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「やばいこのままじゃ溺れてしまう!!」そう思っている間にも水の勢いは段々と激しさを増していった,まるで大きな蛇がのたうち回っているかのように水の力は強力だった,俺は水の力で体がバラバラになりそうになった、そして、鼻や口などの人間のありとあらゆる穴の中に水が勝手に入ってくる。俺の肺は濁っている水で満帆になった、
「く、苦しいぃ、誰か助けて……」
俺の意識は、深い深い闇の中へと暗転して言った、
「がはっっ!……ゆ、夢か?」
夢にしてはかなりリアルだった、本当に溺れ死んでしまうかと思った、俺の全身は、さっきまで海に入っていたかのようにびしょ濡れだった,俺はさっきの出来事が夢であったことを安堵して,ほっとため息を吐いた。
「おーい,隼也起きろー!速くせんと学校遅れるでー」
下の階から俺を起こしているのは、双子の弟の翔馬だ,俺は翔馬から言われて初めて時計を見た,時計の針はもう9時を回っていた。
「やば!!電車に遅れる〜!!」
俺は飛び起きて、目にも止まらぬ早業で一瞬にして着替えた、そして階段を駆け下りて戸棚から食パンを無造作に取り出し1枚口に咥えた、
「行ってきます!!」
俺と翔馬は、猛ダッシュで駅まで行った…
「翔馬もっとはやく走って,遅れるぞ!!」
「分かってるって,話す暇があるなら,お前もさっさと走れよ!」
電車が出発する時間が一刻、一刻と迫りつつある,俺はこれ以上にスピードが出ないくらい本気で走った,急いで改札を通して,電車に飛び乗った,ギリギリで電車に乗ることができた。
「あっぶねー,もう3秒でも遅れてたら乗車できないところだった,」
俺は普段動かさない体を酷使させたから息切れが止まらなかった,
「でも,結局間に合ったからいいんじゃね」
「それも,そうだな」
俺と翔馬は,汗を拭きつつ空いてる席に座った。
俺がスマホをいじっていると,スマホから緊急地震速報が鳴り響いた,あちこちからも鳴っている,すると電車が止まった,
〔えー、ただいま緊急地震速報がありましたので,緊急停止いたしました。非常に揺れが強い可能性があるので,近くの手すりをしっかりと掴んでください。〕
「えー,嘘だろ遅刻しそうになった次は,地震か,今日の俺らとことんついてねぇな」
「それな笑、翔馬,手すりをしっかり掴んどけよ」
俺と翔馬が地震に身構えるとすぐに地震が来た、
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
その地震は俺の予想を遥かに超えてめちゃくちゃ大きかった,まるで,地面のすぐ下で,大きな魚が暴れているようだった俺は座ることも出来なくなり床にほっぽり出された,
「う,うわあぁぁぁぁー!!」
およそ時間は体感にして,大体50秒くらい揺れた,揺れが収まって俺は立ち上がった,そして俺は,窓の外の景色に目を疑った,
「おい,隼也さっき地面に倒れたけど大丈夫か?怪我はしてないか?」
「ああ,なんともない,それよりもさっきの地震すごかったなお前こそ大丈夫か?」
互いに互いの安否を確認して,もう一度窓から外の景色を見た,家は崩れ,道路はひび割れ,あちこちに火災が起こっている,あまりにも酷い町の姿だった,
〔えー,先ほどの地震で,海上に非常に大きい津波が発生しました。乗客の皆様は,駅員の指示に従って避難してください、〕
アナウンスが鳴り終わってから、前の車両から駅員さんが出てきた,そしてドアを開けて,降りるように指示した,俺はそこで辺りの人たちの顔を見た,大体の人が恐怖で怯えていた,その中には,怒ってる人,泣いてる人,何故だか笑ってる人がいた,
俺達は,一番近い避難所に行くことになった,
「大丈夫だ翔馬,俺が一緒にいるから大丈夫だ,」
「うん」
俺は先ほどから恐怖で震えている翔馬に声をかけた,俺だって本当はめっちゃ怖い,けど俺が怖がったら翔馬はもっと怖がる,だから俺は平気なふりをした,
そこでまた速報が鳴った今度は揺れが弱かったするとみんなは我先へと助かるために走り出した,俺らは離れないように手を握ろうとしたが間に合わず,俺らはごった返す人波に飲み込まれて、別々になってしまった、
「翔馬!」
「隼也!」
一通り人波が移動した後には翔馬はいなかった,多分さっきの人波に飲み込まれて連れ去られてしまったのだろう,俺は翔馬を追いかけるために人波が向かった方向,避難所に行くことにした。
