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ましゅのすけ🙄🩵@不定期
19
#初心者
ゆいぽん
772
おぼしずのしず
297
〇
123
「そういえばさ~、家、近いよね?私たち。」
下校途中。夕日に照らされた住宅街の道を二人で歩きながら、美鈴がふと思い出したように言った。
「そ、そうですね。同じ一方通行の道の上にありますし。」
それだけでも十分うれしい事実だった。好きな人と帰り道が同じ。それだけで、今まで何度妄想したかわからない。
「だからさ~、明日からもず~~~っと、一緒に帰らない?」
葵の心臓が大きく跳ねた。
毎日。
今、美鈴は確かにそう言った。
「ぜ、ぜひっ!喜んで!」
思わず食い気味に返事をしてしまう。
美鈴はそんな葵の反応がおかしかったのか、くすりと笑った。
「そんなにうれしいの?」
「うっ……そ、それは……」
言葉に詰まる葵。
うれしいに決まっている。
好きな人と毎日一緒に帰れるのだから。
だが、それを口に出せるほどの勇気はまだなかった。
気付けば、住宅街の見慣れた景色が広がっていた。
夕日はすでに低く、長く伸びた二人分の影がアスファルトの上を並んでいる。
「あっ。着いた~」
美鈴が立ち止まり、目の前の一軒家を指差した。
「葵の家の方が先の方にあるよね~」
「そ、そうですね。」
ここで別れる。
ほんの数時間前までは想像もできなかったことだが、葵は今日、美鈴と一緒に帰ることができた。
それだけでも十分幸せなはずだった。
「じゃ、ばいばい!」
軽く手を振る美鈴。
そのまま背を向けようとした彼女に、葵は慌てて声を上げた。
「…あ、あのっ…」
「ん~?」
振り返った美鈴が首を傾げる。
葵の心臓はうるさいほど鳴っていた。
せっかくできた機会だ。
もっと話したい。
もっと一緒にいたい。
そんな思いが、気付けば口を動かしていた。
「きょ、今日、うち、親いなくて…」
「ほうほう。」
美鈴は相変わらずのんびりした調子で頷く。
「良ければ、家、来ませんか?」
言い終わった瞬間、葵は自分の耳まで熱くなるのを感じた。
断られたらどうしよう。
そんな不安が頭をよぎる。
しかし。
「いいよ~!」
美鈴は驚くほどあっさりと答えた。
「へ?」
あまりにも即答だったので、今度は葵の方が間抜けな声を漏らしてしまう。
「友達の家って行ったことあんまりないし!楽しみかも~!」
にこにこと笑う美鈴。
その笑顔を見て、葵の胸は少しだけ高鳴った。
今日という日は、思っていたよりずっと特別な日になるのかもしれない。
コメント
1件
お疲れさまです、寺島あおいです。 今日の第2話、拝読しました。 「今日、うち、親いなくて…」の台詞、すごく良かったです。葵のドキドキした気持ちと勇気がぎゅっと詰まっていて、胸がきゅっとなりました。美鈴があっさり「いいよ~!」って返すところも彼女らしくて、読んでいて自然と笑顔になりました。 連載中とのこと、続きが待ち遠しいです。素敵なお話をありがとうございます🌷