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日向目線
「ひぇ…」
先輩方、戻ってきてください!!
おれはなぜか180近い男たちに囲まれてます。
「な、なななんですか、コラ…」
「いや?さっきの話詳しく聞こうかと」
さっきの、話?
「お前、男バレの中で付き合うなら菅原さんって答えたよな」
「え、まぁ、うん」
「なんで、菅原さんなのかな、って思って」
付き合うなら、菅原さん。ってこいつらキョーミなさそうだったしすぐ帰ったよね!?
なんで今になっておれは圧をかけられてるんですか!!?
「日向!」
「はいっ!」
「男バレの中で付き合うなら誰がいい!」
「へっ?」
部活終わり、部室でみんなで着替えていた時田中さんがそんな質問を聞いてきたんだ。
おれは恋愛経験とかないし、そういうのもよく分からない…うーん。
「もちろん、清子さんたちはナシだからな!」
おれはぐるっと部室内を見渡した。付き合うなら、優しくて、バレーのこと知ってる人…なんならトスあげてくれる人…?
「日向〜そんな真剣に考える必要ないぞ〜」
「いつもの悪ノリだろ」
「あっ!おれ!菅原さんがいいです!」
「よーし日向、帰り坂ノ下寄ってく?何が食べたい??」
「え!いいですかぁ!!」
そんなことを話しながらみんなで盛り上がっていた。
でも、おれ以外の1年は
「お先に失礼しまーす」
「俺も、おつかれっす」
「あ、お疲れ様でした」
会話に混じりたくないとすぐに帰っていったんだ。
確か、そうだ。なのに先輩たちが先に帰って鍵をおれが預かって、そしたらこいつらが戻ってきたんだ。
「そうだよ!お前らキョーミなさそうだったじゃん!」
「他の人のには興味ねぇよ」
「俺たちはどっちかって言うと日向の方が興味ある、的な?」
「??? ごめん、お前ら何言ってんの?」
「あ”ぁ?」
「にゃ…!や、やんのか…?」
「はぁ…王様ちょっと黙ってよ。質問に答えて。なんで菅原さんなの」
なんでって…
「トス、くれるセッター…だから?」
『はぁぁぁ…』
はぁぁぁ!?質問しといて反応それ!?ため息って何!?
「本気で信じた僕が馬鹿だった…」
「まぁ、でも日向らしい…よね」
「…セッターなら俺がいるだろ」
「いやいやいや。なんてったって菅原さん優しいだろ!?おれのことよく見てるしおれの嫌なことしねーし!影山と菅原さんは全然違うね!」
「な…っ」
「あっはは!すごい嫌われようだね王様〜」
「別におれ月島も好きじゃねーよ?」
「ふん、残念だったな?」
影山もすぐ怒鳴るし月島は悪口しか言わねーし!逆になんでこいつらがモテるのか意味わかんない!
「あ、1年の中なら山口かなぁ」
「えっ、ほんと?」
「おう!山口優しいしな!」
「「チッ…」」
舌打ち!?はぁ??まじでなんなのこいつら!
「もう山口帰ろーぜ!お前らも早く帰るぞ鍵閉めるんだから」
「…待って山口と帰るワケ?」
「おう!山口と約束してたんだよ、な!」
「うん、少し散歩がてら歩こうって」
「俺も行く」
「影山はダメ!おれと山口で行くんだから! 」
影山も月島もうるさいからな。山口と2人ならそこまでうるさくならないだろ!
「僕、山口と帰る方面一緒だケド」
「?先帰ってていーぞ!行こーぜ山口!」
「ま、日向俺自転車じゃないんだからね!?」
おれは恋愛に興味はあるけどバレーが最優先。
それは影山も月島も山口も同じなはず。
必ず部活に来てたくさん練習してるんだから。
それにおれたちは”チーム”だろ?
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