自分自身の過去話に一段落が着いた時に、ふと、顔に本を開いたまま乗せてスースーとリズムの良い寝息を立てている鈴華さんを見ました。
「まだ寝ていらっしゃる」
もう日はとっくに暮れて、辺りは紫色に染まっています。
ふと、カバンの中から一枚の招待状を取り出しました。
明後日、欧華さんの家にある温室で夜のお茶会を開くそうで、そのお茶会に私も招待されました。
「明後日は満月でしたね」
満月を見ながらお茶会をするなんて、きっとロマンチックでしょうね。
カウンターにお金を置いて鈴華さんの運営する古びた木造のカフェを後にしました。もう、アカノのコンサートは終わってるみたいです。コツコツとヒールの音を響かせながら、お茶会に着て行く服はどうしようかな、なんて考えながら出張の為に借りているアパートへ私は帰って行きました。
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