するとまた速報が鳴った,2回目の地震と同じくらいの地震だったが,度重なる地震の影響で辺りの建物はだいぶ脆くなってしまった,そのため周りの建物が崩壊していく,俺は崩れていく建物を注意しつつ移動していると,頭に衝撃が走った,頭に何かが落下したのだ,しかも打ち所が悪く俺はそこで倒れてしまった,意識もだんだんと遠のいていった,
「隼也!隼也!おい!起きろ!!」
「はっっ!」
「やっと起きた、どんだけ心配したと思ってんだ?」
「ごめん,ごめん」
「人波に飲み込まれてバラバラになってお前を探してたら倒れて見つけてしかも頭から血が流れていて、お前が生きてて本当によかった」
泣きながらそう言ってきた翔馬は俺を力強く抱きしめた,俺は翔馬の頭を軽く撫でた、
「ありがとう,はやく津波から逃げるぞ」
「うん」
翔馬は素直に頷き翔馬と共に避難所を目指した、俺は多量の出血と疲労でフラフラしていた。
避難を初めて5分くらい経っただろう,また地面が揺れた,だが,先ほどの地震とは違う揺れ方だった,何かが近づいてくるような揺れ方だった,その何かが近づいてくる方向を見ると,墨汁のように黒ずんで濁った水がものすごいスピードで迫ってきていること分かった,
「チッ,もう津波は来たのか!,翔馬、俺の手を離すなよ!!」
俺は急いで翔馬の手を握った。津波はあっという間に来て俺らのことを飲み込んだ
「ゴゴゴゴゴ,ドッパーン!!」
「ゴホッ、しゅ,隼也…た、助けて」
水の音に混じって翔馬が助けを求めている,俺は繋いでいる手を意地でも離さなかった、
黒ずんで濁った津波は渦を巻いて,俺らを水中へと引き込んだ,
「やばいこのままじゃ溺れてしまう」
荒れ狂う津波は俺ら兄弟を離れ離れにした,津波という強大な力を前にして俺ら兄弟の手はちっぽけなものに過ぎなかった,だんだんと津波は勢いを増していき,俺の手足が引きちぎれそうになる程強烈だった,体の穴という穴から水が入ってきた,俺の肺はどす黒い水で満帆になった,
『…あ,これ本当に死ぬやつだ…』
俺はしに間際に走馬灯を見た,翔馬との思い出,学校での友達,親との思い出,学校での思い出,ピクニック,家族旅行,そして今日の夢のこと。
『翔馬に最後会いたかったな,あぁ,彼女欲しかったな,もっと人生楽しんどけばよかった…』
俺の意識はドス黒い津波に飲み込まれていった。
「うぅ,ここはどこだ?」
次目覚めたら,木陰の下にいた,あたりを見回してみると,砂浜があり、丘があり,蝶々が飛んでおり,雲一つない広々とした青い空があった,
『あれ?さっき津波に飲み込まれて死んだかと思ったのに,津波はどこにいった?そしてここはどこだ?』
ここはとても綺麗で,さっきの津波が嘘のようだった
「おぉ,起きたか少年,死んでるかと思ったわい」
ふと声のある方向に振り返ると,麦わら帽がチャームポイントのゴツい爺さんがいた,
「浜辺を散歩中に,人が倒れておってな,急いで駆けつけたらお主が倒れておったは,いやぁー生きていてよかったわい」
どうやら,お爺さんが俺のことを助けてくれたようだ,それにしてもここは,人工物が一切ない,此処はどこかを聞くことにした、
「お爺さん,此処はどこなんですか?」
「ここか?ここはキアム浜辺じゃぞ,魔法帝国ラズガルドの領地の南の3番目の島じゃ,そういえばお主はどこから来たんじゃ?」
「日本の両塚町からきました。」
「ワッハッハッハッハッハッハ」
お爺さんはいきなり笑い出した,俺はなんなんだコイツ?と思った,お爺さんは一通り笑い終わった後,俺にある事実を教えてくれた,
「お主は冗談が上手いのうニホンはもう随分と前に滅んだ国じゃぞ,」
「えっ,日本が滅んだ?それは本当ですか?」「ああ,本当じゃぞ,北極の悪魔が住み着く国に喧嘩を売って,ボコボコにされたぞ,海に沈められて今はもう海底神殿となっているだろうがな,ガハハハ」
お爺さんは愉快に笑いながら,語った,まるで昔の武勇伝を話しているみたいだった、
『日本が滅んだのか?,いや待てよ,そもそも魔法帝国ラズガルドとかは前に聞いた事が無かった,それに悪魔?何言ってんだこの爺さんなんか胡散臭いぞ』
「なぁ,爺さん」
「なんじゃ?少年」
「魔法帝国ってことは魔法とか使えるのか?、悪魔が住み着く国があるってことは悪魔がいるって事か?」
「ああ,もちろん使えるぞ,そして悪魔もいるぞ,なんじゃお主,今まで魔法も悪魔も見たことがないみたいな言い方しよって,まるで流界人みたいじゃな,」
「流界人?なんだそれ?」
「流界人と言ってな,別の世界から召喚、もしくはなんらかの影響でこっちの世界にきてしまった者のことを指すんじゃ」
俺はこの言葉を聞いて,100%確信した,もしこの爺さんが言っていることが本当ならば,
俺は異世界に来てしまった。
しかも俺は流界人と言うそうだ。