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コメント
2件
転生系の漫画待ってました すごすぎます ラスボスが気になりすぎる
今回も面白い作品ありがとうございます( * ॑꒳ ॑*)
【あらすじ】
前話では、志村レンが異世界にスライムとして転生し、最弱の姿で森へ追放された。飢えに耐えきれず、小動物を捕食して進化する“捕食”スキルを手に入れ、生きるために動き出した。
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【本編】
小さな青白い体は、森の落ち葉に埋もれそうだった。
志村レン──いや、もうレンという名を名乗ることすらためらわれる存在。
体はただの粘液の塊。口も目もない。ただ意識だけがかろうじて残っている。
しかし、腹だけは減る。
「……くっ……腹減った……」
体を動かすと、ふわふわと地面を跳ねた。
何かを捕まえなければ、生き延びられない。
そこで見つけたのは、小さなドブネズミだった。
レンは本能に従い、真っ先にぶつかっていく。
“捕食”というシステムのような感覚が体中に走った。
ズルッと、ドブネズミの体液が体内に吸い込まれていく。
体が熱くなる感覚。粘液の中で何かが変わっていく。
スキル画面のように、脳内に文字が浮かんだ。
《スキル習得:捕食Lv1》
《能力上昇:感覚強化》
「……これが、進化ってやつか?」
食べた分だけ、体が大きく、そして賢くなっていく。
レンは初めての感情を覚えた。
――生きるための喜びだ。
その夜、レンは薄明かりの中で思った。
「俺は……このスライムで、生きていくしかないんだな……」
硬直していた心が少しずつほぐれていく。
こうして、最弱スライムの“捕食進化”の物語が始まったのだった。