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はいどうも莉月です!!
今日は七夕ということで、学パロ×七夕で書いていきます
※バトエンです
⚠️
年齢操作あり
⚃(高校2年)『』
⚄(高校2年)「」
パクリ❌
アンチ❌
七夕の夜は、いつも雨が降る。
「織姫と彦星、会えなかったんやろうな」
そう言ったのは、クラスメイトのまろだった。
俺、高校二年生。まろとは一年の時に同じクラスで仲良くなり、それからずっと一緒に帰っていた。特別な関係じゃない。でも、俺はずっと、彼のことが――好きだった。
「来年こそは晴れるとええな。天の川、ちゃんと見てみたい」
『そうだね、来年こそは…』
そう答えたけれど、俺はその時何も知らなかった。
まろが、この七夕の日を、どれだけ待っていたのかを。
――あの日、彼が突然教室に来なくなったのは冬だった。
インフルエンザでも風邪でもない。病気なんだって、誰かが言っていた。
春になっても、彼は戻ってこなかった。
心配だった。でも、怖くて連絡できなかった。
それでも、七月が近づくにつれ、ふと彼の言葉を思い出してしまう。
「来年こそは、晴れるとええな」
「天の川、ちゃんと見てみたい」
七夕の前日、俺は思い切って彼の家の前まで行った。
家の灯りはついていたけど、インターホンを押す勇気が出なくて、帰ろうとしたその時。
「ないこ?」
振り返ると、そこにいたのは元々細身だったのがより痩せてたけれど、確かにまろだった。
『久しぶり。明日、七夕だよ』
そう言って笑う彼は、あの頃のままだった。でもどこか、透き通るような儚さがあった。
「せやね。じゃあ天の川一緒に見に行こうや。明日、晴れるって天気予報で言ってたし」
俺はうなずいた。約束を破るわけにはいかないと思った。
きっと、これが最後だと、本当はどこかでわかっていたか…。
七月七日、空は雲ひとつない快晴だった。
俺たちは、川沿いの土手に座って空を見上げた。
街の光から少し離れたその場所には、本当に天の川がかかっていた。
「すごい…ほんまに、見えるんやね」
『まろが見たいって言ってたから、晴れてくれたのかもね』
「んふっ、嬉しい…」
彼は、手のひらをそっと伸ばして、星を掴むように空を見つめた。
「ないこ?」
『ん?』
「来年も、また一緒に見られるかな…」
その言葉が、胸に突き刺さった。
「もちろん、見よう。何十年先だって…」
言いながら、手を握った。細くて、冷たい手だった。
「…約束やで」
その笑顔を、俺は一生、忘れない。
七夕が終わった数日後、彼が亡くなったと聞いた。
天の川を見たあの夜が、最後だった。
クラスのみんなが泣いていた。俺も、泣いた。
でも、不思議と、後悔はなかった。
あの夜、手を繋いで、天の川を見たから。
あれが、俺とまろの、たった一つの恋の終わりだった。
七月七日。
毎年、俺はあの場所で空を見上げる。
そして、そっと呟く。
「まろ、ちゃんと見えてるか? 今年も、星がきれいだよ」
1500文字
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