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#妄想
memi(めみ)
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とう🈂️🔥
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「……勇斗。」
「まーたここで吹いてたの?今日はなんの 曲?」
「今日は今度のコンクールの自由曲」
静かに淡々と事実を伝えてくる仁人は、俺の唯一の幼馴染。俺が小2の時、鹿児島から東京に引っ越して来て以来の仲だ。かれこれ10年共にいる。 出会った当初は内向的な仁人と、外交的な俺、というなんとも対照的すぎる構図で親たちもたいそう心配をしていたが、好きなマンガやゲームが同じで意気投合し、なんでも言い合える仲になれた。
「最近仁人よくここで練習してるね」
「うん。もうすぐオーディションだから」
「仁人なら余裕でしょ!」
「…そんなことないよ。」
まただ。こいつはすぐ謙遜する。実際、これまでのコンクールで何度も選ばれて何度もソロを任されているのに…この自分に対する厳しさはどこから来ているんだろうか。
「さっきめっちゃ上手かった。聴き惚れたよ」
「まだまだ。今年入ってきた1年がすごい上手なんだよ。このままだとソロ吹ける気がしない」
何たるストイックさだ。サッカー部の俺からしたら全部上手く聞こえてしまうが、きっと仁人の中では納得いっていないんだろう。
「まあそういうとこも好きなんだけどね…」
「なんか言った?俺練習していい?」
「…なーんも言ってないよじんちゃん。俺ここで聴いてていい?」
「いいけど…勇斗部活は?」
「サボり」
「はあ!?お前仮にも部長だろ!?」
「仮ってなんだ仮って!!」
…あー危なかった。ポロッと本音が。何とかごまかせて良かったけど。普段からうさぎみたいに繊細でハートがちっちゃいのに、オーディション前でさらに小さくなってる時期に言うもんじゃないよな…。ナイスリカバー、俺。
「どーせ聴くなら感想ちょうだいね」
「えー俺耳肥えてないんだけど…」
「何言ってんの」
「勇斗はずっと俺の音だけ聴いてきたんだから、違い、わかるでしょ?」
やけに大人びた微笑みでこちらを見る仁人。
……こいつ!!必死に人が恋心抑えてる時に爆弾落としてくじゃんか!!その微笑み方やめろよ!!
「吹くよ。俺の音だけ聴いてて。俺だけ見てて。」
ああ、もう。必死に抑えてる自分がバカみたいだ!!
コメント
3件
「吹くよ。俺の音だけ聴いてて。俺だけ見てて。」!わ〜、黄色さん独占欲出してきましたね🤭 階違いの廊下で、モブにもならない、ふと立ち止まる少女Aで良いので、トランペットの音に耳を傾けたい!!
うわあ、仁人の「俺だけ見てて」って台詞、反則級にずるいですね…!勇斗が必死に恋心を隠してるのに、仁人の方は無自覚にグイグイ来るから、読んでるこっちがドキドキしました。10年一緒にいる幼馴染だからこその距離感と、その中で滲む「隠せない想い」がすごく丁寧に描かれていて、続きが気になります!