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前話投稿が遅かったので,
前話と今回の話,の2つを更新します
iw side
今日,俺は辰哉さんに告白をする
いざ告白をするとなると,緊張して,仕事も手につかなかった
そんな調子だったから佐久間とか康二に馬鹿にされたし,ラウールと舘さんには悟られてニヤニヤされた
正直ムカついたけど,帰り際に「頑張って」って応援されたから許す
iw「さて,行きますか」
俺は会社を出て,深呼吸してから花屋に向かって歩き出した
iw「ふぅ,緊張してきた」
花屋の前で立ち止まり,深呼吸を繰り返す
fk「照さん?」
iw「あ…辰哉さん」
立ち止まりすぎたか…
いつも通り淡い紫色のエプロンを身につけた辰哉さんが店の中から出てきた
fk「こんばんは,どうぞ中へ」
iw「はい!」
中へ入ると,花の香りがふわりと風に乗って漂ってきた
fk「今日もいつも通りでいいですか?」
iw「あ,今日は俺が選んでもいいですか?」
fk「はい!ぜひぜひ!」
iw「じゃあ,胡蝶蘭,ベゴニア,アガパンサスを霞草で包む感じの花束でお願いします」
fk「…わかりました!では少しお時間いただきますね」
iw「お願いします」
辰哉さんは俺が選んだ花を次々と手に取り,レジ横の作業台で花束を作り始めた
その姿は,あの日,一目惚れした日と同じように,美しさと儚さを感じた
しかし,目には光がないように見えた
fk「照さん,出来ましたよ」
「こんな感じでどうでしょうか」
iw「わぁ,綺麗です!ありがとうございます」
fk「お会計は550円になります」
iw「じゃあちょうどで」
fk「はい,ちょうどお預かりいたします」
「外までお見送りしますね」
iw「ありがとうございます」
fk「その花束は誰かにあげるんですか?」
iw「え?」
急な質問に少し戸惑った
fk「花言葉がプロポーズみたいだったので…つい,笑」
そう言った辰哉さんは少し寂しそうに笑った
iw「はい,今日大切な人に俺の気持ちを伝えようと思って」
fk「そうなんですね,この花束を貰う方は幸せですね」
iw「そうですね,幸せにします」
「一生をかけて」
fk「いいですね,お幸せになってください」
iw「いえ,俺だけ幸せになるんじゃないです」
fk「え?」
iw「俺と辰哉さんの2人で幸せになるんです」
fk「え…っと,それは,どういう…?」
iw「俺が想いを伝えたいのは辰哉さん…です」
「この花束,受け取ってくれませんか?」
fk「ッ! 俺でいいんですか,?//」
iw「はい,辰哉さんがいいんです!」
fk「…こんな俺でよければ,よろしくお願いします,ッ⁉︎///」
俺は辰哉さんからの返事を聞くと同時に,辰哉を抱きしめた
fk「えっとぉ,ひかる,さん?///」
iw「ひかる…照って呼んで」
fk「あっ,うん…ひか、る? ///」
iw「ッ‼︎ 大好き,笑」
fk「ッ,俺も,大好き///」
辰哉は頬を赤らめながら,大好きと言ってくれた
fk「照,ちょっとだけ離して…」
iw「え,無理,ダメ」
fk「ちょっとでいいから,!」
iw「なんで?」
fk「俺も照に渡したいものあるの!」
そう言って辰哉は店の中から小さな花束を持ってきて,俺に渡した
fk「はい,これ」
iw「これは…ナズナとホトトギス?」
fk「そう,花言葉は…」
iw「『あなたに私の全てを捧げます』,『永遠にあなたのもの』…だよね」
fk「うん…//」
iw「俺に全部を捧げてくれるの,?」
fk「うん,だから全部受け止めてよね」
「途中で捨てたりしないで…」
辰哉は悲しそうに,消えてしまいそうな微笑みを浮かべながらそう言った
俺はもう一度辰哉を強く抱きしめた
iw「絶対全部受け止める,何があっても!」
「絶対に捨てないし,離さない」
fk「ふふ,ありがとう 笑」
iw「今日一緒に帰りたい,」
fk「俺もそのつもり」
iw「絶対,幸せにするから」
fk「2人で幸せになろうね,」
スクロールお疲れ様でした
ここで『君からの花には』は完結となります
(リクエストがあれば番外編も書きます)
自分自身,美しさや儚さを持つ日本語が大好きで,美しい花に美しい日本語が使われている花言葉がとても好きで,この作品を書きました
この様な綺麗で儚い日本語がいつまでも続くことを願っています
最後に照が選んだ花の花言葉を置いていきます
・胡蝶蘭『あなたを愛します』
・ベゴニア『愛の告白』
・アガパンサス『愛しい人』
・霞草『永遠の愛』
では,次の更新まで!🙌
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