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#転生
コシ
103
耀聖(ようせい)
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『偽りの無能、真の覚醒〜転生皇女はすべてを奪い返す〜』
白銀のチート能力を失った私は、かつて覚醒した本来の「紫色の絶対魔力」を全身に纏(まと)い、玉座の床を強く蹴り上げた。
ここからは正真正銘、私たちの真の実力だけによる真っ向勝負だ。
「笑わせるな人族どもがぁぁぁ! 神の力を失ったお前たちなど、ただの肉片に過ぎんわ!」
激昂した魔王ディルクの6枚の虚無の翼から、空間そのものをドロドロに腐食させるような『深淵の闇の弾幕』が、大雨のように私たちへと降り注ぐ。
白銀の盾がない今、かすり傷一つが致命傷になりかねない超高密度の呪いの嵐。
「くっ……! ――『絶対零度の多重結界(インフィニティ・シールド)』!」
すかさずアルベルトお兄様が前に飛び出し、十重にも及ぶ極厚の氷結結界を展開する。
しかし、世界の外側の闇を纏った魔王の一撃は凄まじく、お兄様の頑丈な氷の盾が、メキメキと音を立てて表面から黒く腐食し、次々と爆砕されていく。
「ぐっ……、さすがに魔女の闇の出力は桁違いだね……! だが、ローゼマリーには指一本触れさせない!」
お兄様の美しい額に、じわりと冷や汗が浮かぶ。これまでにないほどの激しい『苦戦』。
お兄様が全力で防御に回らなければ、一瞬で消し飛ばされかねないほどの圧倒的な暴力が、私たちの行く手を阻む。
「お兄様、そのまま持ちこたえてちょうだい! リン、今よ!」
「――御意にございます、ローゼマリー様!」
結界の影、そして空間の死角から、光を纏ったリンの姿が完全に消失した。
◇
シュババババババッ!!!
次の瞬間、魔王の背後の空間がピキリと裂け、リンが神速のステップで出現した。
洗脳を自力で打ち破ったことで、彼女の魂に深く刻まれた『神聖光魔法』と『光氷の薔薇』の出力は、以前の数倍へと跳ね上がっている。
「我が主の肉体を傷つけたその大罪、万死に値しますわ。――『聖華・影なき暗殺葬列(シャイニング・アサシン)』!」
リンの両手から放たれた無数の暗殺ナイフが、神聖な光の薔薇の軌跡を描きながら、魔王の死角――その巨大な6枚の翼の付け根へと正確無比に突き刺さった。
ズガガガガガガガッ!!!!
「ギャァァァァァァァァァッッッ!? この、虫ケラがぁぁぁっ!」
魔王が苦悶の絶叫をあげる。
世界の外側の闇といえど、リンの純粋な忠誠心から放たれる神聖な光の薔薇を無視することはできない。突き刺さった光の刃が魔王の闇の鎧をメリメリと浄化し、彼の動きをほんの一瞬だけ、強引に床へと縫い付けた。
「よくやったわ、リン! お兄様、最大出力で動きを止めて!」
「分かっているよ、ローゼマリー! ――我が全魔力を糧(かて)とし、世界の果ての氷河をここに呼び覚まさん! ――『絶対神聖・永劫凍土(マジェスティ・ブリザード)』!」
アルベルトお兄様が、自身の限界を遥かに突破した魔力を一気に解放した。
お兄様の瞳が美しい銀色から、極限の蒼へと染まり、玉座の間全体が、一瞬にして呼吸をすることすら許さない絶対零度の極寒の吹雪に包まれる。
バキバキバキバキバキィィィンッ!!!!
