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響の運転で、私たち3人は、優菜ちゃんが決めた温泉地を目指して出発した。


「ねぇねぇ!トイレ大丈夫?コンビニは?」



助手席に座る優菜ちゃんが、後部座席の私たちに向かって話しかける。



「あ…俺は別に」



真莉ちゃんはそう言ったけど、私には長距離の車に乗る心配が…しかも後部座席。



「私は…ちょっとコンビニ寄りたい…」



それにしても…なんで、私が後部座席?


ちょっとだけ…不満。



「私…いきなり初めての人は苦手なんだよね」



優菜ちゃん、やって来るなり私に、コソっとそんなこと言う。


…後部座席は嫌だってこと?




「…お前後ろだろ」



助手席に乗り込む優菜ちゃんに、響がそう言ったので、ちょっと意外。


この前の口喧嘩で、少しは考えたらしい。



ところが優奈ちゃんは、響の言葉に眉をハの字にして、困ったように言った。



「…後ろに乗ると酔っちゃうんだもん」



そう言われたら、「私も…」なんて言えなくなってしまった。





コンビニには結局全員で入ることになり、私がミントガムやスースーするタブレットをこれでもかと手に取ったのを見ていた響。



「…かして」



私からそれらを奪うと、響は自分のコーヒーと一緒にレジに向かった。


他の人の買い物には、別に手を出さない。


それがなんだか…響が私をちゃんと恋人って扱ってて、私とそれ以外を区別する線引きだとわかる。


そして、それがちょっと嬉しかったりして…。


…全然、甘くない、なんなら最近氷点下の恋人だけど。




「あ!響、私のも買ってぇ」



チョコとかクッキーとかキャラメルとか…甘いお菓子を響に渡す優菜ちゃん。



…車酔いするって、ホントはかぁ?




結局、優菜ちゃんの買い物を受け取ったついでに、真莉ちゃんが持ってた飲み物とガムも奪って会計を済ませた響。



車に戻って、目的地を目指した。




高速を降りて、山道に入ったところで、恐れていためまいと気持ち悪さが襲ってきた。



窓にコテン…と頭をくっつけて、スーハータブレットを口に入れる。




「…ダイジョブかー?琴音」



真莉ちゃんが声をかけてくれたけど、気持ち悪いなんて言えなくて、眠いだけだよ…と答えてしまう。



すると、安全な場所を見つけて車がスッと止まった。



響が運転席から降りるのを見て、優菜ちゃんが「なに?なに?」と食い気味に一緒に降りた。



なんだろ…景色とか?

私はいいや…



真莉ちゃん見ておいでよ…と言おうとしたら、全体重を預けていた後部座席のドアがガチャ…っと開いた。



「…なんで言わねぇの?琴音も車弱いんだろ?」



崩れ落ちそうな私を、とっさにお腹のあたりで押さえて、響が私の冷や汗の浮いたおでこを撫でる。



「うぅ…」


「支えるから、1回降りてみな」


支えられて外に出ると、冷たい秋の風が心地よくて、一瞬で気分がよくなる。




「なんだ…琴音も車に弱かったんだ…」



私の肩を抱いて心配そうに見下ろしている響の隣から、優菜ちゃんが覗き込むように顔を出して言う。





「…平気、だと思ったんたケド…」




「無理すんな。優菜、後ろに乗れよ」






言われて優菜ちゃんはちょっとむくれた声で「はーい」と返事した。



あ…なんか懐かしい。

子供の頃も、みんなのお兄ちゃん的存在だった響。


誰の言うことも聞かない優菜ちゃんでも、さすがに響に言われると「はーい…」って返事してた。


そんなことを思い出して笑顔になってみれば、響がそんな私を見て意外なことを言い出す。




「この間、優菜が来たときのこと、ごめん」


「…え?」


「俺も…あんまり…というか、恋愛経験ないんだよな。ずっとほら、お前を好きだったから」



意外な告白をされて動揺する…

響、そのイケメンで、恋愛経験ないとか…罪だよ?



見上げれば、超絶イケメンと目が合う。



「優菜は家族みたいなもので、特別気にしてなかった。でもこれからはちゃんと、線引きするから」


…その気遣いは感じてた。

だから嬉しい。素直に…。



2人で車に戻って、私は無事に助手席に乗る。


先に車に乗ってた初対面の優菜ちゃんと真莉ちゃんが心配で、チョット後ろを見てみれば。



「名字が真莉って…すごく珍しいね〜!」



初対面の人は苦手とか言って、楽しそうに話しかけてるじゃん…!



よかった…と、何気に運転席に目をやると、サングラス越しに響とバッチリ目が合った。



「……っ!?」


サングラスをかけた響に絶句する…


な…に?

サングラスってそんなにカッコよさを爆上げするアイテムなの?


似合いすぎる…


オフのテキトーな寝起きの髪なのに…休日限定の無精ひげなのに…!


そのゆるい感じとサングラスが、響のイケメン度をこれでもかと上げてるじゃないか…!



「…めちゃくちゃ見つめ合ってるよ。この2人…!」



こらえきれずに真莉ちゃんが笑い出して…私たちもハッとした。




「んじゃ…出発するか」



ハンドルを握った響の耳が赤い気がするのは…気のせいかな。



スパダリは甘くない

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コメント

1

ユーザー

まさかの響あんまり?恋愛経験なし😳 線引きするってちゃんとオバちゃん聞きましたからね!!!忘れたらど突きにいかせていただきます💪 それにしても優菜…全く待って地球外生命だよねー。真莉ちゃんも狙う?

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