。

いま確信した。


「正直おれ、不安しかないから。迷惑かけるかもよ」

「迷惑とかないから。思いっきり楽しもうな!」


ニッと効果音がつきそうなほどの笑顔が眩しい。

若井のこの笑顔には、おれを安心させる力があるらしい。


「じゃ、行こっか!」

「うん」


初めて、制服を着て並んで立った。

いつの間にか若井の方が背が高くなってたことに、いま気付いた。


少しだけムカついた。

けど、屈託なく話しかけてくる若井に返事を返していたら、いつの間にかそんなこと忘れていた。


他人といる事をこんなに楽しいと思ったのは、生まれて初めてかもしれない。


これから始まる旅に、心が弾む音がした。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


今更ですが時空が行ったり来たりしてすみません。

読みづらくないといいんですけど。


これでも1度書いてから1/3位削ってるんです…


少しでも読みやすいといいな。



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コメント

2

ユーザー

めちゃくちゃ読みやすいです!!続きも楽しみにしてます!!

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