テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
主/
どうも 毎度おなじみの 食器用洗剤と申します 。名乗らなくても 皆さんの日常生活に 割り込んで入る名前をしているので もうそろそろ覚えてもらえてると思います 。が 、私は 自己紹介をしますよ 。
今回のお話は 、上 ,下 で 構成したいと思います 。
みなさんは 、“ あの夏が飽和する ” と 言う曲を ご存知でしょうか 。
勿論 小説で見た事あるよ ー ! と 言う方と 曲だけだけど 聞いた事あるよ ー ! って言う方 結構いるかと思われます 。
賛否両論 が あるとは 思いますが 、今回 その
カンザキイオリ様 の “ あの夏が飽和する ” を 題材に 私なりの解釈で 物語を 書きたいと思います 。
歌詞のフレーズ を ところどころ 織り込んでいますので 、歌詞バラバラじゃね ? と思っても 目を瞑ってください 。
私事ながら 、小説を 読んだこと 無いので 、どういう感じで 展開が進んでいくのか 分かりませんが 、その辺 は 、暖かく見守って下さい 。
それでは 、ここまで見ていただいた方 地雷がなければ そのまま 《 上 》 を 、お楽しみください 。
《 題材 》
カンザキイオリ様 より
あの夏が飽和する ____ .
これは 二次創作 ,曲パロ であり
御本人様とは 関係ございません 。
アニコブ 捏造 , 高校生設定
fw / 「」 , 心の声 ()
hr / 『』 , 心の声 《》
いじめっ子 Aくん ( 隣の席 ) / 〈〉
これは 、
まだ俺達が 若くてふざけ合っていた頃の話 。
ミーーン ミン ミン ミーーン …
「 外 あ゛っち゛ ーー 、 甲斐田ァ 飲みもん買ってきて えーっと モンエナな ー 」
『 僕が 、頷くか頷かないかの前に もの頼むの
やめてくださいよ !!? 』
「 にゃはは 、い ー じゃん 」
『 嫌です 、僕は このクーラーの効いた 教室にいるんで ! 』
こんな 他愛の無い話を 、蝉の鳴く日にしたのを 良く覚えている 。
甲斐田と出会ったのは 、始業式の時だ 。行きたい高校もなく 、ただ近くの学校を 選んだ 。
校長 、来賓祝辞 、生徒会長 … どの話も 少し長く 退屈だった 。退屈だった故に 目線を同じクラスメイト 、他クラスに 移した 。すると 、人目引くような 綺麗な銀髪に 綺麗な明るい青い瞳 … 綺麗な横顔に
目を 奪われた 。
名前を知りたくて仕方なくて 、始業式が終わり 学年ごとの 説明的な物を 終えると 、すぐにその銀髪を探した が 、背が高く いとも簡単に 見つけ出せた 。
「 おい ! 」
と 叫ぶように呼ぶが 、どうやら彼は気が付いていない 。だから ズンズンと 近寄って行き 、手を引いた 。
「 お前に言っとんの !! 」
『 … え !? ぼ 、僕ですか !? 』
「 お前以外に 居らんやろ ! 」
『 いや 、他に人たくさん …… 』
「 うっさい ! お前 名前なんて言うん 」
『 … 唐突な人ですね 、 僕は 甲斐田です !