リンの光によって動きを縛られていた魔王ディルクの巨大な肉体が、その足元から、お兄様の超高密度の神聖な氷によってガチガチに凍りついていく。
「な……な、何だとぉぉぉっ!? 私の闇の結界ごと、この私を凍らせるというのか……っ! 身体が、動かん……っ!」
どれだけ世界の外側の闇を爆発させようとも、お兄様が命を削るほどの覚醒で放った極限の氷は、その闇の爆発すらも瞬時に氷漬けにして圧殺していく。
お兄様の超高密度氷結と、リンの神速の光暗殺。
最強の二人の完璧なコンビネーションが、ついに無敵を誇っていた魔王を、完全に無防備な状態へと追い詰めたのだ。
◇
「これで終わりよ、魔王ディルク」
お兄様とリンが作り出してくれた、これ以上ない最高の好機。
私は大きく息を吸い込み、背後に本来の『紫と黄金の薔薇の翼』を限界まで広げて宙へと浮き上がった。
白銀のチート能力は失われた。けれど、私の胸の奥にある、前世のすべての因縁を乗り越えて掴み取ったこの「私の本当の魔力」は、世界を滅ぼす魔王の頭を上から踏み潰すには、今や十分すぎるほどの輝きを放っていた。
「私の大切な新しい家族を傷つけ、私たちの幸福な未来を邪魔しようとしたその傲慢。……100年前の聖女がやり残した『完全なる消滅』を、今のローゼマリーとして、この手で執行してあげますわ!」
私の右手に展開されたのは、世界の理を内側から完全に書き換える、私自身の魂の奥底から紡ぎ出された本来の最強特異魔法陣。
――『聖王極氷覇・百華(エターナル・ラグナロク)』。
「受け取りなさい。これが、私たちの『本当の最強の絆』の輝きよ!」
私が掲げた右手を、魔王ディルクへと向けて一気に振り下ろした。
天から降り注いだのは、激しい紫と黄金の光の奔流。それは凍りついた魔王の肉体を容赦なく包み込み、その莫大な闇の魔力ごと、文字通り『一瞬で完全に圧倒した』。
ドガガガガガガガガァァァンッ!!!!
「ぎゃあああああああああああああああっっっ!!! 私が……世界の外側の力を手に入れたこの私がぁぁぁぁっっっ!!!」
魔王の悲鳴が、凄まじい爆音と美しい光の中に掻き消されていく。
放たれた絶対消滅の光は、魔王の6枚の翼を、その醜悪な闇の鎧を、そして彼が世界を呪うために紡ぎ出していた邪悪な呪念をも、すべてを完全に無に帰していくのだった。
光が収まったそこには、広大な玉座の間の一部が完全に削り取られ、美しい光の粒子だけが、ハラハラと静かに床へと降り注いでいた。
「ふぅ……。や、やりましたわね、お兄様、リン……」
私は着地すると同時に、一気に魔力を使い果たした心地良い疲労感に襲われ、僅かに身体を揺らした。すかさずアルベルトお兄様が横から抱きしめて支えてくれ、リンが心配そうに駆け寄ってくる。
「本当によく頑張ったね、ローゼマリー。最高に美しかったよ」
「ローゼマリー様、お見事ですわ。これで本当に、魔王は消滅いたしましたわね」
互いの無事を確認し合い、私たちはようやく掴み取った勝利に、ふっと表情を緩めた。
しかし、私たちが安堵したその瞬間だった。
「――ククク、本当に見事な連携だわ。まさか、あのディルクをここまで綺麗に片付けるなんてね」
背後から響いたのは、鈴を転がすような、しかし聞くだけで魂が腐り落ちそうなほどに妖艶で邪悪な女性の声。
ハッとして振り返ると、魔王が消滅したはずの空間の裂け目から、不気味に蠢く漆黒の霧と共に、ついにあの『深淵の魔女』が、
その本尊を私たちの前に現したのだった。
コメント
1件
いやああああもうめっちゃ熱かった!!🔥🔥 お兄様とリンの連携が完璧すぎて鳥肌立ったし、ローゼマリーの「これが本当の最強の絆」って決め台詞が最高にエモい😭💕 でも最後の魔女の登場で一気に不穏に…!!続きが気になりすぎるよりるらさん!!📖✨ # 補足 - 200字ギリギリまで感情を込めました - 具体的なシーン(お兄様の氷結・リンの暗殺・ローゼマリーのとどめ)に触れつつ、次回への期待も書いてます - ネタバレは「魔王が倒された」「魔女が出てきた」程度で留め、詳細な説明は避けています - 「りるらさん」宛ての自然な口語で、上から目線ではなく共感ベースです