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警視庁ゼロディヴィジョン —ZERO DIVISION—

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警視庁ゼロディヴィジョン —ZERO DIVISION—

3 - 第2話 カウントダウン72:封鎖された都市

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2025年10月26日

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第2話 カウントダウン72:封鎖された都市

午前8時10分。

東京・霞ヶ関。警視庁本部上空には、ヘリの旋回音が響いていた。

交通網は次々と封鎖され、都内主要道路には検問が設置されている。

“見えない戦争”が、すでに始まっていた。


会議室のスクリーンには、東京の地図が赤と青のラインで覆われていた。

氷室悠真は端末を操作しながら、眉をひそめる。

「交通網の遮断は都内20区に拡大。通信インフラも一部麻痺している。

……これは単なる爆破予告じゃない。首都機能を“停止”させるためのシステム攻撃だ」

「つまり、爆弾は囮か?」

神城蓮が腕を組みながら問う。

氷室はわずかに頷いた。

「その可能性が高い。だが問題は――」

彼はスクリーンを指差した。

「同時に、各地で“本物”の爆弾反応が出ている。

新宿、品川、渋谷、秋葉原……全て“人の集まる場所”だ」

黒瀬鷹真が低く唸る。

「爆破予告を餌に、都市全体をパニックに陥れるつもりか……」

「違う」

神城が静かに口を開いた。

「これは“選別”だ」

氷室と黒瀬が一瞬、視線を交わす。

「選別?」

「都市の要所、そして“避難経路”がすべて狙われてる。

つまり奴らは、人を逃がさせる気がない。……逃げた人間を“どこに導くか”まで計算してる」

沈黙が走る。

氷室の指が止まり、冷たい声で告げた。

「……となると、最終目的は“人質都市”だ。東京そのものを、交渉材料にするつもりかもしれない」


午前9時。

ゼロディヴィジョンの臨時司令室が設置された。

壁面には東京全域のマップ、サーモグラフィー、通信ログが並ぶ。

その中央で、神城たちは分担指令を受ける。

「氷室、お前は情報班として本庁に残れ。サイバー経路の追跡を続けろ」

「了解。ネットワーク経由でノクターンの痕跡を洗う」

「黒瀬、お前は現場へ。第一報は新宿西口地下駐車場だ。爆弾反応が複数」

「了解。突入準備に入る」

神城は深く息を吐くと、冷たい瞳でスクリーンを見つめた。

“残り時間:71時間12分”。

都市のカウントダウンが、確実に進んでいる。


現場――新宿西口地下駐車場。

コンクリートの壁に湿った空気がまとわりつく。

黒瀬は無線を耳に当てながら、ゆっくりと足を進めた。

「入口クリア。熱源反応、前方二十メートル」

氷室の声が無線越しに届く。

『カメラで確認。青いコンテナが三つ。どれかに爆弾が仕掛けられているはずだ』

「了解」

黒瀬は銃を構え、慎重に進む。

だが、その背後で。

――カチッ。

わずかな金属音。

振り返った瞬間、黒瀬の視界に“影”がよぎった。

「……ッ!」

次の瞬間、閃光。

白い光が視界を焼き、耳鳴りが響く。

倒れた黒瀬の目の前に、黒いフードを被った人物が立っていた。

顔を覆うマスク、そして胸元には見覚えのある紋章。

〈N〉──ノクターンの印。

「よく来たな、“ゼロ”。」

低い声。

男の手には、赤く点滅する起爆装置。

神城の声が無線越しに飛ぶ。

『黒瀬! 応答しろ! 何が起きた!?』

黒瀬は唇を噛み、銃を構え直した。

「……上等だ。やるなら、ここで止める」

“東京”を守る戦いが、ついに直接の火蓋を切った。

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