保健室のドアを開けると、
どこか静かで、
綺麗すぎるくらいの空気が広がっていた。
白いベッド、カーテン越しの淡い明かり。
だけど、保健の先生の姿はどこにもなかった。
滉斗『…いないのか』
若井が呟く。
壁には“本日出張”の張り紙がしてあった。
滉斗『横になろう、ほら、こっち』
若井は僕の腕をそっと支えて、
一番奥のベッドまで連れていく。
僕は言われるまま寝転がると、
冷たいシーツが心地よくて、
少しだけ体が楽になる。
滉斗『大丈夫?頭、まだ痛む?』
若井がベッドの側にしゃがみ込み、
僕の顔を覗き込む。
かすかに髪がゆれる。
真剣な瞳が、まっすぐ僕を捉えていた。
元貴『…うん、ちょっとだけ、でも、
なんか……ほんと、ごめん、』
自分でもわからない涙がまた滲んでくる。
せっかく我慢しようと思ったのに、
若井の一生懸命な優しさに触れたら、
心がふっと緩んでしまった。
滉斗『なんで謝るんだよ、』
若井は静かに、手を僕の髪に添える。
滉斗『頑張りすぎなんだよ、元貴』
それだけで、また喉の奥が熱くなる。
元貴『…ごめん……ごめん、
こんなに迷惑かけて……』
滉斗『なんで元貴が謝るの、』
言いかけて、ぎゅっと涙がこぼれる。
我慢していた想いまで一気に崩れて、
僕は小さく体を震わせた。
元貴『……っもう、嫌だな、
僕…どうしても、うまくやれなくて…』
涙を止めようとしても、
ふいに大きな手が僕の頭を優しく撫でてきた。
滉斗『上手くやんなくていいよ、
俺、元貴が泣いてるときも、弱いときも、
全部そばにいるから、』
弱く、でも力強い声だった。
若井の不器用な温もりに、
今まで張り詰めていた心が、
じんわりと解けていく。
元貴『ありがと、若井……』
滉斗『気が済むまで泣いていいから、
ここ、先生いないから誰にも見られないし』
そう言って若井はぎこちなくガーゼと
水を持ってきてくれた。
冷たいガーゼを額に当ててくれる手が、
すこし震えてる。
それすらも、胸がくすぐったくて、
僕はまた子供みたいに、
声を殺して泣いてしまった。
若井は、何も言わずにずっとそばにいてくれた。
白いカーテンの向こうで、
世界のすべてから切り離されたみたいな、
静けさの中、
ただ若井の手の温もりだけが、
ぼんやりと体を包んでいた。
好きだな、やっぱり…
こんなとき、どんなときも、
そばにいてくれる若井のことが…
涙が落ちて、しばらくしてようやく、
自分の呼吸が少し楽になったことに気づいた。
小さな救いの午後だった。
たくさん♡押してくださり、
ありがとうございます!😭💞
めちゃめちゃ励みになります…!🥹✨
今の所このお話は68話まであります!
68話1部分だけ見せちゃおうかな😗
これ見ると分かりますね?😎
ヤりました
楽しみにしててね😉
55話を超えると、
結構あれなものがたくさんございます!
(分かりますね?😎)
まだまだ書き足していく予定なので、
よろしくお願いします!!!😚💕
コメント
7件
え、68話もあるんですか!?最高過ぎる!!!!これから、毎日が楽しみになります!!!!
え、68話って何話ですかwwwwwwwwていうか今16話であってます?wwwwwwwwwwwwwそんな馬鹿なと思って2度見超えて5度見ぐらいしちゃいました😂逆に言うと主さんのストーリーあと約50話分は見れることが保証されていると…ふむ👀✨️めっっちゃ楽しみです☺️くれぐれも(書きすぎで)指の負傷にはお気を付けて、応援してますw🔥