甲斐田晴 !』
「 …… 甲斐田晴 、甲斐田な 」
『 初対面から呼び捨て !? まぁ 、いいですけど で 、貴方は 、? 』
「 不破湊 な 、よろしく 甲斐田 」
『 不破さん ですね ! よろしくお願いします ! 』
これが 、甲斐田との出会い 。初めて名前を聞いた時 彼の瞳に ぴったりな名前だと 思った 。彼の瞳は 曇りなき眼で 、晴天のように綺麗だった 。
そこから 月日が経って 、春が過ぎ 夏になった頃の話 …… 。
甲斐田から “ あの言葉 ” を聞くまで 、いじめにあっていたことを 、不破は 知らなかった 。
〜 ある夏 の 放課後 〜
空の端が 赤色に 染まっていく頃 、帰宅時間になり 皆が部活 や 帰宅の準備をして 帰っている頃 。
甲斐田が 血相を変えて 、教室に入り 不破の元に来た 。不思議な行動に 不破はその時 戸惑い どうした ? と 問う前に 甲斐田が 口を開いた 。
『 ふ 、不破さん … 僕 、僕 ……… 、 』
____ 人 、殺しちゃった … _______
「 …… は 、? 」
『 ごめ 、ごめんなさい … ごめんなさぃ゛』
目の前で甲斐田は 、泣き崩れた 。高校生にしては 事が大きすぎたのだ 。人の命を奪ってしまった その事実には変わりない 、目の前で泣く彼は 夏が始まったばかりと 言うのに 震えていた 。
「 … 何があったん 。 」
冷静な声で 不破は甲斐田に問う 、焦りを通り越して 冷静になっていたのだ 。甲斐田の背中をさすり 宥めると 重々しく 甲斐田は口を開いた 。
『 ぼ … く 、隣の席の人に ずっと …… 始業式 終わってから 、弱虫そうだからって … 虐められてたんです 。 』
「 ……… うん それで 、? 」
『 それ 、で … また 今日も虐められるんだって 思っ ……… たら 、嫌になって 、肩を突き飛ばした 、ら … 机の角に 後頭部を思いっきり 、ぶつけた見た …… いで 、 』
「 うん 。 」
『 動か 、なくなって゛…… それ 、で 息も … 』
「 …… 。 」
『 う 、打ち所が 悪かったんです 、! 』
「 そうやね 、悪かったんやね 。 」
段々と 教室が 外と同じ赤色に染まり始めていた 、そんな教室で 2人の少年が 話す 、青春のようで そうではない 。
『 …… 僕 、もう此処には いられないと 思うんです 、 。 』
「 …… っ 、 」
『 遠い所で 、罪滅ぼし を … したいと思います 、 』
笑っていた 。いや 厳密に言うと 笑ってはなかった 、無理やり 笑顔を作っていた 。涙で 顔が崩れ 声も震えている 、これ以上泣いたら 綺麗な瞳が 溶けてなくなってしまうのでは 無いかと 思う程 。そんな彼の頬に 手を伸ばし 触れ 、見詰めた
「 … なら 、俺もそれに 連れてってや 甲斐田 」
不破の言葉に 甲斐田は 驚いた様に 、泣き腫らした顔を上げ 目を見開く まるで “ どうして 、? ” と 言うふうな顔で 。そんな顔を不破は 見詰め 宥めるように 背中をさすっていた手を 離し 、
甲斐田の細い手の上に ソッと 添えた 。
「 … お前は 、俺の大切な 友達やから …… だからこそ こうなる前に イジメがあったの 言って欲しかった 。 」
『 ……… っ 、 』
「 取り返しのつかん事に 、なる前に 言って欲しかった 、相談して欲しかった 。 」
『 ふ …… わ゛さん 、 』
「 全部 、教えてや 晴 。 」
その日初めて 、彼の下の名前を 口に出した 。素敵だと 褒めたかった 下の名前を … こんな風に 呼ぶ時が来るなんて 思ってもなかった 。
涙を拭う 彼が 震える声で 、虐められていた 内容を 言葉に出した 。
始業式が終わってから 次の日 、甲斐田は 不破と会えることを 楽しみにしながら 学校へと向かった 。
学校に着くと 不破以外に 友達が作れていない 甲斐田は 、教室の扉を開け 席に座る 。中学と同じような生活だった 、だが 中学と高校 で 少し違うことがあった 。それは 女子からの目線 と 男子からの冷ややかで 少し …… ほんの少しだけ感じる 嫌な目線 。
嫌な目線 は 、よく分からなかった … なにか 変な感情が 渦巻いた様な 、とてもいい目では無い 。そんな時に 隣の 彼を Aくん としよう 。 その Aくん が 甲斐田に話しかけた 。
〈 甲斐田晴くんってさ 、いい顔してるよな 〉
と 、甲斐田は その言葉を聞き とても喜んだ 、外見を褒められるのは あまり得意ではないが 、褒めてくれる以上 喜ぶしか無かった 。
すると 、
〈 … 正直 気に食わないわ 〉
冷たい声 、冷たい目線を向けた Aくん が 甲斐田の頬をひっぱたいた 。甲斐田には 一瞬の出来事で 理解が追いつかなかった 、先程まで外見を褒めてくれていた Aくんは 何処にもいない 。
これが 、ドンドンとエスカレートしていった 。
暴力は勿論のこと 、物を隠される 、物を盗まれる 、物を壊される 、机に暴言などの落書きをされる 、椅子に画鋲が貼られていたり 、トイレの水を 上からかけられたり … 様々なイジメにあっていた 。
最終的には ………
性暴力 に …… 発展してしまった 。
次会ったら 、何をされるか分からない 、もう穢れたくもない 、汚れたくもない … 傷つきたくも無い 。そう強く思っていたら 帰る前に Aくん が 話しかけて来た 。
またなにかされる 、
また …… またッ 、気持ち悪い事をされるッ 、!
そう思った瞬間に 、Aくん を 突き飛ばしてしまった … 、ゴッ … と 鈍い音が 静かな教室に鳴った 。Aくん は 、後頭部を 机の角にぶつけ 頭から血を流し 倒れている 。
『 あ 、あぁ゛ … ちが 、ぼ 、くは …… 』
混乱の最中 、頭に浮かんだのは 不破の顔だった 。彼に話を聞いてもらえば 、解決するのではと … 不破の居る教室に 向かって走っていったのだ 。
「 …… それで 、今の状況 、なんやね 」
『 う 、うぅ゛、 ごめ゛んなさぃ゛ … ごめんなさい゛ 』
「 大丈夫 …… 二人で逃げよう 、遠い所に行こう 遠い … 遠い場所 誰も居ない場所に行こう 甲斐田 。 」
『 ふわ゛さん゛… 』
「 そこで 、罪滅ぼし を しよう …… 。お前を1人にしやんから 」
そして ___ 、二人は逃げる様に 教室を飛び出た 。誰にもバレないように 誰にも …… 悟られないように 、“ 二人だけの 秘密 ” で あるように 。
あの出来事の後 、甲斐田は 不破の手を離さなかった 。ずっと 子鹿のように 震えていた 、そんな 甲斐田を 宥めながら 、一時的に別れを告げた 。必要なものを 取るために帰宅したのだ 。
「 何 必要なんやろなぁ … 財布 とりあえず ナイフと 携帯 、ゲーム …… こんぐらいあれば いいか 」
必要最低限のものを カバンに詰めた 、家族写真 に クラス写真 、日々付けていた日記 … 今となっては もう 要らないもの 。要らなくなったものを ゴミ箱に投げ捨てた 。
夜になってきた頃 、不破と甲斐田 は 虹澤公園 に 集まっていた 。 2人とも 最低限のものしか 持っていない 。
「 … なんか おもろいな 今の状況 」
『 え 、面白いですか 、? 』
「 他の人が 知る由もない 旅の始まりで 面白くて 楽しいやん 」
『 … そう 、ですね 』
人殺し と ダメ人間 の 逃避行 が 始まる 。
不破が 大きく息を吸い 吐くと 、甲斐田を見詰めて 少し微笑む
「 この狭い狭い 世界から 逃げ出そうや 甲斐田 」
『 不破さん … 、 』
「 クラスのやつも 家族も 全部捨てよ 、 お前となら 何処にでも行ける気がするわ 」
『 …っ 、うん゛、う゛ん゛』
腐りきったこの世界を 捨てて 、甲斐田と二人で 逃げ出すと覚悟を決めた 不破は 、また 泣き出した 甲斐田の手を引き 街灯が明るく照らす 道を 歩き出す 。
行く当ても無い 高校生と言う まだ若く弱い青年が 価値のない世界 を 捨てて 、罪滅ぼし の 旅に出た 。
( お前は 、何も悪くないから …… 何も悪くないよ …… だって )
人殺しなんて そこら中に 居るんやから …
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!